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きえないで、と響くから。

2023.3.24-25

待ち合わせは東京の新宿駅。大切な人が泊まっていたカプセルホテルの方へと向かいます。そのホテルの前で合流しようと思っていましたが、歌舞伎町という、今まで感じたことのない空気に圧倒され、奥へと進めなくなってしまった私。その場で留まり、大切な人に来てもらいました。

空色のコートに、空色のマスク。(私も空色のコート着てくれば良かった..と少しの後悔から旅が始まります)。

静岡へと向かうために、まずは東京駅へ。人の多さに少しの疲れを感じつつも、本日分の自由券を購入し、新幹線のホームへ。乗車予定の新幹線が、私たちの前に到着し、乗り込もうと待っていました。ふと、新幹線の電子版を見ていると、停車駅に静岡駅がないことに気づきます。。乗る前に気づいて良かったね(笑) 私たちは重い荷物を抱えながら走って違うホームへと向かいました。

無事に新幹線へと乗車。東京駅から静岡駅までは約1時間20分。大切な人は、私の隣で、尾崎世界観/千早茜の共作「犬も食わない」を読んでいました。私は、時々その小説を覗き込んだり、肩に寄りかかって眠ったり、窓から映し出される景色を楽しみながら、過ごしていました。

新幹線の窓から見えた空。

大切な人との待ち合わせのは、一人で新幹線に乗って逢いに行くことが多く、ドキドキとワクワクの気持ちが大きいのですが、私の隣に居てくれたから、心は落ち着いていました。

そして、静岡駅へと着きました。よし、静岡名物でも...!というところですが、、私の異常な程の身体の凝りを解消するために、ラフィネ(リラクゼーションのお店)へ向かうことにしました。旅行先で真っ先に身体をほぐしてもらう人は中々いないのではないでしょうか。。

大切な人にはカフェで時間を過ごしてもらい、終わるのを待ってもらいました。身体をほぐしてもらい、少し楽になった私は、大切な人へ連絡をいれ合流しました。

お腹を空かせた私たちは、お蕎麦屋さんへ入ることにしました。私は天ぷらそばを、大切な人は特盛の旨辛牛肉そばを注文しました。注文したものがテーブルへと届きます...特盛が届きます...いや、どう考えても量がおかしいのです...大きすぎるんです...大食いには見えない胃の中にその量が入るわけなどないと、どこか諦めた目で、大切な人と特盛のおそばを見届けていました。が、なんと大切な人は完食していました。よく頑張りました(笑)

その後は、泊まるホテルへチェックインを済まし、大きな荷物を置き、清水駅へと向かいました。どうしても海に行きたくて。本当は三保の松原と呼ばれるところに行きたかったのですが、この日は天気が悪く富士山も見えなかったので、清水マリンパークへと向かうことに。

静岡に来たのは、これが初めてでしたが、大きくて静かで落ち着いている印象を受けました。清水駅も、落ち着いていて、私たち二人が手を繋いで歩いているのが、なんだか珍しいくらい。歩きながら、お豆、あずき、甘酒、の良い香りに纏われ(すぐ側に調味料を作る工場があったみたい) 、そしてふわっと大きな猫ちゃんと出逢い、心地良い時間を過ごしていました。

出逢った大きな猫ちゃんたち。他にも何匹か居たね。

清水マリンパーク近くの海には、船がたくさんありました。その海は綺麗とは言えないけれど、それでも、海の力、水の力、で私の心は浄化されていきました。

清水マリンパークには、観覧車がありました。年末年始に逢ったときにも観覧車に乗ったのですが、その土地の景色を楽しめる素敵なアトラクションだと思い、ここでも乗ることに。ところが、その観覧車がとても怖かった。。古いからか、階段を上がるかのように観覧車も動くんです。景色は遠くの海を見渡せたりしたのですが、観覧車が怖すぎて、景色どころではありませんでした。

