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【和訳】英国国防省 ウクライナ情報 22.03.2024

UK DEFENCE INTELLIGENCE:
Latest Defence Intelligence update on the situation in Ukraine – 22 March 2024

日本語訳

  • 2024年3月21日、ロシアはここ1カ月超の期間で最初になる大規模な長距離航空機(LRA)攻撃をウクライナに対して実行した。今回の航空戦力には、少なくとも10機のTu-95「ベアH」航空機が含まれ、オレネゴルスク航空基地とエンゲリス航空基地から発進して任務を行った。また、それにMiG-31「フォックスハウンド」戦闘機も複数機、加わった。少なくとも20発のミサイル(ロシアにとって貴重なAS-23a「コディアック」[*注:Kh-101]空中発射型巡航ミサイルとAS-24「キルジョイ」[*注:Kh-47M2]空中発射型弾道ミサイルが含まれる)が発射され、攻撃目標は主としてキーウ市内の地点だった。以前にキーウへ航空攻撃を行ったのは、44日前のことだった。

  • LRA攻撃が1カ月以上も長く中断していた原因が、航空機部隊の管理運用と計画立案に関する問題にあった可能性があり、この可能性には現実味がある。経済制裁によって、航空機・ミサイル双方ともに重要な部品を、ロシアが入手する能力が制約されている可能性は高い。ウクライナ側防空戦の成功が続いていることも、ロシア軍の任務立案を難しくしている可能性が高い。

  • 航空機、搭乗要員、兵器備蓄が許す限り、ロシアが今後も重要地点に対する爆撃を継続していくのはほぼ確実で、敵防空範囲外からの攻撃遂行能力を用いて、ウクライナ政府と国民に対して継続的な圧力をかけることを試みるに違いない。これは戦役長期化の兆候であって、この戦役において戦闘機やヘリコプターのような戦術空軍力は、戦闘全般に限られた影響しか及ぼせない状況が続いている。

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