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今の時代、情報リテラシーと同じくらい大切なことって?

参議院選挙が近づいてまいりましたね。

ところで、みなさんは相性のいい政党チェッカーを試してみたことはありますか?選択式の簡単な質問に答えていくと、自分の思想に近い政党はどれかを診断してくれるツールです。ファッションなどのサイトにありがちな性格診断に似たシステムのものです。

性格診断はともかく、この政党診断は政治に詳しくない人にとっては重宝します。投票はしたいけど、何を見て判断したらいいのか分からない。そもそもどうやって情報を集めたらいいのか分からない、という方も多いはずですから。また、情報集めにそんなに時間をかけたくないという方もいるはず。誰もが政治に強い興味を持っているわけじゃありませんからね。こういったツールは、政治に疎い人にとっての強い味方になっています。

実は、私もあまり政治に明るいとはいえないタイプです。当然、先述した診断に手を出しましたとも!山ほどある公約を短くまとめ、そのメリット・デメリットを箇条書きにしてくれているサイトなんて、ありがたいことこの上ありません。

しかし、SNS上でこの信頼を覆すような記述を見かけたのです。

ある政党診断が、質問をうまく誘導して、とある一つの政党に有利になる結果を出すようなシステムになっていると。

隙をつかれたような衝撃を受けました。情報を集める時は、それが正しい根拠に基づくものか確認しましょうねと発信していた私なのに……!私もまだまだのようです。

一次資料……歴史学の観点で言うと「その出来事に関わった本人が直接書き記したもの」以外のものは、意図せずとも書き手の思想が影響してしまうものです(だからといって、本人が書いたものが100%信頼できるというわけでもないですが……それはまた別のお話)。政党診断だって同じ。たとえ作り手が善良な団体だとしても、公約を間違って解釈してしまう可能性もあります。

それでは、どうしたらいいのでしょうか。情報過多のこの時代、取り入れるものすべてをじっくり吟味するのは不可能だと、私は思っています。自分にとって重要な情報は根拠などを丁寧に確認することを忘れずに、しかしそれ以外の「自分にとっては重要度が下がるもの」については、他人の好意……今回のようなチャートだったり、YouTubeやインターネット上の二次情報に甘えることもあるでしょう。もちろん、二次情報の発信元や発信者の背景をある程度、調べることは必要になってきますけれども。

今の時代、情報リテラシーに並んで大切なのは「何が自分にとって重要なのか」を見極める能力ではないでしょうか。つまり、物事の優先順位をつける力とも言えます。大切なものや信条は人それぞれなので、他人の意見は重要ではありません。先述したように、出回っている全ての情報を一から吟味していくことは不可能です。大切な時間と限りある脳みそのスペースを有効に使うためにも、自分自身で優先順位をつけることが大切なのですね。

「大切なもの」が人によってどれほど違うのかを実感していただくために、私個人の例を1つご紹介します。たとえば私は、大学時代に専攻していた日本史については、卒業した今でも情報元にものすごくこだわります。本を買う時は毎回著者の経歴欄に目を通しますし、自分の知らない情報を見聞きした時には必ずソースとなる史料は何なのかを確認します。

その一方、趣味程度に楽しんでいるアメリカ史に関しては、そこまで執拗に情報元を確認したりしません(ある程度はしますが……念のため!)。研究者ではない、普通のアメリカ人が発信している歴史系YouTubeを見て楽しんだりもします。

自分にとって何が大切なのか。どんなものに対して、手間と時間を割く価値を感じるのか。自分を知ることは、人生の満足度を上げることに繋がります。自分の「好き」が分かれば、情報元の確認など面倒なことも楽しくなりますよ!愛情を捧げたいと感じるものに対しては、人は自然と熱中してしまうものですから。たとえその対象が、アイドルでも全く問題ありません。そのアイドルに熱愛報道なんて出た日には、情報元を必死で探しますよね?追っかけをしているうちに、芸能界のニュースを発信している数ある媒体のうち、どれが信頼できてどれがイマイチなのかも、だんだん分かってくるはず。これだって、立派な情報リテラシーです。言うなれば、芸能界に特化した「芸能情報リテラシー」。私なんて、芸能情報は全く分かりませんから、「この媒体は信頼ならないよ」なんて教えてくれる人にはいつも感心してしまいます。「情報リテラシーを身に着ける」と言うと堅苦しく感じてしまいがちですが、それは全くの間違い。普段の生活の中で、楽しみながら身に着けられるものなのです。そうして身に着けた能力は、いくらでも応用がききます。

全部の情報を吟味するのは不可能。それなら自分の「好き」なもの、つまり「専門分野」に特化することに集中し、それが苦手な人に教えてあげる。自分の苦手な分野は、逆に教えてもらう。そんな世界になったら、きっと楽しいですよね!現代は「個を生かせる時代」だとよく言われますが、本当にその通りだと思います。

大切なのは、自分にとって大切なものや自分の「好き」を見極めること。「好き」に関する行動を起こす時はエネルギーが自然と湧いてくるので、疲れを感じることなく膨大な量の行動を起こせるのです。情報リテラシーのような小難しいスキルだって、その中で勝手に身に付いていきます。

あなたの「好き」は何ですか?その「好き」はあなたの人生に潤いだけでなく、この時代を生き抜くために必要な能力さえも与えてくれるのです。

この記事が、あなたがもうすでに持っている「自分の能力」に気づくきっかけになりますように。

最後までお読みいただき、ありがとうございました!



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