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伝えたいからではなく、書きたいから書いています。

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文章を見せる羞恥心からの逃れかた。

文章を人に見せることは、写真や動画を見せることよりも恥ずかしい気がする。それは、なぜなのだろうか? インスタに載せる写真・聞く音楽・着てる服。そういう小さな選択のすべてにその人は現れ、文章もその一部に過ぎない。でも文章は数あるコンテンツの中でもかなり高度な解像度で表現をすることができる。本人に近すぎる。 だから人が書いた文章を読んだとき、その人のありのままがいるような気がしてしまうのだ。 そこに背伸びしたい気持ち、 カッコつけたい気持ちはちゃんと含まれているのに。 その

    • 世界の見え方は、気付かぬうちに変わってしまうのかも。

      起きている時間の半分くらいは眉間に皺を寄せた顔をしている。別に機嫌が悪いわけじゃない、単純に目が悪いのだ。だけど視力に左右差があるため(いわゆる「ガチャ目」というやつ)なんとか裸眼でも日常生活がおくれており、4年前に眼鏡を無くして以来、数年買い直していなかった。 そろそろ眼鏡買わなきゃな〜とふと思い立っては5分後に忘れることを繰り返していたら、気づけば4年が経っていた。だけどそんな日々も今日でおしまい。私はついに新しい眼鏡を手に入れたのだ。 数年振りに眼鏡を掛けたその瞬間

      • 差し伸ばされた手のお返しに。

        世界の解像度の高さは、孤独と引き換えにできています。あなたが今より細かく世の中を見つめることができた時、あなたは深い孤独と出会わなければいけません。 * 解像度とは、物事を見る細かさです。例えば空に虹がかかっていたとして、それはある人には3色に、ある人には7色に見えます。3色に見える人よりも7色にみえる人の方が、より視界のハッキリとした、解像度の高い世界を生きています。 文章を書く身としては、できる限り解像度の高い言葉を紡ぎたいと思っています。でも、自分の指先からいつも

        • 故郷を手放した代償。

          帰省をするたびに感じる、手放したものを突きつけられる感覚が少し苦手です。 東京にいる間は、ただ毎日を消化するのに精一杯で日々が過ぎていくけれど、帰省するとそれらの全てが故郷を手放した代償の上で成り立っていることを実感します。 毎日歩いていた道を半年ぶりに歩く。 毎日会っていた人と1年ぶりに会う。 それは、わたしの毎日が別のものに成り変わってしまったということを意味します。 人が両手に抱えられる器量は成長しても大して変わらなくて、大人になって手に入れたモノはあの頃握りし

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        文章を見せる羞恥心からの逃れかた。

          サブカルチャーが好きな貴方へ、1つ質問があります。

          ワンオクって聞けますか? いや、ごめん、馬鹿にしてるとかじゃなくて。てかこれ私の意見じゃなくて。 一時期流行った『花束みたいな恋をした』の麦くん(菅田将暉)のセリフなんですよ。 麦くんはいわゆるサブカル男子ってやつで、王道な趣味を好まない俺イケてる!感がぷんぷんしてる男なんです。で、この男ワンオクとか聴く?って質問に「聞けます」って答えたんですよ!こいつ、マジで訳わかんないって思って。いや、麦くんは正直かっこいいけど、理解できないなって。 だってつまり、この「聞けます

          サブカルチャーが好きな貴方へ、1つ質問があります。

          桜。

          ピンク、と呼ぶには足りないが白と呼ぶには色付いている。触れたら居なくなってしまいそうな、というほど弱くはないが、いつまでもそこに在るような、と形容するほど強くもない。 貴方は春に呼ばれて来る。卒業式、入学式、受験、そういう青春のシンボルとして、いろんなところで引っ張りだこだ。でも私の記憶では、卒業式には間に合ってくれなかった。漫画の卒業シーンのようにふらりと舞い降りる貴方はどこにも居ない。仕方ないから、咲いているとは言い難い空洞だらけの貴方の下で、写真を撮った。 多分、入

          桜。

          結局、悪口と下ネタが好き。

          ですよね、皆さん。 考えてたんですよ。どんな題材ならクリックしてもらえるんだろーって。で、みんな好きな話題って結局これだろって。いつもは左スワイプしてるけど、今回だけクリックしてくれた人いますよね。絶対。 書く前から分かります、「noteを書いてよかったこと!」みたいないい子そうなタイトルより確実に閲覧数取れるって。だって本能じゃないですか。白より黒、綺麗より汚れに惹かれてしまうのって。 だから皆、飲み会でこういう話題投げ込んでくる人にひっそり感謝してます。ウィットに富

          結局、悪口と下ネタが好き。

          noteを書くことで生まれるプラスをまとめてみた!

          主観的な文章を書くのは苦手ではあるけれど、たまには私を起点に文章を書きます。 味の保証がなさそうな新作スイーツ買っちゃうみたいな、前向きな臆病さを含む好奇心でnoteを始めてみました。まぁただの娯楽なので、労力の対価は楽しさで充分だと思っていたのですが、書くということは楽しさの他にも様々な副産物をもたらしてくれました! 楽しい 楽しさの他にもと書き出しつつも、いちばんはこれ!単純に楽しい。中でも2つの楽しさがあります。 1つめは表現です。人と話す時は簡潔でテンポのいい

          noteを書くことで生まれるプラスをまとめてみた!

