593.【WACK峮峮スピンオフ未公開集#6】台北の街角にて
大家好。WACK峮峮スピンオフ未公開集の第6回目は、第2部の21で、この小説の補足部分です。舞台を台北に移します。
いろいろと小説内のエピソードが出てきますが、それぞれを記事リンクさせるのは難しいので、そこは「小説を読んでください」と言うしかないですw
それでは、note未公開部分をご覧ください。
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台北の街角にて
台北の街角。登場人物は、峮峮、Julie、丸武群の3人。
丸「これが最後。小説の最後に3人で雑談という企画なんだ」
峮「企画なの?もうおしまい?」
丸「そう。2人とも小説は読んだ?」
峮「読んだ」
J「うん、良かったよ」
峮「衣装が素敵!一度着てみたいな」
J「え?峮峮、着てるじゃない」
峮「そっかw どう言ったらいいの?」
丸「小説の中と外がゴチャゴチャになってるね。でもそれでいいんじゃない」
J「あ、テキトーなのね」
峮「峮峮、カッコいい!悪魔、バンバン倒して」
J「あなたじゃないw」
峮「そっかwでも、わかんないところがあるなぁ……」
丸「どんなとこ?」
峮「いろいろあるんだけど、過去に行ったり、未来に行ったり、そう、別の世界の時間は違うとか……」
丸「たまゆらの空間?」
峮「それ!」
丸「過去や未来に行くのは小説の演出。実際には難しいよ。たまゆらの空間は、あそこで書かれてるとおり、意識によって時間感覚が変わってくるって話」
J「それね。私の仮死状態のときは3分かかってて、峮峮のときは一瞬だったり……どういうこと?」
丸「あ、いいとこ気づいたね。それは、意識のスピードの差。意識が微細になると、意識のスピードが速くなる。その差だね。峮峮は一生懸命修行していたから、意識がかなり微細になってたんだ」
峮「え~スゴいね!」
J「ひとごとのように言ってるw あなたじゃない」
峮「そっかw」
J「そう、3分。ピラミッドが33メートルとか、やたら3が出てくるんだけど」
丸「うん、3という数は重要なんだ。ヨーガでは、善性・動性・暗性という3つのグナで、この世界が構成されていると言われている。あと、陰陽の2つ」
峮「え、難しい……」
丸「峮峮、あなた落ち着きがないでしょ。それが動性のエネルギー。テキパキ鋭くひらめくとかが善性、ぐだ~っとしてるとかが暗性」
峮「あ、わかるw」
丸「うん、3つのグナと陰陽の2つ、これでこの世界が構成されてるんだね」
峮「この小説ね、初めギャグっぽかったんだけど、だんだんシビアになってきて……」
J「そう、最初の悪魔のとこなんか笑った」
峮「丸ちゃん、デブデブ言い過ぎ!もう……」
丸「ごめん。なんかそういう流れになってね」
J「でも峮峮、変わってないね。ルシファーになっても同じだし」
峮「あ、それ……あたし、暴走するかなぁ。ルシファーになっちゃうんでしょ」
J「暴走?するする。調子に乗って」
峮「もう、ヤだ~」
丸「珍しいことじゃないよ。あの状況になったら誰でも暴走するよ。正義に酔ってしまうんだね」
峮「みんなそうなるの?そうならないように出来ないの?」
丸「インドヨーガの経典に『自在神への祈念』という言葉がある。これが大事だね」
峮「神さまに祈るの?」
丸「そこはいろいろあるけど。自分が神のしもべであるという謙虚さは大事だね」
峮「謙虚……ね」
丸「峮峮は謙虚だと思うよ。でもああなってしまうと、みんな謙虚さが吹っ飛んでしまうんだね」
峮「そう、一番聞きたかったのは当麻無明。当麻って何だったの?サタンのくせして、私を導いていたような気がする。いろいろと教えてくれてたし……」
丸「そう、導いてたね」
J「悪魔が導くの?それってまずいんじゃない?」
丸「悪魔を悪だと言って単純に否定はできないんじゃないかな。すべてその人次第。自分がそれを試練だと思えば変わってくる」
J「試練……」
丸「うん。自分を成長させる試練ね。困難があるから、苦労があるから、人は成長できる。試練は成長のチャンスだということ」
峮「あの巨人との戦いで、自分の肉体を捧げるってあったでしょ」
