#tanka
短歌五十音(は)早川志織『早川志織集』
はじめに
早川志織さんの歌集を読み進めて思ったことは、読んでいると植物園にいるような心地がするということだった。
早川さんの歌には植物や生き物が多く詠み込まれている。
第一歌集は特にどの連作にもほぼ植物が出てくる。
そして植物や生き物が詠み込まれた歌は妙に生々しく艶やかな印象がある。
そんな中、日常の何気ない瞬間の歌も非常に魅力的であった。
日常の歌
傘と海月のイメージが重なる。雨という多く
短歌五十音(に)西田政史『スウィート・ホーム』
はじめに
西田政史さんの『スウィート・ホーム』を手に取ってまず読み始めたのはあとがきからだった。
というか、歌集を読むとき8割くらいはあとがきから読み始める。
詳しく書きすぎるとネタバレになってしまうので控えるのだか、西田さんの誰のためでもなく自らのために短歌を詠む姿勢にとても惹かれ歌集を読み進めた。
自らを「辺境歌人」と名乗る西田さんの短歌は、読後に淋しげな印象が残る。しかし、淋しいだけでな
短歌五十音(つ)塚田千束『アスパラと潮騒』
塚田さんの歌との出会い
塚田さんの歌と出会ったのは『うたわない女はいない』(中央公論新社)を読んだ時でした。
塚田さんは「額縁になる」という連作を寄せていたのですが、この連作の内容、韻律の美しさに惹かれ歌集を手に取りました。
塚田さんは北海道に生まれ、現在は「まひる野」に所属。
第六四回短歌研究新人賞を受賞され、2023年7月に第一歌集『アスパラと潮騒』を出版。
歌集の帯には「もがく日々のうた