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サブカルチャーが好きな貴方へ、1つ質問があります。

ワンオクって聞けますか?

いや、ごめん、馬鹿にしてるとかじゃなくて。てかこれ私の意見じゃなくて。

一時期流行った『花束みたいな恋をした』の麦くん(菅田将暉)のセリフなんですよ。

麦くんはいわゆるサブカル男子ってやつで、王道な趣味を好まない俺イケてる!感がぷんぷんしてる男なんです。で、この男ワンオクとか聴く?って質問に「聞けます」って答えたんですよ!こいつ、マジで訳わかんないって思って。いや、麦くんは正直かっこいいけど、理解できないなって。

だってつまり、この「聞けます」って言い換えると、そういう俗な音楽は、俺の好む斜に構えた音楽よりは劣ると思うけどまぁ聴いてやらんこともないですよ、ってこと思うんです。

いやいやいや!逆だろ!

だって偏見だけど、きのこ帝国聴く人よりもワンオク聴く人の方が「良い」と思うんですよ。きのこ帝国を好む側の立場として言うんですけど。

なんか、許されてるって感じがして。

音楽に惚れる理由って、共感か憧れの2種類だと思うんです。この人は私を分かってくれる、もしくはこの人みたいになってみたい。私は前者が理由なタイプ。

で、惚れるのはいつもサブカルチャー、つまりナナメ、邪道、真っ直ぐじゃない。

つまり、そうゆうことです。

共感で好きになるわたしにとって、サブカルチャーって自分のかっこよさを象徴するアイテムなんかじゃなくて、王道に生きていくのがしんどい自分を癒してくれるシェルターなんですよ。

だから普段からそんなシェルターに逃げ込んでるってバレたら恥ずかしいんですよ。そんなのなくたって生きていける人の方がかっこいいじゃないですか。

「真っ直ぐ生きましょう」なーんてこと言いますけど、あれってつまり「社会の提示する真っ直ぐに寄っていきましょうね」ってことですよね。真っ直ぐの角度なんて人それぞれなのに。

よく卑屈な人に「捻くれてる」、繊細な人に「考えすぎ」って言ったりとかしますけど、あれって好き好んでそうなってる訳じゃなくて大体生まれつきなんです。

でも世の中はそうゆう人たちのこと曲がってるっていいますよね。彼らにとってはそれが生まれ持った真っ直ぐなのに。

世間の真っ直ぐが自分の真っ直ぐと一致してる人は自分を貫いて生きていけるけど、そうじゃない人は自分の真っ直ぐを曲げて併合しなきゃいけない。

だから、王道に心から共感できる人ってその人自身も真っ直ぐ生きている、真っ直ぐ生きることを許されているんだなぁと思います。そんなの、ずるいけど、美しいじゃないですか。

現代ってエモいが流行りだからなのか、なんか退廃的なものが良いとされる風潮あるけど、あんなの学生時代だけです。やっぱり社会に出たら、多かれ少なかれ王道に寄せていかなきゃいけない。

だから結局王道が強い。やっぱり光に影は勝てないんです。自分が影であることを象徴するサブカル好き、なんて全然自慢することじゃないんですよ!

まぁ、そうゆう場所があるからわたしたちは明日も生きていけるんですけどね。

ちなみにこれ、憧れで好んでる人はまた別だと思います。麦くんはどっちなんだろ。

で、質問なんだっけ。
「ワンオクって聞けますか?」
「聞かせていただいてます」

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