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#34:世の中のシステム転換を引き起こす社会的諸要素🌍

この記事でお伝えしたいこと、わかること

・グローバルコモンズという考え方
・世の中のシステムに転換が起きる際、社会に必要なこと
・行動の前に想いや認識が変わる
・地球を守ろうは自分たちの想いを変えるということ

東京大学理事でグローバル・コモンズ・センター ダイレクターを務める石井菜穂子さんが、
令和3年6月22日に財務総合政策研究所で講演された際の資料

「Global Commons Stewardshipで日本と世界を駆動する」
https://www.mof.go.jp/pri/research/seminar/fy2021/lm20210408.pdf

から気になった内容をご紹介しつつ、
僕自身の考えも書かせていただければと思います。
今回は、「Safeguarding our Global Commons(3)
システム転換を引き起こす社会的諸要素(Ingredients)」
という項目からです。

グローバルコモンズという考え方

冒頭の資料の17ページのタイトルが、

Safeguarding our Global Commons(3)
システム転換を引き起こす社会的諸要素(Ingredients)

となっています。

英語ばっかりのタイトルキター!!(焦)👋
ということで、個人的にはこのままだとよく意味がわからないので。。
調べてみました。

Safeguarding our Global Commons・・・

せーふがーでぃんぐ あわー ぐろーばるこもんず!?!?

「Safeguarding」は日本語だと、
「保護」という意味
のようです。

そうするとこの一文は、
「わたしたちのグローバル・コモンズの保護」
というような意味
になりますかね。

グローバル・コモンズについては、
以前の投稿で取り上げさせていただきました。

#11:グローバルコモンズという考え方
https://note.com/oripon/n/n1b05120fe870

グローバル‐コモンズ【global commons】とは、
世界規模で人類が共有する資産。コモンズは「共有地」の意。人類の生存に必要な大気・大地・森林・海洋などの地球環境や生態系、自然資源。また、特定の国の管轄権が及ばない公海・宇宙・サイバー空間など。国際公共財。goo辞書より

という意味になります。

つまり、
わたしたちは、地球人として皆1つの地球を共有しているという観点に立って、地球環境を保護する
ということなんだと思います。

これまでは、
経済を第一優先として、地球の資源や恵みを各国、各々の企業や個人が利用してきましたが、これからの未来は地球との調和をベースにして、新たなシステムに転換したり、経済モデルを組み立てるということになるのだと思います。

大きな転換(パラダイムシフト)が起きる際、社会に必要なこと

次に、
システム転換を引き起こす社会的諸要素(Ingredients)
ですが、
これまでの既存のシステムや経済の上に、改善を積み上げるのみでは、
グローバルコモンズという考え方に基づいた地球環境の保護やSDGsを達成することは難しいので、既存のシステムや経済そのものの転換が必要。
ということで、「システム転換」というキーワードが出ているのではないでしょうか。

ある意味、これからは現状維持で何とかしようとしてもドン詰まりになるということですね。

例えば、二酸化炭素の排出を実質ゼロにするという脱炭素という目標がありますが、これを達成するには、わたしたちの経済システムを見直さないことには達成不可能だと言われています。
なぜなら、わたしたちのこれまでの経済システムは二酸化炭素の排出をゼロにすることを前提には作られていないからです。

既存のシステムや経済の仕組みそのものを転換するためには、
当然社会も大きく変わっていく必要がありますよね。
ですから、
本資料ではシステムの転換を図るために必要な社会的要素について説明されています。

つまり、
世の中のシステムを変えていくために、
必要な社会の要素としてはこんなんがありまっせ。

ということでしょうか。

システム転換を引き起こす社会的諸要素(Ingredients)

大きく5つ挙げられています。
・政策と組織・制度
・転換のリーダーシップ
・イノベーション
・行動変容と社会の基準
・外部からの変化

です。

1つずつ見ていきたいと思います。

・政策と組織・制度
これは各国の政治や法律、国よりも大きい組織の条約、仕組みなどを指していると思います。
例えば、日本で2020年10月に表明された「2050年カーボンニュートラル」という目標があります。
これは先ほども例に挙げた脱炭素の取り組みですが、日本でも政策として掲げられました。

・転換のリーダーシップ
これは旗振り役ですよね、日本で2020年10月に表明された「2050年カーボンニュートラル」という目標は、当時の首相である菅首相から宣言されました。
元々は、この「2050年カーボンニュートラル」もSDGsやCOPなどの取り組みがあって、世界的な到達目標に準じて宣言されましたので、
転換しようという機運や旗振り役がいないといけないということですよね。

・イノベーション
これは主に科学技術によるイノベーションだと思われます。
新しい科学技術により、これまで解決できなかった問題の解決やどうなっているのかわからなかった地球のメカニズムや客観的事実が明らかになっていくことで、システムの転換を促していく。
ということだと思います。

・行動変容と社会の基準
個人的にはこの項目が最も大切なところかと思います。
どんなに政治の政策やリーダーシップ、科学技術が発展があっても、
わたしたち一人ひとりの認識やその一人ひとりの集積である社会の基準、つまり価値観が変わらない限り、システムの転換は難しいだろう
と思うからです。
お題目とツールだけあって、誰の想いも変わらず動かない。
んじゃあ、世の中は変わらないですよね?

