内陸アジア史の展開 (世界史リブレット (11))
内陸アジアという言葉は、あまり聞きませんね。中央アジアと、ほぼ同義です。
普通の日本人にとって、内陸アジア(中央アジア)の歴史や文化は、縁遠いものでしょう。
この本では、それらを、わかりやすく説明しています。
内陸アジアの歴史は、二〇世紀末に、大きな展開点を迎えました。
ソビエト連邦の崩壊のためです。内陸アジアに、突然、いくつもの独立国家が生まれました。
カザフスタンや、キルギスタン、タジキスタンといった国々ですね。
内陸アジアには、このような「~スタン」という国名や地名が多いです。アフガニスタンも、パキスタンもそうですね。
「~スタン」と付く国や地域がお好きな方は、この本を読んで、損はありません。
この本が出版されたのは、ソ連崩壊が生々しい時代です。その時代の息吹が、よく伝わります。
逆に言えば、二〇世紀末までの状況しか、書かれていません。その後の状況がフォローされていないことは、御留意下さい。
また、広大な内陸アジアの歴史や文化を、駆け足で紹介しているため、もの足りないと感じる方もいるかも知れません。
前記の二点を考慮すれば、本書は、とりあえず、大づかみに内陸アジア(中央アジア)を知りたい初心者向けと言えます。
内陸アジアの文化には、いくつかの柱があります。
遊牧の文化、オアシスの文化、トルコ系言語の文化、チベット仏教の文化、イスラム教の文化などです。どれも、日本人には馴染みが薄いですね。
これらの文化に興味がある方にも、この本は、お勧めです。
薄い本ですから、すぐ読めます。図や写真、注も充実していて、読みやすいです。
以下に、この本の目次を書いておきますね。
内陸アジアのもつ意味
内陸アジアの現在
環境と人びと
トルコ化の歴史
イスラームと仏教
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