マガジンのカバー画像

利休百首を読もう

17
茶の湯についてもっと理解を深めるために、利休百首を読んでいます。また、利休百首に関する記事を集めています。一緒に読みたい茶人さん、この指とまれ。
運営しているクリエイター

記事一覧

利休百首その17 薄茶入蒔絵彫もの文字あらば

利休百首その17 薄茶入蒔絵彫もの文字あらば

今、「利休百首」を読み返していてます。
読んだ感想や、歌にまつわるエピソードをこのnoteに残していますので、よかったらお付き合いください。

※「利休百首」は茶の湯の作法や礼儀を100の和歌の形式でまとめたもので、茶の湯の実践者だけでなく、茶の湯の初心者も親しめるように作られたものです。

絵や文字のある薄茶器には正面があるので注意すること。

蓋と本体の絵柄が実はつながっているということは、意

もっとみる
利休百首その16 中継は胴を横手にかきて取れ

利休百首その16 中継は胴を横手にかきて取れ

「利休百首」は茶の湯の作法や礼儀を100の和歌の形式でまとめたもので、茶の湯の実践者だけでなく、茶の湯の初心者も親しめるように作られたものです。

この利休百首を今、ひとつひとつ読み返していて、このnoteには読んだ感想や、この歌にまつわるエピソードを残しています。よかったらお付き合いください。

中継を扱う時は、胴の横から取ること。茶杓を蓋の上に置く時は、水平に置くこと。

この歌は薄茶器の一種

もっとみる
利休百首その15 棗には蓋半月に手をかけて

利休百首その15 棗には蓋半月に手をかけて

「利休百首」は茶の湯の作法や礼儀を100の和歌の形式でまとめたもので、茶の湯の実践者だけでなく、茶の湯の初心者も親しめるように作られたものです。

この利休百首を今、ひとつひとつ読み返していて、このnoteには読んだ感想や、この歌にまつわるエピソードを残しています。よかったらお付き合いください。

棗を扱う時は、半月を描くように持つこと。茶杓を載せる時は、棗の丸みを感じさせるように置くこと。

もっとみる
利休百首その14 よそにては茶を汲みて後茶杓にて

利休百首その14 よそにては茶を汲みて後茶杓にて

「利休百首」は茶の湯の作法や礼儀を100の和歌の形式でまとめられており、茶の湯の実践者だけでなく、初心者にも参考になるものです。

この利休百首を今、ひとつひとつ読み返していて、このnoteには感想や、この歌にまつわるエピソードを残しています。よかったらお付き合いください。

茶杓を茶碗に当てるときは注意すること。他所で茶を点てるときはなおさらである。

茶杓ででお抹茶をすくうと、抹茶の粉が茶杓に

もっとみる
利休百首その13 濃茶には湯加減熱く服は尚ほ

利休百首その13 濃茶には湯加減熱く服は尚ほ

「利休百首」は茶の湯の作法や礼儀を100の和歌の形式でまとめられており、茶の湯の実践者だけでなく、初心者にも参考になるものです。

この利休百首を今、ひとつひとつ読み返していて、このnoteには感想や、この歌にまつわるエピソードを残しています。よかったらお付き合いください。

濃茶の服加減を身につけるには、繰り返し濃茶を練ることに限る。

前の歌でおいしい濃茶を練るためのやさしい手ほどきを受けたか

もっとみる
利休百首その12  濃茶には湯加減熱く服は尚ほ

利休百首その12 濃茶には湯加減熱く服は尚ほ

「利休百首」は茶の湯の作法や礼儀を100の和歌の形式でまとめられており、茶の湯の実践者だけでなく、初心者にも参考になるものです。

この利休百首を今、ひとつひとつ読み返していて、このnoteには感想や、この歌にまつわるエピソードを残しています。よかったらお付き合いください。

濃茶を練る時は湯加減が大切だが、ぬるいよりは熱い方がよい。茶の表面には泡がないように、また、茶の中にはだまがないように。

もっとみる
利休百首その11  濃茶には点前をすてて一筋に

利休百首その11 濃茶には点前をすてて一筋に

「利休百首」は茶の湯の作法や礼儀を100の和歌の形式でまとめられており、茶の湯の実践者だけでなく、初心者にも参考になるものです。

この利休百首を今、ひとつひとつ読み返していて、このnoteには感想や、この歌にまつわるエピソードを残しています。よかったらお付き合いください。

