マガジンのカバー画像

エッセイらしきものばかり

521
何がエッセイなのかよく分かっていない人が書いたエッセイらしきものです。
運営しているクリエイター

2024年4月の記事一覧

宿題でふざけた人間が初めて天下人に共感する

宿題でふざけた人間が初めて天下人に共感する

 学生時代は宿題が本当に嫌だったんです。やらずに溜め込むなんてしばしばで、当然ながら先生に怒られ、罰として追加の宿題が出されたりしていました。

 普通の量でもやらないのに、増やしたらもっとやらないと思うんですが、「このままやらなかったら、そのうち学校で強制的に居残りさせてでもやらせる」との最後通告を受け、せっかくの遊ぶ予定を潰して泣く泣く漢字の書き取りをやりました。その数、1万字。ちょっとした短

もっとみる
たまの休みに遭難する

たまの休みに遭難する

 以前の職場で登山が趣味の後輩がいました。ここでは仮に山本君としておきます。

 山本君が登山をしている。正直、意外だったんです。山本君は良くも悪くもほんわかしていて、山の厳しい自然に立ち向かえるような人に見えなかったんです。見る目がないとはまさにこのことでございます。山本君は職場でほんわかしながら、休日には厳しい山道を登っていたんです。

 しかし、いざ登山の話を聞いても山本君の返答はどうもよく

もっとみる
「食べる」を探求して食べ方を忘れる

「食べる」を探求して食べ方を忘れる

 食事をするとむせやすいなあと以前から思っていたんです。でも、原因が分からない。

 食事のように生まれてから当たり前のようにやってきた行為ですと、無意識のうちにやっている場合が多く、原因を追究するのも一筋縄ではいきません。原因究明のため、そもそも「食べる」とは何かを自分なりに軽く調査してみました。

 まずは「食べる」を細かく分けてみました。食べ物を口に入れる、咀嚼する、飲み込む。基本はこの3段

もっとみる
見た目じゃ寿命は分からない

見た目じゃ寿命は分からない

 「看板に偽りなし」という言葉がある一方、「羊頭狗肉」という言葉もあるわけです。ザックリと意味を説明すれば、前者は「見た目通り」であり、後者は「見た目と中身が一致しない」となります。意味が真逆でございまして、このふたつは互いに対義語の関係とされています。

 なんでどちらの言葉も現在に至るまで使われ続けてきたのか。恐らく、どちらのパターンもたくさんあったからだと思います。外見そのままの中身であるも

もっとみる
こづかいを貰わなかったから助かったのか

こづかいを貰わなかったから助かったのか

 人は運がいいとか悪いとか言って自分の境遇を気にしてしまいますけれども、今の運がいいのか悪いのかをバシッと判別するのは意外と難しい気がしているんです。何も知らずのほほんと過ごしていたつもりが思わぬ不運を避けていた、なんて場合もあれば、宝くじで大金を当てて有頂天になっていても実はそれが大いなる不幸に繋がっていた、なんて場合もある。いわゆる「塞翁が馬」というやつで、だから今日の出来事だけで幸不幸を判断

もっとみる
電子レンジレス生活から変な電子レンジ生活へ

電子レンジレス生活から変な電子レンジ生活へ

 私、10年以上電子レンジのない生活をしていました。引っ越した時に古い電子レンジを持って行ったんですが、引っ越し先に辿り着いた時には壊れて使えなくなっていたんです。その時の私、新しいのを買うのが面倒となりまして、以降10年以上、電子レンジのない生活を続けたわけです。つまり、怠慢が原因で不便な生活に突入したわけです。

 とは言え、人間とは慣れるもので、電子レンジがなくても割と平気で暮らしていけるん

もっとみる
疑似スパムメール議論

疑似スパムメール議論

 友人と某テーマパークに行く予定があったんです。そのテーマパークは何しろ人気のテーマパークでございますから、開園前から人が並んでいるんです。我々はそれぞれ前売り券を買って現地集合し、早く着いたほうが先に並ぶという戦略を立てました。当時はスマホがない時代でしたが、携帯はメールも電話もできる。連絡には充分です。私は安心して当日を迎えました。

