見出し画像

人事考課のポイント

今回は、令和元年7月27日13:30〜17:45 公益財団法人日本理学療法士協会主催 2019年度 理学療法管理部門研修会

初めての人事考課〜新人管理者が面談を通じて部下を育成するためには〜 

を受講した備忘録です。よろしければどうぞ。

もくじ
1 人事考課とは
2 人事考課が難しい理由
3 自分自身の評価とは

1 人事考課とは

講師は、総合南東北病院・教育研修室・副室長の本田知久先生。

実に熱量ある若手リーダーの代表格である先生のお話を拝聴することができました。
先生とは以前お会いしてお話を伺うことがあり、一度で一目惚れしたくらい、とても人間性豊かな先生でした。次世代を担う若手リーだーの方々は、機会があれば是非一度本田先生のお話を拝聴してみてください。自分の熱量がものすごく足りないことに気がつきます。笑

さて、人事考課ってなんでしょう?

理学療法士人口が一番多い世代の皆さんは、この人事考課をしたことがある人どれくらいいるでしょうか?
実際のところはほんのわずかな人くらいしか人事考課をされていないと予想されます。

しかし、講師の本田先生は、

「今日の話は人生のいろんな場所で応用が効く話だと思います。是非参考にしてみてください。」このように冒頭で話され、研修が開始されました。

人事考課を通じて、部下たちの昇進の判定に役立てたり、内部異動の材料にしたり、上司も意外とストレスになるものです。間違いなくストレスです。僕の場合、ほんとストレスに感じています。

しかし、講師の本田先生がおっしゃるように、いろんな人に応用が効く。
我々の現場で一番応用が効くのは、学生指導とか後輩指導でしょう。
1人職場なら関係する職種の自分より経験年数が浅い職員からの相談事への対応でしょうか。

人事考課とは一体なんでしょう?

簡単に言って仕舞えば、人が人を評価するってことです。
これは気をつけないと、「良くも悪くも」人が人を評価する ということになります。

研修の中では以下のように説明されていました。

①考課者(上司)が被考課者(部下)の一定期間の職務について観察・分析を行い、評価段階を判断する
②上司と部下の評価の差をすり合わせ、期待像と現状の差を明らかにして人材育成を促す

参加者の中には、この春からマネージャーになりました。という人や、マネージャー歴20年の超ベテラン、また同様な内容で講師を普通にしている人まで、多岐にわたる先生方が受講されていて、大変興味深い半日を過ごすことができました。


2 人事考課が難しい理由

人事考課のポイントは、ずばり「行動の記録」であると本田先生は言います。
先の項で人事考課は「良くも悪くも、人が人を評価する」と表しました。
また、人の記憶には直近のことを評価しがちで、これもまた良くも悪くもという言葉が当てはまりそうです。

ずっと継続的に組織のために貢献してきたものの、直近でつまらないミスをしてしまった部下。
ずっと悪い生活習慣を続け、勤務態度もよろしくないと評価されていたが、最近研究活動を始め対人関係が良好なった部下。

どちらの方が良い印象を持ちますか?
あなたはこの2人をそれぞれどういう基準でどう評価しますか?

言ってみればこういう事が人事考課の難しさです。

スタッフの何かある「事実」の現象に「解釈」が加えられてしまうものです。
これが問題なんです。

人間性とか能力とか、または研究活動などを他者と比較しがちです。
こればかりを評価してしまうと、上司としてはまず信頼されません。
どんな人にも加点主義としての「行動」の記録ができるようになりたいものです。その人の過去と現在を比較してあげること!

講義の中では、評価で起こりやすい心理エラーも分かりやすく紹介されていました。
簡単に列挙します。

ハロー効果;良い評価が他の評価にも影響
寛大化;甘くなりがち
厳格化;自分に厳しい評価者は特に
中心化;平均的に評価してしまう
論理的誤差;理屈を作り上げ評価してしまう
対比誤差;評価者の能力が基準
直近効果;評価時点の直近の出来事に引っ張られる

学生指導や新人指導でも同じ事が言えそうですね。
このような心理的バイアスがあるんだということをまず知らなければなりません。


3 自分自身の評価とは

上述のように、まずバイアスがある!ここを認識できるかどうかです。
そのためにも自己理解が必要ですと本田先生は言います。

そして ジョハリの窓 を説明されました。

画像は以下URLからの引用です。
https://matome.naver.jp/odai/2148223196114786401/2148236572287667203

自己理解のワークとして、自身の価値観と他者の価値観の相違を改めて気付かされました。
自身が思っている長所と短所。とくに短所の部分をリフレーミングし、フィードバックしてあげることの重要性。

とくに最期のリフレーミングは、体験していてつい涙が溢れそうになるくらい、ありがたいなあ〜と思いましたね。

上司は、上司批判や文句を言われることはあっても、直接面と向かって褒められることなんてありませんからね。笑

自分、自分自身に気が付いていないのに、他者のことを評価していいのでしょうか?

患者さんのために!という大義名分を振りかざし、ダメ出しする事が人事考課ではありません。
成長を願う事が一番の目的であると本田先生。
もっと言えば、評価者と被評価者が共に成長する事が重要。

そのために重要なことは、「信頼性」です。
普段から信頼性ある関係の構築を意識しているか?

講義の中では、自慢話、愚痴、悪口は逆効果であると説明がありました。
思い当たるフシのある人・・・いませんか?笑

自分自身、本当に注意が必要だなと再認識しました。

本田先生いわく、相手の関心事に関心を持つ!

確かにこれがあると、評価者と被評価者の距離が一気に短くなりそうです。
自分だったらどうする事が嬉しいのか。
どうする事が楽しいのか。
安心できるのか。
そして相手を信頼しようと思えるのか?

電車に乗ってる人、全員に対して信頼してるとは思いませんよね。
院内の職員全員においてもそうですよね。
職場内において、全員のスタッフを信頼していますか?
信頼されていますか?

人事考課をするとき、上司(先輩)の不甲斐なさ、対応力不足を振り返る貴重な機会であると心得ること。

だからこそ面談をするのであって、その面談で日頃の上司の憂さ晴らしをしたり、過去の不満を反芻したり、そんなことをしていては、信頼もなにもありません・・・

人事考課は誰しも日常行なっていることかもしれません。
彼氏、彼女に対して、一定の何かを評価し、◯◯という解釈をもって何かをプレゼントしたり。
親兄弟、自身の子供、パートナー、様々な場面で「人が人を評価」しています。

評価するという時点で、その人より上に立ちます。
その意味合いを正しく認識しないと「信頼」どころの話ではありません。常に上から目線になってしまいます。

信頼の対義語は、不信とか警戒です。

そんな先輩や上司になりたい人がいるはずありません。
だからこそ、自分自身の評価は常にブラッシュアップしたいと思います。

今日は多忙な時間を割いて、自己評価してみてはいかがでしょうか?
自分自身を人事考課してみましょう。
自分自身を警戒せず解釈せず、ありのままの自分の行動を見つめてみましょう。
マイナス評価が出てきても気にしないでください。
マイナスは全てプラスに変換できます。
マイナス要因が多い人は必ずリフレーミングしてくださいね。

人事考課のポイントは、自分自身を人事考課するということでしょう。


#人事考課 #行動の記録 #ジョハリの窓 #リフレーミング #OJT #理学療法士 #楽しいこと #人材育成 #アドラー心理学 #4コマ漫画 #育児 #写真 #絵本 インタビュー #ねこ #小説 #料理 #ビジネス #イラスト #マンガ #エッセイ #音楽 #コラム