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【和訳】英国国防省:ウクライナ情勢報告

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英国国防省発表のウクライナ情勢評価分析の日本語訳
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2024年3月の記事一覧

【和訳】英国国防省 ウクライナ情報 31.03.2024

【和訳】英国国防省 ウクライナ情報 31.03.2024

日本語訳ここ最近の画像を分析することで、ノヴォロシースク港の黒海艦隊施設の入口箇所に艀(はしけ)が4隻、配置されていることが特定されている。これは港湾防御を強化する措置の一環で、ウクライナ軍の無人水上艇(USV)による攻撃に備えることを目的としている。

本来、黒海艦隊の母港であるセヴァストポリへのウクライナ軍による攻撃のリスクが高まっているため、ノヴォロシースク港は現在、黒海艦隊の最も高価値なア

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【和訳】英国国防省 ウクライナ情報 30.03.2024

【和訳】英国国防省 ウクライナ情報 30.03.2024

日本語訳アウジーウカの西方で、ロシア軍は少しずつ前進し続けている。2024年3月末にロシア軍は二つの村落をほぼ間違いなく制圧した。その村はトネニケとオルリウカという。また、同軍はこの地域でほかの村落を巡る攻防戦を続けている。戦線上のほかの地区においても何カ所か、ロシアは攻撃を継続しているが、ここ数週間、それらの攻撃はほとんど進展していない。

戦闘においてロシアはかなり大きな数的優位を維持しており

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【和訳】英国国防省 ウクライナ情報 29.03.2024

【和訳】英国国防省 ウクライナ情報 29.03.2024

日本語訳2024年3月24日、ウクライナ空軍はクリミア各地に対するいくつかの空爆を行った。その攻撃目標の一つが黒海艦隊(BSF)の通信センターで、クリミアのセヴァストポリに位置している。

画像分析によって、建物の一つが構造上のダメージを受けたことが特定でき、それには屋根の部分的崩壊が含まれている。また、さらに2棟の建築物が爆風によるダメージを受けた。ロプーチャ級揚陸艦2隻と戦車、そしてユーリー・

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【和訳】英国国防省 ウクライナ情報 28.03.2024

【和訳】英国国防省 ウクライナ情報 28.03.2024

日本語訳一時的被占領下のウクライナ領内において、ロシア政府当局者の手による統治政策が継続して行われている。ロシア国民経済公共行政アカデミーは、「国家ならびに地方行政運営」に関する修士課程の開設を進めており、この高等教育機関の代表によると、この過程の卒業生は、あらゆるレベルの政府機関で働くのに必要なスキルを身につけることになるとのことだ。このあらゆるレベルの政府機関には、ドネツク人民共和国とルガンス

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【和訳】英国国防省 ウクライナ情報 27.03.2024

【和訳】英国国防省 ウクライナ情報 27.03.2024

日本語訳2024年3月20日、ロシアのセルゲイ・ショイグ国防相は、ドニエプル川小艦隊と河船旅団という編制を発表した。ロシア支配下ヘルソン州とウクライナ統治下ヘルソン州を隔てているドニプロ川の水流と島々を確保する任を、この新部隊が負うことになる可能性は高い。現実的な可能性として、ドニエプル川小艦隊はドニエプル部隊集団の隷下に置かれることになる可能性がある。このドニエプル部隊集団は、2024年2月にザ

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【和訳】英国国防省 ウクライナ情報 26.03.2024

【和訳】英国国防省 ウクライナ情報 26.03.2024

日本語訳新たに設立されたレニングラード軍管区のルーガで、新設の第44軍団のための募兵広告が出されている。ロシアは、その戦力の大半がウクライナでの作戦に向けられているなか、国内北西部の戦力拡大の取り組みを進めている。

第44軍団のような新設部隊を一度配置した駐留地点に留め置いたままにしておくのか、もしくは、ウクライナにおける戦闘能力を維持するために、そこでの作戦に投入するのかを、ロシアはほぼ間違い

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【和訳】英国国防省 ウクライナ情報 25.03.2024

【和訳】英国国防省 ウクライナ情報 25.03.2024

日本語訳2024年3月20日、ロシアのセルゲイ・ショイグ国防相は、ロシアが2024年に2個軍を新しく編成する予定であることを発表した。これらの戦力は14個師団と16個旅団となる模様だ。この新たな2個軍の兵科・配置場所・編制に関する正確な情報は示されていないが、機械化・機甲・砲兵・兵站等の混成部隊となるとみて、ほぼ間違いないだろう。この新編制が、以前なされた新部隊の発表と、旅団を師団へと拡大する計画

