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悪魔には2本蝋燭を立てよ―ロシアの昔話・俗信・都市伝説


悪魔には2本蝋燭を立てよ―ロシアの昔話・俗信・都市伝説

 ロシア、ウクライナ、ベラルーシの民話や、民間伝承を紹介した本です。

 民話というと、素朴な「むかしばなし」を想像する方が多いでしょう。
 けれども、本書にあるのは、現役で信じられている話や、民間伝承が多いです。民話というより、都市伝説と呼んだほうがいいものですね。

 本書は、日本では珍しい、ロシア、ウクライナ、ベラルーシの都市伝説の本といえます。
 悪魔など、超常的な存在が登場する都市伝説もあれば、そういう要素がない都市伝説もあります。

 もっとも、本書で昔話が紹介されていないわけではありません。
 「蛙【かえる】の王女」など、日本でも知られる昔話が、いくつか紹介されています。

 また、本書には、ロシアの名だたる小噺【こばなし】も載っています。
 ロシア人は、皮肉と風刺のきいた小噺の名手として、知られますね。

 評価の星を付けるなら、満点は付けられません。本書に索引がないからです。
 本書は、幅広い話題を扱っているため、索引がないのは不便です。

 以下に、本書の目次を書いておきますね。

はじめに――近くて遠い国ロシア

第一章 民間信仰とフォークロア
 兎と月
 「さかさ」と「左」
 悪魔には2本蝋燭【ろうそく】を立てよ
 ロシアのハッピーアイスクリーム
 魂【たましい】は箒【ほうき】にのって
 トカゲの効用
 クシャミの民俗
 機織りをするオコジョ――イタチ科の動物たちにまつわる俗信

第二章 暮らしの中のフォークロア
 路線タクシーのフォークロア
 パンとパスタ
 ロシアの餃子【ぎょうざ】
 ボルシチはボリシェヴィキのスープ?
 カブ
 ロシアの「白米城」
 ペチカの効能
 風呂変わり種
 あるモスクワっ子の夏休み
 シンデレラの靴
 子守歌のある風景

第三章 昔話に隠された謎
 「蛙の王女」
 花嫁の呪力
 「割れた卵」
 「パンはころころ」
 昔話を語るということ

第四章 小噺【こばなし】は時代を映す
 帝政時代
 レーニン時代
 スターリン時代
 フルシチョフ時代―― 一九五〇年代中頃から六〇年代中頃――
 一九六〇年代中頃~八〇年代中頃
 ペレストロイカ―― 一九八五年~九一年――
 現代

第五章 戦争を語りつぐ民話
 祖国戦争(ナポレオン戦争)―― 一八一二年――
 日露戦争―― 一九〇四年~〇五年――
 第一次世界大戦―― 一九一四年~一八年――
 市民戦争―― 一九一八年~二二年――
 大祖国戦争―― 一九四一年~四五年――
 アフガン戦争―― 一九七九年~八九年――
 モスクワ騒乱事件―― 一九九三年――
 チェチェン紛争―― 一九九一年~ ――

あとがき



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