マガジンのカバー画像

ソ連旅

15
運営しているクリエイター

#ペテルブルグ

観光旅行をしていたら、ソ連がこわれた

観光旅行をしていたら、ソ連がこわれた

かつて、ソ連という世界一面積の広い国がありました。ザンネンながら30年前の1991年にこの世から消えてなくなりました。ソ連の遺産はだいたいロシアが受け継いだのですが、たとえばクリミア半島をめぐってウクライナと争いがおきたりしています。

ゴルバチョフさんがソ連共産党のトップになってから、ソ連は変わりました。東西冷戦が終わり、世界も変わりました。1989年にベルリンの壁が崩壊してから、ワクワクが止ま

もっとみる
ソ連最後の夏の旅⑥レニングラード

ソ連最後の夏の旅⑥レニングラード

レニングラードは革命の都。1917年の革命でロシア帝国が倒れ、ソ連が生まれました。そして1991年8月19日、私たちは、ソ連の観光旅行の途上で、まさかのクーデターに遭遇したのです。

4回目の革命?ゴルバチョフ失脚朝、バスに乗ると添乗員のキムラさんが新聞を読んでいました。プラウダ(真実)という名の真実が掲載されない新聞。私は「ゴルバチョフが逮捕でもされましたか?」と冗談を言って席につき、しばらくし

もっとみる
ソ連最後の夏の旅⑦レニングラード

ソ連最後の夏の旅⑦レニングラード

ゴルバチョフが拘禁され、国家非常事態委員会によるクーデターが起こった、2日目。ソ連第2の都市レニングラードでは、「非常事態令」が出されました。もうなんか世界史的にすごいことが起っている中、私たちはワクワクしながらレニングラードの町を探検しました。

キャビア売りのトオルホテルに付属したレストランで朝食を取っていると、顔なじみになったウェイターがやってきました。あだ名はトオル。俳優の渡辺徹に似た風貌

もっとみる
ソ連最後の夏の旅⑧レニングラード

ソ連最後の夏の旅⑧レニングラード

まさか、まさかが続いたレニングラードでしたが、事態は急転します。ただの観光旅行のはずが、どうしてこうなった。

外務省より「帰国せよ」朝食の席で。添乗員のキムラさんが緊張した顔でニュースを伝えました。
「昨晩、モスクワで市民が戦車にひかれ、殺されるという事件がありました。そして日本の外務省より通達が出されました。旅行者は、できるだけ早く帰国しろというものです」

予定ではその晩、夜行列車でモスクワ

もっとみる