          ぼやぼやとした映画を観た後は

          輪郭を脚本に置き忘れてしまったようなぼやぼやとした映画を観た後は、帰り道にレビューサイトを開いて感情の置き所を探す。1800円も払ったのだ。原色ほどくっきりとはいかずともその映画の色彩くらいは掴みたい。 だけれども、漁っても漁ってもその濁りは消えない。ぼやぼやとした映画は、明確な色を持たないからこそ観衆の目によって色づれられ、虹のような、はたまたゴミのような、美しさと醜さの境界線でずっと風に踊らされたビニール袋みたいに中途半端に浮いている。 あぁイライラする。思いやりがな

          ぼやぼやとした映画を観た後は

          かっこよさは欠点から出る※ただしイケメンを除く

          イケメンってずるい。 生物として強すぎる。輝いている。光っている。 街を歩けば賞賛されて、人と話せば愛される。女の子からおばあちゃん、男性や動物まで魅了する。まぁそりゃそうか。その存在自体が人に喜びを与えてしまう圧倒的ギバーなのだから。 ちなみにイケメンというのは、「顔の造形が美しく背丈と足の長い成人男性」だけを指すのではない。その人がその人らしく生きた結果、周囲の9割の人間から愛されてしまうような、そんな人間のことだ。木村拓哉とか、羽生結弦とか、芦田愛菜とか。大多数の人

          かっこよさは欠点から出る※ただしイケメンを除く

          ハテナ顔との遭遇が辛い!

          話すことが苦手だ。詳細に言うと不意に投げかけられた質問に対して、思い浮かんだことを瞬時に脳内で構造化して、口に出すことが苦手だ。だからよくカオナシの様にどもってしまうし、話の着地点を見失ってしまう。 そんな私の仕事で辛い瞬間第1位はハテナ顔との遭遇だ。 少し下がる眉と目尻、気持ち傾く首、上がる口角。絶対『こいつ何言ってるか全然分かんねぇ』って思ってるだろうなと一目でわかるあの顔!!! その顔に気づいた瞬間、PC不調のせいにしてGoogleMeetの退出ボタンを連打したく

          ハテナ顔との遭遇が辛い!

          仕事に楽しみを見出せる人とは

          かつて向上心の高い学生だった友人達は社会人になり、その対象を仕事の延長線上に置く者とそれ以外に置く者に二極化した。 両者を隔てるものの基準の1つに、やりたいことの抽象度があると思う。 私の話をすると昔から「試行錯誤して数値的目標を追い達成感を得ることが好きで、対象自体にあまりこだわりがなかった。ゴールために走るのではなく走ることを楽しむためにゴールを設定していたし、達成感を得る手段として走ることを選択していた。好きなことを抽象的に捉えてきた。 だけど、社会は名詞で語らせ

          仕事に楽しみを見出せる人とは

          私の大好きな人の話。

          物珍しさでクリックしてくれた知り合いのボーナスインプレッションもそろそろ枯渇しそうな3本目に、思いっきり釣りタイトルでお送りしていますが、恋愛の話ではありません、ごめんなさい。あ、待って! せっかく押してくれたなら離脱はダメです、最後まで読んでってね! ーーー 私の大好きな人。それは、、 作家の『朝井リョウ』さんです!! 友人からまたその話かと呆れられそうですが、少し語らせてください。 『何者』とか『桐島、部活やめるってよ』を書いてるあの作家です。最近だと『正欲』とか『

          私の大好きな人の話。

          『ブルーピリオド』は訴える、当事者であれと。かっこよくも美しくもなれない私たちへ

          傍観者でいることと、当事者でいること。 どちらが幸せなのだろう。 2020年マンガ大賞を受賞した、ブルーピリオド。 これは藝大受験を試みる男子校生・八虎を通し、当事者であり続けることの苦悩と美しさを描く作品だ。 ーーー 何にも情熱を注ぐことなく日常を過ごす八虎は、 美術と出会い、絵に魅せられ藝大を目指し出す。 そして彼は描くことと向き合い続ける。娯楽の時間を惜しみ、睡眠時間を削り、時には涙を流しながら。ただ、ただまっすぐに。 その圧倒的な輝きから紡ぎ出される、美しい

          『ブルーピリオド』は訴える、当事者であれと。かっこよくも美しくもなれない私たちへ

          際限がないから面白い

          広告が好きだ。 高校生になって電車通学が始まってから電車内や駅構内にある広告を見るのが毎日の楽しみになった。好きな芸能人を見つけたり、好きなデザインを見つけたり、好きな言葉を見つけたり、広告の中から小さな幸せを拾い集めることがとにかく大好きだった。 "なんで好きなの?" この前バイトの面接で聞かれた時、私は上手く答えられなかった。高校生の頃から好きなんです、広告にあるワンフレーズに元気をもらえるんです。口から出てくる言葉は誰にでも言えそうな、ありきたりな言葉ばかり。

          際限がないから面白い

          もういちど生まれる

          記事タイトルは私の大好きな本の名前。 私はこの本が好きで好きで、というか朝井リョウさんの文章が本当に大好きでたまらない。 この作品は5人の大学生を描いた短編小説。そして彼らは紛れもなく私の周りにいる人たちであり、私自身でもある。 20歳ってもっと大人だと思っていた。周りの人と比べ抱く劣等感。将来への焦り、不安。きっと誰もが持っているけれど、気づかないフリをしている負の感情を彼は容赦なく言語化してくる。 この本を読むといつも心が削られる想いになるのだけれど、それでも最後

          もういちど生まれる