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臀物語

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タイトルをしりとりで繋げる物語、です。 「しりものがたり」と読みます。 第1,第3,第5日曜日に更新予定です。 詳しくはプロフィールに固定してある「臀ペディア」をお読みください。
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2022年5月の記事一覧

漢字

学校終わり、目的地までの道は当然知っている、いや覚えているはずなのに、ただただ前を歩く友人の背中を追いかけることしかできない。
「どうしたの、さっきから黙り込んじゃって。」
「ううん、なんでもない。」
必要以上に明るく振舞おうと、いつもと違う言い方になっていたのだろう。彼女は疑問を覚えたのか、優しく問いかけた。
「もしかして体調でも悪い?」
「ううん、そんなんじゃなくて。」
「本当?」
「本当、本

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イカ

やや肌寒い、そんな陽気の一日。
吹奏楽部の朝練を終えた陽乃は、教室の窓の外を眺めながらゆったりとした時間を過ごしていた。
「陽乃、おはよー!」
「涼ちゃん、おはよう。」
涼は教室に入ってくるなり、陽乃に声をかけた。
陽乃と涼は、小学校からの付き合いで、部活こそ違ったが、未だに仲が良かった。
「今日も朝練?」
「うん。」
「すごいなあ、私だったら絶対起きられない。」
涼は笑いながら言った。
「私も早

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運動会

 もう夏も終わったはずなのに、太陽が燦々と輝く休日の昼。普通ならば、まだ暑いのかとうなだれる人もいようが、今日は違う。まさに絶好のアウトドア日和である。
 今日は仲間みんなそろっての大バーベキュー大会。
代々この地域で酒造業を営んでいる角田家は、実は広大な敷地を有しており、地主的な側面もあった。そのため今回は、角田家の敷地内でバーベキューを行うことになったのだ。
 普段は和太鼓チームの全員が、その

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時空

 都心から少し離れた、とある郊外の駅。
 そんな郊外の駅前にあるファミリーレストランは、お昼時ということもあり、それなりには賑わっていたが、やはりベッドタウンということもあり、都心にあるファミリーレストランに比べればそれほどの賑わいではなかった。
 そしてここに、二人掛けの席に座ってちらちらと扉の方を見る男が一人。
 年は二十代半ばに見える彼は、若者らしい普通の格好をし、机の上には水の入ったコップ

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明治

 四時間目を終えるチャイムが鳴り響く。
このチャイムは昼休みの始まりを告げるチャイムであると同時に、お腹をすかせた学生たちが、食堂めがけて一目散へと走り出すスタート合図でもある。
しかしチャイムが鳴ったからと言って、すぐに教室を出られるわけではない。教師からの授業終了の合図があるまでは座っていなければならない。
その合図を今か今かと待つ生徒たちの足は、既に扉の方を向いている。
「じゃあ今日はここま

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