龍の百科
東洋の龍について、たいへん詳しく、さまざまなことを載せた本です。
東洋(東アジア)の龍に関しては、本書が一冊あれば、ほぼ、理解できると思います。
西洋(ヨーロッパ)のドラゴンや、南アジアのナーガについては、少ししか載っていません。『龍の百科』というわりには、そこが不満に感じる方も、いるかもしれませんね。
とはいえ、世界の龍について知りたいならば、無視できない本でしょう。
龍が好きな方には、強くお勧めします。また、中国の文化が好きな方にも、お勧めします。中国の文化は、龍と強く結びついていますので。
以下に、本書の目次を書いておきますね。
なお、目次には、環境依存文字が含まれます。お使いの環境によっては、正しく表示されないことがあります。御了承下さい。
一 龍は、どう考えられていたか
あの孔子が、老子を龍にたとえた
憂国の詩人・屈原【くつげん】の作品にみる龍
龍顔【りゅうがん】を拝することの恐怖と光栄と
かくして、龍と皇帝とが合体した
龍袍【りゅうほう】を着たものが、天子となった
治水に成功した禹【う】は、龍の一族か
龍という姓は舜【しゅん】の時代からあった
龍と、人祖・伏羲【ふっき】と女媧【じょか】との関係
龍と鳳【ほう】とは、二大トーテムだった
鼎【かなえ】が完成し、黄帝は龍にのり昇天
など
二 龍は、どう形づくられてきたか
龍骨の模様から、殷墟【いんきょ】の大発見へ
殷代【いんだい】、甲骨文字にいくつもの龍が
四川省の自貢は、中国の恐龍の郷
六千年前、新石器時代の玉製の龍
仰韶【ぎょうしょう】文化の彩陶【さいとう】に龍体人面の文様
龍山文化の黒陶【こくとう】にとぐろを巻く龍
殷の女傑・婦好が愛した玉製の龍
周代、金文の中の龍は形を整える
春秋時代、青銅器を飾る四匹の龍
戦国時代、龍のアクセサリー流行
など
三 龍は、どのように自然界に潜むか
母なる黄河は、暴れ巨龍でもある
万里の長城は、六千キロの巨龍だ
巨龍の東端は、海水をのむ老龍頭【ラオロントウ】
巨龍の西端は、端麗な尾の嘉峪関【かよくかん】
龍門では、黄河の激流が流れ下る
洛陽の龍門に、九朝の芸術が咲く
昆明の龍門から、絶景を見おろす
貴州の龍門は、滝のジェット噴射
貴州の龍宮では、地底の舟遊びを
龍宮では、麗【うるわ】しの神仙の世界だが
など
四 龍は、どう変わってきたのか
故宮の龍の石段は、皇帝の専用だ
邪をかわす照壁に、龍が躍動する
曲阜の孔府に、例外の龍の石柱が
日光の鳴き龍は、耳と目を悦ばす
漢の最古の吉祥図に現われた黄龍
唐代、青銅の鏡に、躍動する龍が
西安の碑林では、龍が螭首【ちしゅ】を飾る
宋代の黄玉の杯には、龍が戯れる
元代の青い盤に、白龍が飛翔する
景徳鎮【けいとくちん】の逸品、青花龍文壺の水準
など
五 龍は、どのように語られてきたか
龍頭蛇尾は、もともと禅問答から
あたかも龍が飛んでいる筆づかい
龍に目玉をいれて、ほんとに完璧
臥龍とは、待望される天才のこと
そこを、鯉【こい】が登れば、龍となる門
もし、逆鱗【げきりん】にふれれば、命はない
いくら龍を好んだ葉公【しょうこう】でも、もし
神の龍を感じて、生れた王者たち
龍と黄帝と鼎【かなえ】との、不思議な関係
シルクロードに、龍の女神がいる
など
六 龍は、どう暮らしにかかわるか
辰年は歴史的に、とかく荒れ模様
タツドシは、十二支の中でも異質
龍踊り、にぎやかなお祭りムード
豊作を祈願する蛇踊りは、実は龍
農暦二月二日、龍が頭をもたげる
水しぶきを浴びてペーロンを競う
青森では、龍さながらの虫を送る
ミャオ族が、龍を迎え、龍を引く
銭龍に、はかない夢を托した芸妓
龍の銀貨を鋳造して、列強に対抗
など
おわりに
索引
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