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コーヒー日記⑪~『コモン』という言葉を広める~

今年は年始から斎藤幸平著『人新世の資本論』を読んで、大きな衝撃を受けた。

環境問題には昔から関心があったものの、自分が何を取り組んだらよいかわからなかった。
斎藤氏によれば、その解決の鍵として「資本主義によって解体されたコモンの再生」があるという。
コモンとは共有財のことで、水道・電気などの公共サービスをイメージするとわかりやすいだろう。ただコモンは公共サービスに留まらず、いたるところに存在する。わたしは今年になって、「本をコモンとして管理する」という取り組みを密かに始めた。

ただ、この「コモン」という言葉、なかなか広がりにくい。そんなに難しい意味ではないし、多くの人がその言葉を聞いたことがあるだろう。
でもなんとなく、すっとはいってこない、そんな感覚はないだろうか。

わたしもそんな違和感をずっと抱えていたが、國分功一郎著『中動態の世界』を読んで、すっと腑に落ちた。

・・・ところが、能動と受動を対立させる言語は、行為にかかわる複数の要素にとっての共有財産とでも言うべきこの過程を、もっぱら私の行為として、すなわち、私に帰属するものとして記述する。やや大袈裟に、出来事を私有化すると言ってもよい。

つまり、能動態と受動態に支配されるわたしたちの言語(それ以前の言語では、態は能動態と中動態にわけられていたようだ)では、そもそも何か(または出来事)を所有するかしないか、というわけかたしかできないのだ。

言語は思考に影響を与える。だから、所有するでもしないでもない、コモン、つまり共有するっていう行為そのものに対して、わたしたちはピンとこないのではないかと思う。

もう一度言おう。國分氏も上記の著作で「言語は思考に影響を与える」と述べている。だから、もともとピンとはきにくい「コモン」という言葉を広めて、深く認識させること。このことはわたしたちの思考に大きな影響を与え、行動を変化させることができるのではないか。

わたしが取り組むべき行動の方針が、はっきりと定まった。


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