小林秀雄 著「ゴッホの手紙」から見る個性と福祉
・「ゴッホの手紙」とは
著者(小林秀雄)は、ゴッホの「鳥のいる麦畑」との唐突な出会いをきっかけに、ゴッホの残した膨大な書簡を読み、感動の源泉を探っていく。
小林秀雄が読み解くゴッホ像は、概ねこんな姿だ。
「彼は個性的だったが、個性を持て余した人間だった。絶対的な何かが彼の中を強引に通る苦痛を、彼は驚くほど誠実に、経験し通した」
・紐解かれる人生
辛いのは、ゴッホには社会的な成功がひとつも手に入らなかった(信仰、女性、お金、友人…)ところだ。烈しい個性は自分とも、世間と