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【目印を見つけるノート】771. 『ドーベルマン刑事』を思い出す日

朝は雨ですね……風が強かったようで、ばらがちょっとかわいそう。

今日は1冊の本のことを書きましょう。
武論尊さん原作、平松伸二さん作画の『ドーベルマン刑事』のうち、『沖縄コネクション』の1巻です。

(こちらは中古で出ているうちのひとつです。電子書籍も出ています。書影のみ当時のものとして参考にしてください)

この漫画は週刊少年ジャンプで1970年代に連載されていました。ドラマにもなったことがありましたが、それは見ていません。
この作品はものすごく簡単にいえば、「悪に鉄槌を下す」刑事のお話です。その鉄槌は拳であり、最終手段は44マグナムーブラックホーク(銃)です。
その鉄槌がストレートなゆえに主人公はやり過ぎだと謗られてもいます。

他にもいくつかそのような漫画があるかと思いますが、この漫画も2020年代の今は刊行できないでしょう。ヴァイオレンスの表現を初め、いろいろなコードに引っ掛かると思います。
それは、「悪(犯罪)というのは、優しい態度で向かえるほど生易しいものではない」という趣旨での表現だと理解しています。

小学生の頃、主人公の加納さんが好きでしたね。過激な鉄槌を下しますが、普段はフッと微笑んだり穏やかな風なのです。少年漫画でこれだけは単行本を揃えていました。

今日はその中の、『沖縄コネクション』です。単行本1冊をそれに費やしていて、本作で最も長いエピソードです。フィクションですので、その点はご承知おきください。

簡単に書くと、東京で急に麻薬や銃の摘発が増えて、その出元を捜査している加納たちが沖縄に飛びます。そこで果てしなく大きな黒幕の存在が加納たちに牙を剥きます。沖縄に向かった東京の刑事たちが次々と襲撃されて皆重傷を負い、彼らに協力した沖縄の看護師は殺され、刑事も襲われるという圧倒的な劣勢の中で、文字通り壮絶な死闘が展開されます。

今のコードで書けるのはこの程度でしょうか。いくつかブログで詳しく紹介されていますので、詳しく知りたい方はそちらを検索してみてください。

そのようなフィクションの部分はいったん置いても、本作では沖縄がどのような状況にあるのかというのも伝えています。
はじめの方で加納の同僚の宮武が、延々と続くフェンスに驚くシーンなどもそうですね。沖縄の流れも踏まえて描かれているのです。

いや、作者の方はそれをまず知らせたいと思われたのではないでしょうか。この作品は沖縄の本土復帰から5年後に出されたものです。その時期に、知らせたいという熱が根底になければ、生まれてこなかったのではないかと。

賛成とか反対とか無関心とか態度はいろいろあるのかと思いますが、「どれだけ現実を、流れを知っているのか」ということはその前提にあるべきだと私は思っています。

私は沖縄に何度か行きましたが、好きなもの、場所がたくさんあります。
大きな大きなガジュマルの木があれば、「きじむなーはいないかな」と見上げますし、
蝶など虫の大きさにびっくりしますし、
エイサーのお祭りは勇壮だと思いますし、
グルクン(タカサゴ)の丸ごと唐揚は見事に美味しかったですし、
ガマ(洞窟)の漆黒の闇の中で無心に祈ることができましたし、
城(ぐすく)趾を訪れてスコットランドにいるような気分になりましたし、
海については説明の必要がありません。リゾートには行ったことがありませんが😅
いつかは少し離れたところから御嶽(うたき、聖域)に静かに手を合わせたいです。足を踏み入れるのは失礼ですから。

さて、
自分の小説、『天下無双の居候 六左衛門疾る』で主人公(水野勝成さんです)が登場する場面があります。彼は女性を守るため野盗に立ち向かい、
「おぅ、おんしらぁ盛りのついた牛かや! 四つも雁首下げて、かよわい女子を手篭めにしようとはド外道じゃのう!」と啖呵を切ります。

この「ド外道」は『ドーベルマン刑事』の加納刑事の頻出台詞ですね。今回書いていて、初めて思い当たりました。

影響、いい案配に受けていますね🤔

明日5月15日は沖縄の本土復帰から50年ですね。
ニュースで取り上げられるような夾竹桃のフェンスのことだけではなく、
沖縄の大事に守られてきた文化は、伝えていくべき素晴らしい財産です。
それがもっと広く知られるといいなと思っています。

今日の1曲はこちらで。
古謝美佐子『てぃんさぐぬ花』

それでは、お読みくださってありがとうございます。

尾方佐羽

追伸 いってらっしゃい。

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