では、「行動変容と社会の基準」に必要なものって何なのでしょうか。
まず1点目、行動変容ですが、
僕の考えでは、行動が変容するということは、その前提として想いや認識が変わるっていうことが必要なんだと思うんですよね。
まぁ、想いや認識が変わらなきゃ絶対に行動は起こしません!
ということでもないのですが。

例えば、お母さんが明日遠足の子どものためにお弁当を作るためにいつもより早く寝て早起きする。
という事例(行動変容)があった場合、
お母さんは、
明日は子どもの遠足だわ

だから弁当を作るために早く起きなきゃ

そのためにいつもより早く寝るようにしよう。
となります。

この場合、
お母さんが「いつもより早く寝るという行動変容が起きた」のは、
子どもの遠足があるからだという人もいると思います。
確かに遠足をきっかけに行動変容が起きたとも言えます。

それに対し、
僕の考えでは、行動が変容するということは、その前提として想いや認識が変わるっていうことが必要なんだと考えています。

さて、この場合お母さんの想いや認識はどのように変わったのでしょうか?

例えば、
明日は子どもの遠足だから、楽しい時間を過ごせるように、美味しいお弁当を作ってあげなくちゃとういう想いになって、
そのために早く寝ようという行動になったのかもしれませんね。

地球を守ろうは自分たちの想いを変えるということ

話を戻しまして、最後に、
・外部からの変化
です。
これは既存の枠組みの内部の中にいる人たちだけだと、
物事に変化は起こりにくいんじゃねぇ。

ってことなのかなぁと。

例えば、日本の明治維新の時は、外国からの黒船の来航などによって、多くの日本人が欧米の文明の発展を目の当たりにし、
それまでの多くの日本人の武士社会の認識、
侍社会のまま、ちょんまげと刀の世界で生きていくこと。
という既成概念に対して、
これからの日本はあるのだろうか?
というような想いや認識の変化が起きたのだと思います。

明治維新を成し遂げる一番の要因となったもののは、
日本をそして、そこに生きる人たちがこれからも幸せであるために、
守らなきゃという想い
だったのだと思います。

後は、
今後の外部の変化としては、
・気候変動や自然災害(天変地異)
→直近ではトンガの噴火など
・経済破綻や恐慌

などが起きることも考えられると思います。

これらが契機となって大きく変わっていかざるを得ないということもあるかもしれません。

地球維新の時代

明治維新になぞらえるなら、
現在は地球維新の時代と言っても過言ではない
と思います。

地球を守ろう、地球環境を保護しよう。
という気持ちも尊いですが、
もともとは自分たちの想いや行動が原因で起きていることであるならば、
問題をすり替えて、これまでの自分たちの想いや行動から目を背けて、
表面的な環境保護をするだけでは何も変わらない
のだと思います。

実際、これまでの経済を動かしてきた「自分さえよければ、後はどうでもいいという利己主義の想い(悪想念)」の部分が変わらなければ、
それは、環境ビジネス、脱炭素ビジネスという名前を借りた、「自分さえよければ、後はどうでもいいという利己主義の想い」による行動と結果が新たに生まれるだけ
ではないでしょうか。

それは、
また新たな地球規模の課題や問題を引き起こすだけなのです。

幸い、僕たち人間は、他者の痛みを我が痛みとして感じられる性質を備えています。そして、これからは他の人を苦しみから救うことも自分にとっての幸せなのかもしれない。ということに気づきつつあります。

世のため人のためにすることは巡り巡って自分のためにもなる。

これまでの経済を動かしてきた「自分さえよければ、後はどうでもいいという利己主義の想い」の部分

「自分ではない誰かのためにという利他主義の想い」に転換されることで、僕たちの想いや認識も大きく変わっていけるのだと思います。

その先にあるものは、
僕たちは皆一つの地球というかけがえのない美しい惑星に共に生きていて、
同じ空気を吸い、同じ水を飲み、同じ海や森、大地の中で、他の生き物という仲間とも一緒に生きている
のだということ。

そういった、想いや認識があってこそ、
これからの大きな転換が、
地球に生きとし生けるものすべてが幸せであるための、
地球維新というドミノ倒しになっていく
のだと思います。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

We all live together on one irreplaceable and beautiful planet, the Earth.
They breathe the same air, drink the same water, and live with other creatures in the same sea, forest, and earth.


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note
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