 当日、私は開園前にテーマパークのメインゲートに辿り着きま

もっとみる
水中放尿者の将来に暗雲あり

水中放尿者の将来に暗雲あり

 こんな話を聞きました。湯舟でコッソリおしっこしていると、いざ介護される立場になった際、お湯で身体を綺麗にしてもらっている時に長年の癖でおしっこをジョバジョバ出してしまうという。

 全ての水中放尿者の将来に暗雲を立ち込めさせるこの噂の出所はサッパリ分かりませんけれども、それを聞いて単純に気になったんです。どうやって調査したのかと。

 冒頭で申し上げたようなことが事実だとすると、一定数の方々に、

もっとみる
仮病対策済み待合室

仮病対策済み待合室

 あまり身体の強い子供ではなかったんです。だから、幼少期はちょこちょこ熱を出して休んでいました。月に一度は休んでいたので、結構な弱さです。3日連続で休んだこともある。逆によく今まで無事に生きてこれたものです。

 体調不良で休むので、当然ながら両親に病院へ連れていかれます。毎月のように行くので、医者が診察で何をするのか分かるようになってしまいました。目を見て、喉を見て、お腹の辺りを触診して、などな

もっとみる
それは努力の結果ではない

それは努力の結果ではない

 指をパチンと鳴らす行為は皆さんもご存じのことでしょう。日本では「指パッチン」、英語圏では「フィンガースナップ」の名で知られています。口笛と同様、その身を楽器として活用する行為でございます。

 多分、テレビか何かでやってるところを見たんだと思いますが、少年だった私もやってみたくなったんです。でも、全然鳴らないんです。パチパチ鳴らしている人と同じ動きをしているはずなんですが、スカスカと指をこする音

もっとみる
怪鳥音声の館

怪鳥音声の館

 警告音というものがあるわけです。「いま危険な状況になっているから逃げなさい」という警告もあれば、「ヤバいことになってるから来てください」みたいな警告もある。いずれにしろ、警告音は周囲の人に聞いてもらう必要がございますから、大抵は大音量ですし、音自体もなんか不安を感じさせる、それでいてどの音にもかき消されないような、独特な響きになっているものが多い。とにかく聞こえやすくする。それが警告音のようです

もっとみる
3年我慢したところで

3年我慢したところで

 働き始めた時にやたら言われたのが「3年我慢しろ」というやつです。今の職場で3年は頑張ったほうがいいという意味でございまして、同じことを言われている友人知人も何人かいました。そして、みんな疑問を持っていました。「なぜ3年なんだ」と。

 とりあえず、いろんな人の話を総合すると、言ってきた人もなんで3年かは誰も知りませんでした。ただ、3年くらい働けば何とかなることが多いという、何となくの経験則みたい

もっとみる
鉄塔トラップ

鉄塔トラップ

 郊外の巨大建築と言えば高圧電線の鉄塔です。山に連なっている場合もあれば、住宅地のど真ん中に鎮座している場合も珍しくありません。

 高圧の電気を扱っている関係上、鉄塔の周囲は金網で囲まれ、一般市民の侵入を拒んでいます。ご丁寧に「危険 立入禁止」の看板が設置されている場合もあります。危険なことが嫌いな私は登ろうなんて一度も思わずここまで来ましたし、何なら電力会社の人を除けば誰かが登っているところを

もっとみる
ビデの天才

ビデの天才

 小耳に挟んだ話なので真偽不明ですが、日本ではだいぶ普及してきたウォシュレットが、海外の人は怖くてなかなか使えないらしいんです。確かに、ただでさえ人は用を足す時に無防備な状態となるのに、特に無防備な場所へピンポイントで狙撃をしてくるのがウォシュレットです。ちょっと待て勘弁してくれよ、という人がいたとしてもおかしくはありません。

 しかし、実際に使ってみた皆さんならご存じの通り、これほど都合のいい

もっとみる