世界の犬の民話
題名のとおり、世界の犬の民話を集めた本です。
ざっと、96話ほども載っています。
犬は、人気がある生き物ですよね。そのわりに、類書は少ないです。本書は、貴重な例です(^^)
世界の各地で、犬は、どんなふうに見られているのか、わかります。
ただし、本書は、扱っている地域に、偏りがあります。
オセアニアの民話は、一つだけです。アフリカの民話も、三つだけです。
圧倒的に多いのが、ヨーロッパとアジアですね。それに、北米・中米・南米が少しずつです。
もう一つ、本書には、純粋な犬ではなく、オオカミやコヨーテなどの話も含まれています。話自体は、どれも興味深いのですが、犬の話だけを求める方には、不満でしょう。
けれども、これほどたくさんの犬の民話を集めた本で、日本語で読めるものは、他には、ほとんどありません。
犬好きなら、読んで損はありません。
民話・神話・伝説がお好きな方も、ぜひ、どうぞ(^^)
バリエーションに富んだ話を、楽しめます。
ヒトが、イヌと、どのように関わってきたのかが、本書に記されています。ヒトとイヌとの絆を感じます。
以下に、本書の目次を書いておきますね。
目次の量が多いため、一部を省略したものとなります。御了承下さい。
はじめに
一章 火を盗んだコヨーテ――神話の世界
1 火を盗んだコヨーテ クラマス(アメリカ)
2 パミチャリエ プミ(中国)
3 寿命の交換 プミ(中国)
◆コラム◆ 中国の犬の話
4 トルティージャを作った雌犬 アステカ(メキシコ)
5 死の地をたずねたコヨーテとワシ ウイシュラム(アメリカ)
6 アダムの創造 ロシア
◆コラム◆ ベトナム少数民族の犬祖伝説
二章 人間と縁を結んだ犬――由来の話
1 犬がワンワンと鳴くわけ 漢(中国)
2 人間と縁を結んだ犬 シボ(中国)
3 犬の後ろ足 シボ(中国)
4 犬と塀 ポルトガル
5 なぜ犬はいつも舌を出しているのか トールン(中国)
6 犬がしゃべらなくなったわけ フランス
(中略)
◆コラム◆ アイヌの犬の話
(後略)
三章 夜の狩人――魔的な犬
1 イルシングスの黒い犬 チェコ
2 少年とバーゲスト イギリス
3 化け物犬 ドイツ
4 二本足の黒い犬 ドイツ
5 遠吠え チェコ
6 不幸の知らせ ドイツ
(中略)
◆コラム◆ ヨーロッパの魔的な犬
(後略)
四章 狼の歌――こわい犬と狼
1 犬の復讐 ロシア
2 怪犬 韓国
3 狼の智恵 リトアニア
4 狼の歌 ロシア
5 狼女房 漢(中国)
6 犬になった息子 フランス
(中略)
◆コラム◆ ヨーロッパの犬と狼
五章 月をかむ犬――人を助ける犬と狼
1 黄色い小犬シャオバール シボ(中国)
2 ジャッカルの仲人 インド
3 犬と猫の恩返し 韓国
4 ポスコンヌィ尻尾狼 ロシア
5 マケールと三匹の犬(抄訳) ドイツ
6 忠実な犬(要約) ネパール
(後略)
六章 犬と友だちになったコヨーテ――動物たちのつきあい
1 ライオンと狼と人間 フランス
2 犬と狼 アンゴラ
3 犬と狐 ドイツ
4 犬と友だちになったコヨーテ マサワ(メキシコ)
5 ヤマウズラと犬 フランス
6 犬と小鳥 イタリア
(中略)
◆コラム◆ 中南米のコヨーテ
(後略)
出典
執筆者紹介