「遊び心」を持つと世の中がちょっと面白く見えてくる
ざっくり
〇遊び心は、ふざけた態度のことではなく、世の中を見るフレーム(枠組み、思考回路)を変えること
〇遊び心を持つということは、異なる考え方で世の中に関わろうとする態度だったりする
遊びの要素
オランダが生んだ偉大な歴史家ホイジンガはかつて人間を
ホモ・ルーデンス homo ludens
と定義し、人間は遊ぶ存在だと論じました。
また、名言中の名言として
わたしたちが遊ぶのは、わたしたちが人間だからである
というのも残しております。
しかし、勤勉な日本人の性格からすれば「遊ぶ」なんて言語道断であります。
仕事中、勉強中、「遊び」の要素が入ったなら、上司・先生からカミナリを喰らうみたいなイメージがありまね。
日本人にすれば、「遊び」という要素は「不真面目」というレッテルに直帰するもので、少々取り扱い注意だったりします。
ところが、歴史家のホイジンガは「遊び」を「文化を創造する力」と考えました。遊びの謎めいた力があるからこそ、文化活動が生まれたと言うわけですね。
さらに、フランスの歴史家・美術家・なんでも専門家、カイヨワは「遊び」の要素を次の4つに分類しました。これ、結構重要です。
これに関して、天才ゲームクリエーター安原広和氏のお話が一番しっくりとくる説明だと思います。
皆さんだったら子供たちはどちらの滑り台で遊ぶと思いますか?
それはなぜですか?
恐らく「右の方が楽しそう」という答えが来そうですね。
そう、先ほどの4分類で言うと、右の「象さん滑り台」は「ものまね」という遊びの要素を入れていますね。
さらに発展させていって、
スピードを調節することで、子供たちが想像できない世界を提供します。これが「おどろき」。安原さんは「めまい」としています。
今度は、横から水が飛んでくる仕掛けもいれて、滑り台に「偶然性」も加えます。
仕上げに、1人で遊ぶのではなく、他の友達とも一緒に滑れるようにすると「競争」というスパイスも加えることができますね。
私たちが何気なく遊んでいるモノには実は、このように様々な仕掛けがあるんです。
また、以前もご紹介しましたが、ボストン大学心理学部で教鞭をとるピーター・グレイ教授は、「遊び」を以下の5つにまとめています。
1 遊びは、自己選択的で、自主的である
2 遊びは、結果よりもその過程が大事にされる活動である
3 遊びの形や規則は、物理的に制約を受けるのではなく、参加者のアイディアとして生まれるものである
4 遊びは、想像的で、文字通りにするのではなく、「本当の」ないし」「真面目な」生活とはいくらか意識的に解放されたところで行われるものである
5 遊びは、能動的で、注意を怠らず、しかもストレスのない状態で行われるものである
心理学の研究からみても、「遊び」は文化創造という大きな話だけではなく、ストレスを発散する上でも非常に重要だったりします。
ですので、「遊べない」というのは実は超ストレスなんです。これ、たぶん、みなさんだったらなんとなく肌感覚で知っていますよね・・・。
今回ご紹介する入試問題は「遊び」に関しての最新の知見を提供しているMITプレイフル・シンキング・シリーズからの内容です。
みなさんで、「遊び心」をどのように日常生活の中に取り戻すのか考えて見ましょう。
MITのプレイフル・シンキング・シリーズ
これ素晴らしいので、だれか全て日本語に訳してくれないかな。
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