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作品の感想など

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素敵な創作物について。
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『夜明けのすべて』読了の日記

『夜明けのすべて』読了の日記

PMS(月経前症候群)とパニック障害、どちらも私には他人ごとではなかったので、それぞれの病気に悩む人の話「夜明けのすべて」を自分のための作品かも、と思って手に取った。

瀬尾まいこ先生の名前は書店で何度も見掛けたし、知ったタイトルもたくさんあるけど、読むのは初めてだった。とにかく読みやすい。
あらすじは重く感じるけど、作品自体に重苦しい空気はほとんど無い。会話がぽんぽん進み、下手に人間関係がこんが

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舞台「宝飾時計」感想 ※ネタバレあり

舞台「宝飾時計」感想 ※ネタバレあり

昨年12月初旬のFNS歌謡祭で、目当てのアーティストを待つ間にたまたま見た、
高畑充希さんが歌う「青春の続き」。

バイオリンと静かな歌声が響く。数年前のドラマ「過保護のカホコ」のイメージが強かった高畑充希さんからは程遠い、違う人が憑依しているような恐ろしさと歌唱力。
同じく食卓を囲む家族には、ただのBGMにしかならなかったようで、ご飯どきの騒がしさの中、ひとりテレビに釘付けになった。

そのとき

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誰かの願いで生きている

誰かの願いで生きている

「大豆田とわ子と三人の元夫」

第七話の放送が終わった。今週もサイコーだった。

いつも母と二人で見ているけど、唄が家を出たことについて、母は
「これってとわ子が寂しい思いをしてる今、出て行かなくちゃいけないのかな?
いま急いで自立しないといけないのかな?
そもそもおじいちゃんの家に住むのって自立って言えるのかな?」と言っていた。
慎森のたましい乗り移ってない?大丈夫?

SNSでも同じくリアルタ

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“綿来かごめ”は生きていた

“綿来かごめ”は生きていた

「大豆田とわ子と三人の元夫」

第六話の放送が終わった。
もうタイトルの時点でお察しではあるけど、ネタバレを多分に含む感想文。

第一話鑑賞後の記事はこちら。

第六話、お別れの回。第一章の終幕。

だけどそれにしたって、綿来かごめともお別れしなくたってよかったじゃないか。

作中では医者が「直接死因は心筋梗塞」と看護師と話す場面を八作が通り過ぎていくだけ。どんな状況だったのか明確には語られない。

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音楽やエンタメに生かされ続ける

音楽やエンタメに生かされ続ける

日食なつこさんの『音楽のすゝめ』を聴いて欲しい。

聞いたことも無かった感染症の名前がもうすっかり耳に馴染んで、
気付けば今のような状況になってから優に1年を超えていた。

昨年の2月頭くらいだっただろうか
はじめは「海外でなんだか流行病があるらしい」「大変だね」「怖いね」なんて言っていたのに、もしかしてこれってもう他人事じゃないんじゃ、と思ったときにはもう、あっという間に日常は変化してしまってい

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レモン、ありますね。

レモン、ありますね。

ドラマ「大豆田とわ子と三人の元夫」を観た。

脚本が私の大好きな「カルテット」と同じ坂元裕二さんらしい。
流れるような会話のテンポ、絶妙にクセのある人物たち。
これこれ、これが好きだった!と思い出した。

とわ子の会社は「しろくまハウジング」。
食べられなかった美味しいカレーパン。
田中さんの初めて飼ったペットの名前は「きんとき」。
いちいち丁寧に可愛くて、きゅんが散りばめられている。

とにかく

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