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最果タヒさんの『十代に共感する奴はみんな嘘つき』を読んで、中学のクラスメイトから突然渡されたカセットテープを通して「ちょっと違う世界」を垣間見たことを思い出した。
中学生のとき、クラスでいつもひとりぼっちの女子がいて、ある日突然、「あのさ、このバンド、最高だから」と言って、一本のカセットテープを手渡された。
X JAPANにバンド名を変える前の、その頃は名前も聞いたこともないビジュアル系バンドだった。
おそらく年上の彼氏がいたはずの彼女がなんで僕にカセットテープをくれたのかは分からない。
聴いてみた楽曲も、正直、ピンとこなかった。
ただ、僕はそのとき、彼女を通して「ちょっと違う世界」を垣間見たような気がしていたんだ。
ってことを、本書を読みながら、唐突に思い出した。
あるいは、これは、僕のオールタイムベスト恋愛小説『ノルウェイの森』に対する侮辱だろうか、と思いつつ、あれ?そうじゃなくて最大級の賛辞?とか思いつつ、結局のところ、どうなんだろって話で。
つまり。
タイトルがすべてを物語ってるな。
という類いの小説で、久しぶりにゾクゾクしてる。
なにより、これを読んでなお、明日、なんでもない顔をして会社に行くであろう僕のカッコ良さを、10代の僕に教えてあげたいと、割りと真剣に考えている。
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