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仕事に楽しみを見出せる人とは

かつて向上心の高い学生だった友人達は社会人になり、その対象を仕事の延長線上に置く者とそれ以外に置く者に二極化した。

両者を隔てるものの基準の1つに、やりたいことの抽象度があると思う。

私の話をすると昔から「試行錯誤して数値的目標を追い達成感を得ることが好きで、対象自体にあまりこだわりがなかった。ゴールために走るのではなく走ることを楽しむためにゴールを設定していたし、達成感を得る手段として走ることを選択していた。好きなことを抽象的に捉えてきた。

だけど、社会は名詞で語らせたがる!!
将来の夢とか好きなこととか理想の自分とか。
明確なゴールを持っていることが、意志を持った
かっこいい人間の証だといわんばかりに。

それは社会に出てからも同じで、人とキャリアの話をするときは好きなこと・実現したいこと・なりたい姿・目標といったゴールを切り口とすることが多い。そしてそれらに明確な回答を持てるか否かがその人の仕事への熱意を表しているような気がしてしまうのだ。その度にコンプレックスを感じてしまう。

だけど、働いてみて初めて気づいた。会社で働くうえでやりたいことを具体化しすぎることは時に弱みとなる。

学生時代は多くの選択肢の中から努力の対象を選ぶことができたが、社会人は会社が定めた対象に向かって努力する必要がある。そして会社が定める目標なんて、運要素が強すぎる。

だから「対象」にこだわりがある人はギャップを感じやすいし、モチベーションを維持しにくい。

北海道に行きたいのに、沖縄に目的地を設定されるようなものだ。

その点私みたいに走っていられればいい単純な人間は、ゴールが沖縄だろうが北海道だろうがハワイだろうがどこでもいい。ちゃんと走りやすいように環境整備さえしてくれれば満足だ。

だから他人が定めたゴールにも向かっていける。
会社員として働くことに楽しみを見出せる。


対象が明確でないことは、自分軸がないわけではない。この先出会う様々な対象を愛せる余地があるということだ。

それは、自身の思い通りに舵を切ることが難しい現代社会を生きる上で、きっと大きな強みとなる。
きっと私は来年も仕事を楽しめる。

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