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【和訳】英国国防省 ウクライナ情報 24.03.2024

【和訳】英国国防省 ウクライナ情報 24.03.2024

日本語訳2024年3月18日、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領は新たな鉄道線の建設を発表した。これは、ロシア南部のロストフ・ナ・ドヌから、一時的にロシア占領下にあるウクライナ領を経由し、クリミアへと至るものだ。プーチンによると、この新しい鉄道線は、最終的にクリミア南部のセバストポリまで届く予定であり、ケルチ大橋への依存を緩和することになるとのことだ。最初に完成した区間によって、ベルジャンシクへ

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【和訳】英国国防省 ウクライナ情報 23.03.2024

【和訳】英国国防省 ウクライナ情報 23.03.2024

日本語訳2024年3月17日にウクライナ情報機関当局者が述べた話によると、ウクライナはロシアの石油精製所を12カ所、無人航空機(UAV)を用いて攻撃し、それに成功したとのことだ。3月15日と16日にウクライナ・メディアは、ロシア南部サマラ州にある3箇所の大規模石油精製所も攻撃されたことを報じた。

攻撃された施設のうちで最も遠方に位置するもののなかには、ウクライナから約900km離れている施設もあ

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【和訳】英国国防省 ウクライナ情報 22.03.2024

【和訳】英国国防省 ウクライナ情報 22.03.2024

日本語訳2024年3月21日、ロシアはここ1カ月超の期間で最初になる大規模な長距離航空機(LRA)攻撃をウクライナに対して実行した。今回の航空戦力には、少なくとも10機のTu-95「ベアH」航空機が含まれ、オレネゴルスク航空基地とエンゲリス航空基地から発進して任務を行った。また、それにMiG-31「フォックスハウンド」戦闘機も複数機、加わった。少なくとも20発のミサイル(ロシアにとって貴重なAS-

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【和訳】英国国防省 ウクライナ情報 21.03.2024

【和訳】英国国防省 ウクライナ情報 21.03.2024

日本語訳ロシア軍はウクライナ東部ドネツィク州での作戦に重点を置き続けており、小さな戦果をあげている。ロシア軍はドネツィク市から北西方向で支配地域の拡大を目指しており、オルリウカ、トネニケ、ペルヴォマイシケ、ネヴェリシケを含む一連なりの村落群で、目下、攻防戦を行っている可能性が極めて高い。

最近の数週間、ロシア軍の前進は遅くなっている。アウジーウカ戦役で被った大きな損失が、その理由の一つになってい

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【和訳】英国国防省 ウクライナ情報 20.03.2024

【和訳】英国国防省 ウクライナ情報 20.03.2024

日本語訳ロシアの軍事ドクトリンは、カモフラージュと欺瞞技術(マスキロフカという名で知られていることが多い)を用いることをかなり重視している。その目的はロシア軍戦力の生存性強化にあり、それに加えて作戦企図の隠蔽にもある。ウクライナ侵略の初期段階においてマスキロフカを効果的に使わなかったことは、ロシア側の作戦面における重要な失策の一つだった。

ロシア黒海艦隊とロシア航空宇宙軍の双方が過去2年間に被っ

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【和訳】英国国防省 ウクライナ情報 19.03.2024

【和訳】英国国防省 ウクライナ情報 19.03.2024

日本語訳非対称的な海軍攻撃作戦の遂行において、ウクライナが継続な成果をあげていることが、2024年3月17日のロシア国防相セルゲイ・ショイグの黒海艦隊(BSF)司令部訪問を引き起こした。ショイグはウクライナ軍作戦に関する最新情報を受け取り、この地方におけるロシア海軍アセットの能力発揮状況に関して議論を行った。ロシア国防省によると、ショイグはBSFの部隊・艦隊向けの新たな措置を発表したとのことで、そ

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【和訳】英国国防省 ウクライナ情報 17.03.2024

【和訳】英国国防省 ウクライナ情報 17.03.2024

日本語訳2024年3月11日、ストックホルム国際平和研究所(SIPRI)の調査によって、ロシアの兵器輸出は、2014〜2018年の期間と2019〜2023年の期間の間に53%低下したことが分かった。

その結果、世界の兵器輸出ランキングのなかで、ロシアは第2位から第3位に転落した。2023年のロシアの兵器輸出規模は2022年と比較して52%下落した。それと同調するように、2023年のロシアの主要な

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