マガジンのカバー画像

Books

92
世界中のカフェ、図書館、古本屋、書店で出会って読んだ本たち。 本を持って旅に出て、その土地に合った本を置いて、また新たな本と旅に出る。
運営しているクリエイター

#歴史

未来のための経済思想史【本:不確実性の時代 The Age of Uncertainty】

未来のための経済思想史【本:不確実性の時代 The Age of Uncertainty】

「不確実性の時代」と聞いて、つい最近のVUCA(Volatility(変動性・不安定さ)、Uncertainty(不確実性・不確定さ)、Complexity(複雑性)、Ambiguity(曖昧性・不明確さ)の頭文字)時代のことかと思いがちだけれど、この本が書かれたのは1979年。この本の中では、経済思想に見られたゆるがぬ確実性との対比とする「不確実性」といわれていたけれど、結局、いつの時代を切り取

もっとみる
スリランカの熱帯建築とは【本:熱帯建築家ジェフリー・バワの冒険】

スリランカの熱帯建築とは【本:熱帯建築家ジェフリー・バワの冒険】

ちょうど、隈研吾氏と山田由美氏著書の『熱帯建築家ジェフリー・バワの冒険』を読んだ後に、スリランカの友人にThe Barnhouse Studioというコロンボ市から約1時間の場所にある竹建築の場所を紹介され、ベトナムのメコンデルタにあるEco Bamboo Villageを思い出した。(以下は、The Barnhouse Studio のサイトにあった写真。ウッディな感じと、挙式や食事パッケージの

もっとみる
世界は繋がっている:日本の農業の生産性に貢献したスリランカの溜池灌漑とジェフリー・バワ氏を想う

世界は繋がっている:日本の農業の生産性に貢献したスリランカの溜池灌漑とジェフリー・バワ氏を想う

経済学の巨匠ともいえる宇沢氏の本を読んでいて、ふとしたところで「スリランカ」に出逢った。これは、『世界』という1994年12月号に岩波書店により発行された『空海が学んだスリランカの溜池灌漑』というタイトルだった。

私にとってスリランカといえば、アーユルヴェーダの聖地と熱帯建築家ジェフリーバワ氏の存在。そして、最近出会ったスリランカの友人達の名前の長さ。(これは、父親の名前をそのまま受け継ぐスリラ

もっとみる
第一部 勝者と敗者をめぐる謎【本:銃・病原菌・鉄】

第一部 勝者と敗者をめぐる謎【本:銃・病原菌・鉄】

数か月前に購入したものの、結局ベトナムまで持ってきて、ようやく読み進める。ジャレド・ダイアモンド氏の著書『銃・病原菌・鉄』。上下巻あわせて800頁にも及ぶ大作は、しかし実際に読み進めてみると、面白すぎて、歴史上に登場する国家や皇帝や動植物や民族の絶滅種など、同時に調べ始める。で、これはひとつのnoteには到底収まりきらない、ということで部に分けることに。

「歴史は、異なる人びとによって異なる経路

もっとみる