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小林秀雄 著「読書について」と福祉支援員の願い

・いきなりですが


「君は君自身でい給え」というフレーズがある。日本を代表する評論家小林秀雄の著書『読書について』の一節にある私のお気に入りの言葉だ。

・『読書について』とは


それは、読書の仕方について書かれた短い評論文で、短く意訳すると、概ねこんな意味だ↓

『本を書いた著者・人間が立ち上がるように、触れているように、味わって読書してご覧なさい…その時、著者は「君は君自身でい給え」と語りかけてくるだろう。』

本当にそうなら、読書とは何と豊かな対話なのかと思う。ただの技術ではない。

・「読書」と、福祉における「アセスメント」


私は福祉支援員で、利用者と日々面談している。色々な話を聞くし、私も喋る。

しかし、なかなか「その人自身の姿」を掴むのは難しい。感情・心理の綾は何だかややこしく絡まっている。

福祉では、どんな方なのか知る(見立てる)ことを「アセスメント」と呼んだりする。

時に利用者の立場に立って目を凝らしていると、私は、小林秀雄の云う「読書」するように仕事をしているのでは…とフト思うのだ。

「あなたはどう思いますか?」「この人はどうしてこうしたのかな?」質問し、理由や背景を行ったり来たりしながら考える。ちょっとした言葉選びに、人柄を感じたりもする。

その先に、あなたが自分自身を認められたらこんなに素晴らしいことはない。

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