丸「あ、それ?」
峮「あんなことできるの?」
丸「あれはすごくレベル高いよ。そう、当麻が『生きとし生けるものに捧げる』と言ってたでしょ。あれ、正確じゃなくて、さっき言った自在神のような神々にまず捧げないとまずいんだよね」
峮「え、違うの?」
丸「謙虚さが違ってくる。当麻はここに落とし穴を作ってるんだね」
峮「やっぱり悪魔じゃないw」
J「丸武さん、聞きたいんだけど、あなた当麻無明を知ってるでしょ」
丸「よく知ってるよ」
峮「あなたが当麻なんでしょ」
丸「実を言うと、よくわからないんだ」
峮「わからない?」
丸「私が小説を書き始めると、勝手に登場人物が動き出す。当麻の場合は、物語を進行させてくれるので、そのまま放置してどんどん書き続けた。でも、そこに自分の意思が入っているのか、全くわからない。当麻という人物が誕生して、私とは全く別に物語を進行させたという可能性もある」
峮「わたしは?」
丸「同じ。どんどん走り出した。途中『峮峮が暴走している』と書いたけど、それは本当。私に止めることはできなかった」
J「わたしの立場はどうなの?」
丸「ああ、Julieは不思議な感じがしてる。初めは全く話してくれなかった。でも、途中から物語にどんどん介入して、峮峮を助けてくれた。本当にありがとう」
峮「なんか不思議だな。あの話の私は私であって私でないってこと?」
丸「うん、よくわからないんだ」
峮「でも、Julieが助けてくれたからいいか」
丸「あ、それなんだけど。Julieは間違えてるんだよね」
J「え?どこ?」
丸「シールドを破壊してから、最初スミレの白を撃ったよね。それは謙虚さを取り戻すためだから問題はない。次に撃つのは、青のパセリで死の前兆を現出させる必要があった。それから最後は、黄色のローズマリーで蘇生」
J「でも……」
丸「わかってる。青に『死』が入っていたんで避けたかった、と。だから黄色が先になったんだよね。Julieらしい」
峮「黄色は当たんなかったよね」
丸「うん、外してる」
J「じゃあ、蘇生の効果が残っていたと思ったのは……」
丸「それはない。弾は一度撃てばおしまい」
J「じゃあどうして?」
丸「それは、Julieの念いだよ。Julieの熱い念いが、峮峮を蘇生させたんだ」
峮「Julie……」
J「なんか照れちゃうな……」
丸「素晴らしい友情に乾杯!」
峮、J「乾杯~!」
思わず、3人で笑った。
峮「そう、あの老賢人、当麻が言っていた大事なものって何?よくわからない」
丸「魂の旅路。……魂の成長、心の成熟と言ってもいいかな」
峮「魂の旅路……」
丸「みんな旅をしてるのかもしれない。そろそろ、私も別の旅をしなきゃね」
J「うまいこと言うのね」
峮「また会えるよね」
丸「きっと。じゃあね、再見!」
J「再見!」
峮「じゃあね~!」
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これで小説は終了です。Kindle『峮峮(チュンチュン)悪魔超克の旅路』では、その後に「【ワディ×丸武対談】WACKに助けられて――陸軍婦人部隊員と玄武土のあいだ」がありますが、それはKindleにてお願いします。
そして小説の全容を以下リンクで示します。内容が大量なので、もう一度出すことは難しく、リンクでご容赦ください。
第1部 峮峮の変身
第2部 7人の悪魔との対決
Kindle出版『峮峮(チュンチュン)悪魔超克の旅路』はこちら。1/9(日)17時から1/14(金)17時まで新春無料キャンペーン中です。
WACK峮峮スピンオフは次のマガジンからどうぞ。
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私が最初にあなただけを愛してると言ったとき、
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コマドリは木の上から高らかに歌う。
私が最初にあなただけを愛してると言ったとき、
あなたも私だけを愛してると言った。
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