利休百首その4 はぢをすて人に物とひ習ふべし
簡単そうで実は難しいこと。
知らないことを恥ずかしいと思わず、師匠や先輩に聞いてみよう。自尊心を捨て、教えてもらいながら学んでいこう。それが成長の礎となる。
まず、知らないことを認めること。その上で、他人に聞いて、教えてもらうこと。茶の湯に限らずいろんな場面で大切なことだと思います。
私の場合、特に学生時代から20代にかけて、知らないことを素直に知らない、教えてほしいとなかなか口に出すことができませんでした。
今も口頭で教えてもらうことはあまり得意ではありません。一回教えてもらってもその場でうまく理解ができず、後からまた聞きなおす。前回は何を聞いていたの、と怒られる。そんな経験がややトラウマにさえなっています。
今思えば多分、コミュニケーション能力というよりも、尊大な自尊心や羞恥心が邪魔をしていたのかもしれません。でも大人になるにつれ、会話を通して頭の中を整理する術が身についたというか、ここにきてようやく、人の話を聞けるようになった気がします。
お茶のお稽古でも、特に経験の少ないお点前をするとき、びっくりするほどいろいろなことを忘れてしまっています。その度に先生に確認をし、丁寧に教えてもらってはいますが、またきれいさっぱり忘れてしまいます。本当にこの歌のとおり上手になるのかは、残念ながらまだ、分かりません。
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