利休百首その12 濃茶には湯加減熱く服は尚ほ
「利休百首」は茶の湯の作法や礼儀を100の和歌の形式でまとめられており、茶の湯の実践者だけでなく、初心者にも参考になるものです。
この利休百首を今、ひとつひとつ読み返していて、このnoteには感想や、この歌にまつわるエピソードを残しています。よかったらお付き合いください。
濃茶を練る時は湯加減が大切だが、ぬるいよりは熱い方がよい。茶の表面には泡がないように、また、茶の中にはだまがないように。
ひとつ前の歌では、濃茶はお作法よりもお茶を練ることに集中せよと説かれていましたが、ここでおいしい濃茶のヒントがうたわれています。
お服加減は熱めに。表面には泡がないように、また、お茶にダマが残らないように。
お服加減は、難しいです。
そして熱めにといってはいるけれど、グツグツと沸騰したお湯を使うと、せっかくよい抹茶でもぐっと風味が落ちてしまいます。
濃茶は薄茶よりも気持ちぬるめ(80度くらい)の温度がちょうど良い。
だから風炉の時期でも抹茶をいれたお茶碗にお湯を注ぐ前に釜にお水を指したりするのですね。
一見カオスなお点前でも、全ての動作に理由があるのですね。10年以上続けて、季節が変わるたびにその理由を教えてもらっているはずですが、何度聞いてもまるで新しい発見をしたような気分になるのは、なぜでしょう……。
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