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「損切丸」-「日銀」編

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「損切丸」が20年以上 ”お付き合い” させて頂いた「日銀」に関するより突っ込んだ記事をご紹介。
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2021年4月の記事一覧

“ウッドショック”  ー 「インフレ」の縮図。

“ウッドショック”  ー 「インフレ」の縮図。

 最近 “ウッドショック” というヘッドラインを良く目にするようになった。読ませてもらった記事の内容をかいつまむと、国際的に木材の価格が高騰しているという。外国産木材が高くなり、輸入量も減って ↓ 品薄になっているため木材価格が3割ほど上昇。

 *例えば「シカゴ木材先物」を見ると、2020/4/1は@$259.80(終値)だったのが、1年経って2021/4/23には@$1,372.50まで上昇。

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"利食い" を急ぐ人々。 ー  マーケットは一旦 "均衡点" に到達。

"利食い" を急ぐ人々。 ー  マーケットは一旦 "均衡点" に到達。

 米国債金利の上昇基調が急速に衰え、 "凪" 状態になったかのようなマーケット。需給は一旦 "均衡点" に到達したように見える。

 各市場を見ると「利の乗っているポジション」の手仕舞い、いわゆる "利食い" の動きが急だ。株にビットコイン(@$50,000.-割れ)、金利市場なら金利上昇方向の米国債ショート(売り)の買い戻し、イールドカーブのスティープニングポジションの閉じ、更に「リフレ・トレー

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「日本鯨」の「お金」の行く先は... ー「期初の買い」日銀との ”あ・うん” 。

「日本鯨」の「お金」の行く先は... ー「期初の買い」日銀との ”あ・うん” 。

 発表された2021年3月の日本国債(JGB)投資の状況 ↓ 。例年新会計年度に向けた「期初の買い」が行われるため、大きな金額になる。

 2021年3月:国債投資家別売買高(国庫短期証券を除く) ↓

 *正式に報告されていない売買額を「その他」として計上。各金融機関等の報告額と全体の額を差し引いての数値となる。おそらく保有型の投資勘定とは別に、短期売買を含 MTM(Mark to Market

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アメリカが「最低法人税率引上げ」を提案へ ー 「グローバリゼーション」「新・自由主義」の ”逆回転” ?

アメリカが「最低法人税率引上げ」を提案へ ー 「グローバリゼーション」「新・自由主義」の ”逆回転” ?

(4/5) イエレン米財務長官:「20カ国・地域(G20)に対し法人税に世界的な最低税率を設定することで合意するよう働き掛けている」

 バイデン政権: "多国籍企業の海外収益に課す最低税率を現在の10.5%から21%に引き上げる案を検討"

 ニュースを見てやや意外だったが、アメリカが「最低法人税率引上げ」を言い出した。膨れあがる政府債務の解消のための「ド正論」である。まあ言い出したのが元・F

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意外? 日銀が4月から国債買入額を減額。

意外? 日銀が4月から国債買入額を減額。

 「日銀が発表した4月の国債買入額が減額され、市場では "意外感" を持って受け止められた。」

 先週3/31に日銀による4月の国債買入額が発表された ↑ 。あるメディアは "意外感" という言葉を使ってJGB(日本国債)の売り要因としていたが、果たして本当に "意外" だったのだろうか。

 2021/4月~ 月間買入額 計5.9兆円 = 年間70.8兆円、(3月対比)月間▼5,500億円、年

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今度は「ベアフラット」の米国債 ー 予想を上回る雇用統計(3月)を受けて。

今度は「ベアフラット」の米国債 ー 予想を上回る雇用統計(3月)を受けて。

 3月米非農業部門雇用者数 +91.6万人 (予想)+66万人 (前月)+46.8万人 ← 速報値+37.9万人
 同失業率 6.0% (予想)6.0% (前月)6.2%

 昨日(4/2)はグッドフライデーで欧州市場と米株式市場は休場だが、なぜか米国債市場だけは開いている(笑)。そんな日に限って ”大きな変化" が起きたりするものだが、案の定強い米雇用統計(3月)が出た ↑ 。

 非農業部門

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"異常に低い" ドイツの「実質金利」Ⅱ ー ひたひたと迫り来る「物価上昇」の波。

"異常に低い" ドイツの「実質金利」Ⅱ ー ひたひたと迫り来る「物価上昇」の波。

 2020.3.20."異常に低い" ドイツの「実質金利」↓ の続編。

 妥協を許さない不屈の ”ゲルマン魂” (笑)を理解していれば 、まあ予想通りとも言えるのだが、需要が供給を上回る局面では徹底して「値上げ」するはず。2月のドイツCPIが@+1.7%と1月@+1.3%から加速した結果、10年国債の「実質金利」は@▼2.0%を下回るという一種の ”異常事態" 。アメリカと比べると@▼2%、中国

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