辺りが暗くなり始め、私たちも清水駅へと戻ることに。そして、東静岡駅から徒歩1分の柚木の郷という天然温泉施設へと向かいました。

この日は20000歩近く歩いていたので、その疲れを癒すのにピッタリでした。一つ一つの温泉が広く、人も少なかったので、ゆっくり過ごすことができました。

温泉は好きなので、温泉地への旅行もいいなと毎回思うのですが、女性は生理があるので、何ヶ月後かの旅行先を決めるときは選ばないようにしています。当日で温泉に入れないという悲しみには耐えられません。。(ピルとかタンポンとかいろいろ方法があることは知っていますが、できれば自然な状態がいいのと、ちょっとした違和感に敏感なので、難しいかなと今は考えています)。

話が逸れてしましましたね。私たちはのんびりとした時間を過ごし、ポカポカとした身体で、ホテルへと戻ります。夜に歩くって、こんなにも良かったっけ、、と感じながら。いつもは仕事終わりにグルグルと回したくない思考を巡らせながら歩いているからかな。

ホテルへと戻る道で、こんな話したよね。いっそのこと、病気だと診断してほしい。って。どうすればいいか分からなくなって涙が溢れたり、何も感じない無気力に襲われたり、、それでも仕事に行けてしまうし、なぜか成長したね、変わったね、って、褒められるし。変わったのは、私じゃない。あなたが私を見る目が変わったんだよ。だから、いっそのこと、どん底に堕ちて、苦しませてくれって。

こんなこと思っちゃいけないの、分かってる。分かってるけど、ごめんね、そう思ってしまう瞬間が何度もあったから。ゆるしてほしい。

大切な人は、こう言ってたね。私のような痛みを感じている人に、逢っているって。あとは、自分は器用貧乏だから、それが生きづらいって。


ただ、幸せになりたいだけなのに。


ホテルへと戻り、夕食で牛丼と静岡おでんを食べました。そして、部屋へと戻り、YouTubeでヨルシカ、ダズビー、Uru、、いろんな歌と映像を観ていました。大切な人は、歌で泣けるかな、なんて言いながら。

ここ最近、私と大切な人とで、想いのずれを感じていました。私は、ずっと変わらなく好きで、むしろ好きの想いが強くなっていて。でも、大切な人は、誰か一人を特別に好きになることがないって分かってるから。だから、どんどん私から離れていっているように感じて。それが苦しく哀しかった。でも、それは遠距離で離れているからなのかなって思っていて、きっと逢ったら私をちゃんと見てくれるって。そう思ってたけど。

気づいたら、涙が溢れていました。ベッドで、大切な人に背を向けて。途中で泣いている私に気づいて、泣いてるの?って声をかけて、そして静かに身体をさすってくれていました。少し経って、ありがとうって声を残して、洗面台で自分を落ち着かせていました。その後は、話すのが難しくて、だからLINEで泣いてしまった理由とか、今の想いとか、大切な人の内を勝手に想像したものとか、思ったままに伝えました。

涙を流して、思っていることをそのまま伝えて、少しスッキリした気持ちに。(なんて、自分勝手なのだろう、このときに大切な人の気持ちをもっと考えていれば...)。

はっきりと、私の中で映像として残ってるよ。だって、大切な人の頬に涙が伝っていたから。あれだけ、泣けないって言ってたから。泣きたくても泣けない、私の涙を見るたびに、聴くたびに、泣けない人の分まで泣いていいって、言っていたから。

なんで、泣いてるんだよ、って。私の目には再び涙が浮かびあがってきました。

大切な人は、自分に対して、人を傷つけて、何のために生きてるんだろうって、死んだ方がいい、って言っていて。私は、なんでそんなこと言うのって、望んでないよって、言いたいのに言えなくて。言葉が出なくて。後ろからそっと抱きしられたら良かったのにって、でもできなくて。ただ一緒に泣くことしかできませんでした。

大切な人は、泣いちゃったよって、人前で泣くなんて初めてだよって。そんなこと言ってたね。なんでそんなこと言うの、なんで泣いてるの、って、私のことを冷たく突き離してほしいって思ってたのに。

