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観察日記1484
観察日記1484
おはようようございます。
『反〈絆〉論』をまとめ中です✋
■同情のダイナミクス
・Mitleid(同情、ドイツ語)
・苦しんでいる者と同化するという日本語の語感に近い
・「同苦」とも訳される
・sympathy(英語)
・必ずしも苦しんでいる者のみに向けられるのではない
・この感情を向ける方も向けられる方も対等の感じを含む
・「共感」という日本語に近い
・日本語とドイツ語の「同情=同苦」をベースに考える
・アリストテレス以来の強者の倫理(自由民の男子の倫理)
・安易な同情を嫌うが、その中は2種類に分類できる
①自分は同情されたくないが、他人(とくに弱者)を同情するのはやぶさかではない
②自分は同情されたくないし、他人に同情したくもない
・キリスト教を典型とした弱者の倫理
・同情を好む、これも2種類に分類
③自分は同情されたいし、他人も同情したい
④自分は同情されたいが、他人に同情したくない
・①は最も高級(崇高)で、④は最も低級(下劣)であるが、視野に入ってくることはあまりない
・②と③は現代日本においてある程度容認
・通常の感覚に基づいた倫理
・カントもニーチェも、選択肢は②と③だけであるように議論が進むが、はたしてそうか?
・①こそ倫理学の理想ではないだろうか?
・ニーチェの貴族道徳は②、奴隷道徳は③
・①を見逃している点、ニーチェはまだまだ真の強者ではなく充分貴族的ではない
・弱者を「憎む」こと「軽蔑する」ことに精神を集中
・弱者を“憐みこそすれ基本的に相手にしない”という真の貴族道徳を手中にしていない
・弱者の同情感が③であり、現代日本を覆いつくす倫理観
・現に強い者も強がっている者も、みな根本的には弱い
・膨大な他人の助力によって生きている(生かされている)
・目下のところ他人の助力が必要でない(金で買える)としても、いつ弱者の地位に転落するかわからない
・②のような驕りを捨てて③に切り替えるのが「正しい」
・こうした考えは、道徳的響きを持っている
・しかし、長い目で見ればその方がトクだからという理由が第一
・私(著者)は基本的にこれに賛同しない
・①と②について
・両者に共通するのは、自分はいかなる困窮に陥っても他人から同情されたくない、と望んでいること
・騎士道や武士道は①の一例
・あれほど「貴族」を称賛しながらニーチェはなぜ①に向かわなかったのか?
・ニーチェの倫理学のある種の不徹底性
・キリスト教道徳という奴隷道徳との意図しない親和性がある
((なるべく)他人に同情しない)
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