濃茶を学びはじめ覚えることでいっぱいいっぱい、そんなひたむきな社中さんに届けたい、一首です。

濃茶は見事な点前よりも服加

もっとみる
利休百首その10 点前こそ薄茶にあれと 聞くものを

利休百首その10 点前こそ薄茶にあれと 聞くものを

こんにちは。
今日も「利休百首」のつづきを。

「利休百首」は茶の湯の作法や礼儀を100の和歌の形式でまとめられており、茶の湯の実践者だけでなく、初心者にも参考になるものです。

この利休百首を今、ひとつひとつ読み返していて、このnoteには感想や、この歌にまつわるエピソードを残しています。よかったらお付き合いください。

お点前の基本は薄茶にある。基礎を軽く見るような人に上達はない。

何事も基

もっとみる
利休百首その8 何にても道具扱ふ度ごとに

利休百首その8 何にても道具扱ふ度ごとに

道具を運び出すときは、たとえ重くても軽く持ち上げるようにすること。また、道具を置いて手を離すときは、ゆっくりと離すこと。

茶の湯というのはシンプルで、お茶を出す人、つまり亭主と、そのお茶を飲む人、つまり客から成り立ちます。
亭主は客の目の前でお茶を入れるのですが、お茶が美味しいと思ってもらうためには、そのお茶を入れるふるまいだって気持ちの良いほうがよかろう、ということでこのような歌は生まれたのだ

もっとみる
利休百首その7  点前には強みばかりを思ふなよ 

利休百首その7 点前には強みばかりを思ふなよ 

これは私のお茶の先生がよく口にされる歌です。
でも、それにしても前の一首でおっしゃったことと矛盾していませんかと、頭を悩ませる一首でもあります。

お点前では、力強く振る舞うことばかり考えてはいけない。軽いものを持つ時は、まるで重いものを持つように、逆に重いものを持つ時は、まるで軽いものを持つように。

水がたっぷり入った大きな水指を運ぶ時。
また、薄茶のお茶碗とお棗を運ぶ時。

別の生徒さんを指

もっとみる
利休百首その6 点前には弱みを捨ててただ強く

利休百首その6 点前には弱みを捨ててただ強く

これも解釈の難しい歌だ。

お点前をするときは、弱々しさを捨て、強くあれ。だからといって力が入りすぎて、卑しい動作にならないように。

なよなよしいお点前は、見る側も不安になるものです。ここでいう弱々しさというのは、練習不足や、自信のなさといった心理的なものを指していると思います。
だから自信を持って、堂々と。だからと言って力が入りすぎると、こちこちの動作になってしまいます。強くあれ、でもいい塩梅

もっとみる
利休百首その5 上手にはすきと器用と功積むと

利休百首その5 上手にはすきと器用と功積むと

上手になるための3つの条件とは。

上手になるためには、何事も「好きであること」「器用であること」「コツコツと努力すること」の3つが必要である。他人から強いられていやいや習うようでは、上達は難しい。

「好きこそものの上手なれ」という諺がありますが、利休百首は、上手になるには好きであることのほかに手先の器用さ、そしてコツコツと続けることが重要だと説いています。

これを読んで、はじめはショックを受

もっとみる
利休百首その4 はぢをすて人に物とひ習ふべし

利休百首その4 はぢをすて人に物とひ習ふべし

簡単そうで実は難しいこと。

知らないことを恥ずかしいと思わず、師匠や先輩に聞いてみよう。自尊心を捨て、教えてもらいながら学んでいこう。それが成長の礎となる。

まず、知らないことを認めること。その上で、他人に聞いて、教えてもらうこと。茶の湯に限らずいろんな場面で大切なことだと思います。

私の場合、特に学生時代から20代にかけて、知らないことを素直に知らない、教えてほしいとなかなか口に出すことが

もっとみる
利休百首その3 こころざし深き人にはいくたびも

利休百首その3 こころざし深き人にはいくたびも

こちらも学ぶ姿勢について説かれた歌です。

解釈1:学ぶ側の読み方
志が深く熱心な人には、学びの場において何度も丁寧に親身になって教えてもらえる機会が訪れる。

解釈2:教える側の読み方
師匠は、志が深く熱心な弟子に対して親切であるべきである。憐み深く、誠実に。

一般的に、志は「高い」と表現することが多いと思います。しかし利休さんに言わせれば、志が「深い」人にこそ、学ぶチャンスが訪れるということ

もっとみる