そんな想いが交差するなか、流れてきた音楽。
アイナ・ジ・エンドの「死にたい夜に限って」と「きえないで」。まるで、私たちの時間を、言葉として、音として、表現するかのような、寄り添うような、包み込むような。そんな音楽でした。

この音楽に浸り、そして私はLINEで贈りました。


また一緒に居たいと想いました。


この言葉を贈り、大切な人は、私の隣にきてくれました。手を繋ぎ、強く抱きしめました。私は再び涙を流しました。

私たちは、手を繋いだまま眠りにつきました。強く繋ぎすぎていたのか、途中で熱すぎて目を覚ましました。エネルギーでも送り合っていたのかと思うくらいに熱かったように思います。(大切な人は覚えていませんでしたが..笑)。

朝になり、私は腫れぼったい目で起きました。完全に泣きすぎです....帰り際にさよならしてしまう寂しさで泣くことはあっても、今回のように一緒に眠る夜に泣くことは初めてでした。

なんとなく昨日よりも心が繋がった感覚がありました。

美味しい朝ごはんを食べ、部屋へ戻り、チェックアウトの準備をしていました。夜のこととか、少し話したりもして。そのなかで、私はまた酷いことを言ってしまって。なんで大切な人の立場にたって、言葉を発することができなかったんだろうって。本当にごめん。

これまでもそうだったよね。私が大切な人のところから離れようとしたとき、一方的に感情を押し付けていた。でも、ずっとそのままだった。そのままに受け入れてくれていた。なんで、終わってから気づくんだろうね。

だから、私は大切な人のことを冷めているだなんて思ったことはない。よく冷めてるから、諦めてるからって言うけど。そんなことないよ。

私は大切な人と出逢ってから、好きなタイプを聴かれたときに答えられるようになったんです。
声がいい人、ちゃんと話を聴いてくれる人、ちゃんと待ってくれる人、って。

初めて逢った日のこと。私は初めて一人で新幹線に乗るという緊張と不安、初めて直接逢うことの緊張と不安、、そんな感じだったので、少し体調を崩してしまいました。。そのとき、側に居てくれて。私のわがままにも応えて、帰りは一緒に新幹線に乗って東京駅まで来てくれました。

私は、大切な人の優しさ、温もり、を忘れないように抱えていたいと想います。


いろんな感情を感じながら、、2日目は、静岡県立美術館に行ったり、本屋さんで数秘の本を読んだり、ガチャガチャをやったりして、過ごしました。

静岡県立美術館....とてもとても良かった。。あんなにも大きくて広くて、そして静かで余白があって、本当に素敵だったなあ。私の好きな美術館にも一緒に来てくれてありがとう。

ダンテ「神曲」地獄編
大切な人のお気に入り


恋とか愛とか執着とか、いろんなこと考えて、感じて、いまこうして言葉にしています。お互いの想いのズレが苦しく哀しくもあったけど、大切な人が感じていることって、これなのかなって想ったものを、小説から抜粋します。

「でも決められなかった。やっぱりグラデーションだ。この数日で気持ちはめちゃくちゃ大きくなった。昨日はめえめえの悪いとこと繋げてしまったけど、めえめえがずっとスポーツしてたり色んな年代に接してきたからこそ手にしたはずの気遣いとか思い切りの良さも、私は好き。その中には、友情もあるし恋愛もある。実際、めえめえだってそうだと思うんだよ。言ってくれたのは恋愛だろうけど、私に友情も感じてくれてる気がしてる。今回そうやってお互いに、好きな気持ちを持っているのが分かったわけだから。」
住野よる「恋とそれとあと全部」より

この小説を大切な人が読んでいて、この言葉を知りました。感情のグラデーション。少し時間はかかるかもしれないけど、このグラデーションを自分の中でも感じることができる、そう想いました。

儚く、脆く、強く。またしても、こんなにストレートに言葉で切り取ってしまいました。

今までも、今も、これからもずっと、ありがとう。

きえたいとき
あなたには生きていてほしいよ
借りてきた言葉を貰って言います、聴いてね。
アイナ・ジ・エンド「きえないで」より

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