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485.【WACK峮峮スピンオフ#40】コマンドJulie登場!

大家好。今回はWACK峮峮スピンオフの40回目、第2部の16回目に当たります。峮峮(チュンチュン)を救うため、Julieが覚悟を決めます。

これは「WACK峮峮スピンオフ#39」の続きに当たります。「WACK峮峮スピンオフ#39」は次のリンクをご覧ください。

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仮死状態にする薬を作るのは、予想以上に大変だった。夜通し作業するうさうさんだったが、時刻は午前3時を回っていた。

仮眠を取った後、Julieワディさん、さん、緑川さん、ポンちゃんがうさうさんの倉庫に集まった。倉庫にあったポイポイ変身機とテスラコイルは奥に移動し、広々とした空間になっていた。緑川さんは方角を確かめながら、ベルベットの黄色い敷物を敷いた。

「Julieちゃん、気分はどう?」
「緊張する……」
「大丈夫。絶対に死ぬことはないから」

緑川さんがキッパリと言った。Julieの念(おも)いは一つだけだった。

「峮峮、帰ってきて!」

自分が仮死状態になるという状況を前にしても、Julieは澄んだ瞳で、しっかりと前を見据えていた。

「お待たせ~」

うさうさんが容器に丸薬を入れて持ってきた。

「これを3粒。うん、大丈夫!」

うさうさんは自分を納得させるように言った。Julieは丸薬を飲むと、黄色い敷物に横たわった。うさうさんJulieの脈を取った。

「あ、脈が取れなくなった……」

仮死状態に入ったのか。それから3分33秒、Julieは目覚め、コマンドJulieの姿で立ち上がった。

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6連グレネードランチャー、ダネルMGLを持ち、グレネードバンダリアには40mmモスカートが6発収められている。特徴的なのは、モスカートが黒、白、青、黄、赤、緑と色分けされていることだ。

Julieの武装した姿がゴツかったので、みんな不安になってJulieに聞いた。

「Julieちゃん、その格好。どうしたの?」
「うん、安心して。峮峮を救い出す方法を教えてもらったから」

Julieの口調が優しく、以前と変わらなかったので、みんなホッとした。Julieはニッコリとして言った。

「あ~ぁ、こんなゴッツいの持ってたら誤解されちゃうよね。いつもと変わってないんだけど……」
「よかった。Julieちゃんまでがおかしくなったかと思ったよ」
「でもよかった。蘇生魔法を使うことなく蘇ってくれて」

「こんな格好してるけど、できたら使いたくない。峮峮と腹割って話そうと思ってるの」
「ああ、それはいいね」
「そう、いかに気持ちが通じるかだもんね」

そして、Julieは懇願するように言った。

「ここは一人で行った方がいいと思う。その方が本音で話せると思うから」
「なるほど、その方が自分の言葉で話せるし……」
「賛成だな。確かにそれがいい」

「そうすれば峮峮は心を開いてくれる。きっと、きっとね」

Julieは自分に語りかけるように言った。うさうさんチュンチュンアプリを立ち上げ、峮峮が獅龍公園にいることを確認してから、Julieに話しかけた。

「峮峮ちゃんは、やっぱり獅龍公園にいるみたい。そうそう、Julieね。峮峮ちゃん、まだあたしのペンダント付けてるの。完全に悪魔になったわけじゃないと思う」
「やっぱり……。私もそんな感じがしてる。魂まで悪魔に売り渡してはいないのね」
「そこに救いがあるということだな。Julieちゃん、やっぱり鋭いね」
「これ絶対いける!Julieちゃん、峮峮ちゃんを助けてあげて!」

ワディさんのその言葉にうなずくと、Julieは出発した。実際、外見は「出撃」といった出で立ちなのだが、Julieはやわらかな微笑みを浮かべ、峮峮の帰還を確信していた。

 スミレは森で香りを漂わせ、
 ミツバチはその魅力に誘われる。
 私が最初にあなただけを愛してると言ったとき、
 あなたも私だけを愛してると言った。
 栗の花が空き地で輝き、
 コマドリは木の上から高らかに歌う。
 私が最初にあなただけを愛してると言ったとき、
 あなたも私だけを愛してると言った。

夜明けが近づいてきた。

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いよいよ、コマンドJulieの活躍が始まります。皆さまには申し訳ありませんが、コマンドJulieが峮峮を救い出すシーンは、電子書籍の書き下ろしとなります。ご了承のほど、お願いいたします。

さて、今回登場していただいた方のご紹介です。また、ご登場の方の記事をリンクしていきます。

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今までのWACK峮峮スピンオフは次のマガジンからどうぞ。

峮峮スピンオフ、次回はフィナーレ回をnoteで発表します。

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