週刊少年松山洋_タイトル_修正

第143号『GUNG-HO-GUNS』だと何番目?

この世には“全然空気が読めない異質”という人間が存在します。

特にそれは「オタクの世界」だとより性質が悪い。

今回はそんなエピソードを紹介します。

私はよく同業種・異業種で集まって飲み会を開くことが多いです。同業のゲームクリエイターからアニメーター・漫画家・声優・脚本家など時と場合によって集まるメンバーはバラバラだったりしますが、とはいえメンバーはやはりエンタメ業界界隈の人たちが多いです。みんな何かしらの作品を作り携わっている人たちです。

ある意味“同じ穴のムジナ”と言えます。

平たく言うとみんな“オタク”ってことです。

みんな子供の時からマンガやアニメやゲームや映画やSFだったりミステリーやサスペンスだったりが大好きで、結果大人になって今のそれぞれの分野のプロになった人たちです。しかしその実態はやはり“オタク”だったりします。みんな“好きすぎて”この世界を目指して一定以上の能力・技術を身につけて研鑽し“今”があります。けど根っこの部分はやっぱり“オタク”。

けど同じ“オタク”でもみんな“同じ”ってワケじゃあない。

その中にも更に“異質”が存在するのです。

ある時みんなで飲みながらこんな話をしました。

*****

“こないだね、電車に乗って移動してる時にたまたま座席が空いたから座ってスマホを見てたの。そしたらさ、他にも席はガラガラで空いてるのに急に「ドカッ!」と俺の席の横に座ってくる男がいてさ。わざわざ横にだよ?他に席が空いてるのに「え、なんでワザワザ横に?」って一瞬思ったけど、まぁ、あんまり気にしないでいたら今度はその男が急にティッシュを取り出して「ブゥーーーーッ!」って鼻をかみはじめてさ。そしたらおもむろに話しかけてくるの。「犬っていうのはさぁ、人間の嗅覚の100万倍とかって言われてるけどさぁー、花粉症とかにはならないのかねぇ、もし犬にも花粉症があるとしたら本当はどうしたいんだろうねぇ、だって彼らはティッシュで花をかむことは出来ないワケじゃあないっすか、そもそもティッシュなんてものは人間が作ったものであり自然界には存在しないワケでさぁー、彼らは鼻がムズムズすることってないんですかねぇー?」って。うん、最初は「え?なに?それ俺に言ってるの?」って思ったよ?一瞬横を見たりして別の人に話しかけてるんじゃあないかって確認したけど、どうやら俺に話しかけてるっぽいので急に怖くなっちゃってさ。だってどう考えても変やろ?座席だって他に空いてるのにわざわざ俺の横に座ってきて急に鼻をかみながらそんなことを聞いてくるって。『ジョジョ』だったら完全に「新手の敵スタンド使いやん?そんな奴。もう無言でそそくさと席を立って逃げるように別車両に移動したよ”

と、ここまで一通り話をしたら聞いてたメンバーはみんな大爆笑。

“なんやそいつ怖っ!!!wwwww”

“絶対そいつ「スタンド使い」やん!ww”

とか

“あれちゃう?そいつぴろしのことを知っていて話しかけてきたファンなんやないん?”

とか

“「スタンド使い」やったらどんな能力やねん!?”

とか、みんなのツッコミや感想が笑いながら飛び交う中、ひとりだけ

“松山さん、そいつ『GUNG-HO-GUNS』だったら何番目ですかね?”

って発言してきたやつがいまして。

私も一瞬「んん?」ってピタリと止まって。

みんなも同様に「???」と固まって、正に「時が止まる」状態が発生したのです。

完全な不意打ち状態だったので振られたネタが一瞬『トライガン』であることすらパッと出てこなくて、数秒後にようやく理解して

“は?オマエなんで急に『GUNG-HO-GUNS』!?なんで急に『トライガン』をブッコんで来たの!?つか、怖えーよ!なんで俺を殺すための異常戦闘集団のひとりがそこにいるんだよ!?知らねーよ、何番目なんか!?というかなんで今『トライガン』!?どんな脈絡だよっ!?”

と、まぁ、一応流れ上あわてて突っ込んでおきましたが。

周りにいた他もメンバーも瞬間ではそいつが何を言ってるのかわからなかったらしく、私が『トライガン』というキーワードを言ったことで“ああ、そういうことか”と遅れて理解はしたものの、それでも「んん??」と首をかしげながら愛想笑いをしていたのでした。

*****

はい、エピソードはここまでなのですが。

読んでわかるとおり、私の電車の中での今回の話が完全に“そいつ”の手によって破壊されました。

話のネタ的には“電車の中で出くわした変人を見て「新手の敵スタンド使い」かと思った”という部分が全てであって、みんなそれで盛り上がれば良かったはずなのです。なんならまだみんなでツッコミながら話をしている最中だったハズです。なのに“そいつ”が『GUNG-HO-GUNS』をブッコんできたおかげで話は分断され時が止まりそして破壊されました。

どこの世界にも必ず一人はいるであろう、“空気の読めないくそオタク”ってやつです。

しかし、私はこの体験から“そいつ”の【一瞬にして空気を止めて場を凍りつかせて会話を破壊する能力】に目をつけました。

この“会話を破壊する能力”のことを私は【金剛】と名付けました。

一発で会話の“心臓”を打ち抜き息の根を止めてしまう能力です。

また同時に私はこの【金剛】という能力を禁じ手として封印します。というか封印もなにも使ったこともないですし。むしろ結構今までいろんな人間から食らってきた側なので。現象そのものを【金剛】と名付けて認識したことでより今後は警戒できると思っています。

心臓に【金剛】だけは食らわないように生きていきます。

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さあてっ!みなさん、お待ちかねェ―――――ッ!

最近始まったばかりの『新コーナー』――――ッ!

いってみよぉ――――ッ!

イエ――――イッ!

イエイッ!

ハイッ!

【隠れた名作アドベンチャーゲーム紹介】

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株式会社サイバーコネクトツー 代表取締役 ゲームソフト開発タイトル代表作『.hack』シリーズ 『NARUTO -ナルト- 疾風伝 ナルティメット』シリーズ 『ジョジョの奇妙な冒険』 著書『エンターテインメントという薬』『熱狂する現場の作り方』漫画『チェイサーゲーム』
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