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続く悲劇とモラトリアムのなか、ご自愛法を模索する。

 風邪が無事に治りました。
 人生で1週間寝込むのは本当に久しぶりで、寝込む期間が長すぎたからか、もともと抱えている逆流性食道炎まで再発してしまい「異国の地で寝込んで、私はなにやってるんだろうな」とか、「このまま熱が続いたらどうなるのだろう…」と少し気弱にもなりました。


 今月から始める予定だった語学学校もキャンセルすることにしました。
 医師の診断書があれば別の月スタートに再調整できるということだったので、やっと見つかったお医者さんに診断書をもらって、なんとか再調整を勝ち取りました。カタコトの英語でも正しい診察をしてくれる、素敵な先生に感謝。
 夏場は夏休み中に留学する学生をターゲットにするからか、少し学費が上がってしまうので、9月から行くことにしました。
 とりあえずは、お金を無駄にしなくてよかった……。


 しかし語学の強化が進まないとなると、今後の生活の立ち上げは先送りになります。
 すでにある程度生活できるようになってはいますが、ドイツ語の勉強はあまり進まないし、語学学校で出会うであろう他の国から来た生徒さんとの出会いとか、日本人以外の人と話す機会や友達ができるチャンスも延期です。
 海外生活で楽しみにしていたことのひとつなので、ちょっと残念。9月まで待つしかありません。


 進めていたビザ申請も、アフターコロナの影響で混雑しているのか、申請がおりるのは9月と言われてしまいました。正直「 え??それ何ヶ月先だかわかってる!? 」と聞き返したくなる感じです。

 立ち会ってくれた通訳さんが交渉してくれて少し前倒しの8月後半になりそうですが、まだ油断は禁物。ヨーロッパは7・8月はバカンスシーズンで、働く人が一気に減るそうです。つまり予定通りに処理されない可能性が格段に上がります。

 日本ではほぼないことですが、これがドイツ(と海外の大半の国)生活だなと思います。
 郷に入っては郷に従えの精神なので、こういうことに不満を覚えることはありません。みんな夏休みはゆっくりしたいでしょうし、こちらは困るけれど気持ちはわかります。


 ただ、ドイツの観光ビザの期限は90日なので4月末からきている私はしっかりオーバーします。ドイツの手続き上の問題なので強制送還などにはならないようですが、申請中はドイツから出国することはできないそう。(出国はできるけど、再入国ができなくなるらしい)


 つまり、今年の夏はドイツから一切出られないことが確定です。
 ドイツの他の都市に行ったことがないので、今年の夏はドイツを徹底的に巡るしかないな!!と思い直したのですが、最初言われたときは結構ショックでした。
 夫がまとまった休みを取れるのは夏の時期だし、この前のフランス・イギリスへ行ったので少し旅する感覚も掴んだし(今度また記事にします)、なによりせっかくヨーロッパにいるので色々な国に行ってみたかったのです。
 残念ですが、ヨーロッパ旅行は秋以降までおあずけです。


 さらにさらに、働くこともおあずけ。
 州によるのですが、ドイツは夫に帯同する妻にも就労可能なビザが出ます。なので、ドイツでフリーランスとして働くために手続き種類や仕方を調べたり準備をしたりしていたのですが、ビザが出ない限りそちらもほぼストップになりました。

 家から出られなくなるくらい忙しく働くつもりはないのですが、幸いにも「 一緒にやろうよ! 」と声を掛けてくれる方がいてくださいます。
 そういうお誘いはとても嬉しいので、応えられるように準備したかったのですが、当分は厳しそうです。無念……。



先に着いた航空便も遅れていて、届いた頃にはほとんど現地で買ってしまってました。それでもありがたいのですけどね…

 さらにさらにさらに、3月の初旬に搬出したはずの日本からの船便もそろそろ3ヶ月経つけれど未だに届く気配がありません。(笑)
 衣類・趣味の品(本を含む)・作業机などの家具が揃わないまま、今は部屋に備え付けだった最低限の家具と、スーツケースで持ってきた衣類、どうしても必要で買った食器や調理器具で暮らしています。

 ドイツもここ数日は気温が20℃を超えていて、冬服と春服を少ししか持ってきていない私の生活はギリギリです。もちろんドイツでも買えるので買えばいいのですが、もう少ししたら届くのならもったいないし……と踏みとどまっています。でもそろそろ限界です。

 服以外にも色々支障が出ていて。
 作業机と勉強机にするせいで半分荷物置きになってしまった食卓と、家具や荷物が届かず空っぽなままの部屋を見ていると、やるせない気持ちになります。


ヨガ専用部屋のヨガマット、実は近所のスーパーで購入した寝袋マットなのでちょっと滑ります。
というか、ヨガマットより寝袋マットが在庫されている近所のスーパーが不思議。

 部屋が空いたままなのはもったいないので、部屋のひとつを私のヨガ専用部屋、もうひとつを夫のトレーニング専用部屋にしてみました。
 お互いトレーニングに集中できるとてもいい部屋にはなりましたが、作業机が早くほしいという気持ちが拭えません。
 現地調達もできますが、そうすると船便で届く家具と被ってしまうので、置き場所がなくなってしまうのですよね……船便で運ばずトランクルームにあずけて、こちらで買えばよかったと少し反省しています。
 ただそうすると、日本帰国後の家具が増えてしまうので、それはそれで後で面倒なことにはなりそうですが……。



ままならないなあ……色々と。
海外生活は大変だと聞いていたけれど、本当に大変だ。



 日本では自分がルールを守ってルール通りに手続きや準備をすれば、そんなに大きなトラブルには見舞われません。
 しかし海外ではルールを守っても、トラブルがむこうから次々とやってきます。それはもう猛ダッシュで、ガンガンと。



一見日本でも売ってそうなフルーツのアイスキャンディーですが、味がザクロ・キウイ・ボイセンベリー・食用ほおずき(!)という衝撃のレパートリー。

 幸いにも私は色々なことに興味を持つことができるタイプで、悩んでも最後には悩み疲れてしまって、楽天的な判断をして終わらせてしまいます。
 そのため今は落胆するようなことがあっても「 悔しいけどしょうがないからほかをやろう! 」と気持ちを切り替えて、最終的には楽しく過ごせています。


 でも、あまりにこういうことが続くと、気持ちが切り替えにくくなってきます。
 気持ちの切り替えるとき、精神的なエネルギーをかなり使うのです。
 RPGで例えるなら、HPが奪われるというよりは技を使う時に減るSP(スキルポイント)を消費する感じ。SPが減って「 気持ちの切り替え 」という技が使えなくなってしまうのです。


 私にとって1番のSP回復法は、エンタメコンテンツの摂取です。
 本でもマンガでも映像でもなんでもいいのですが、心身ともに疲労している時に読書や英語やドイツ語の映像視聴など、集中力を使うエンタメ摂取はかなり厳しくなります。Youtubeなどで日本語のエンタメを摂取するにも限界があります。

 少し余談ですが(そしてご存知の方も多いと思いますが)、海外では日本で契約したAmazonのPrime VideoやNetflix、TVerなどの映像系のサービスは一切使えません。(Prime Videoは視聴できますが、視聴制限があり実質ほとんど見られなくなります)

 楽天TV、ぴあなどにある、演劇やコンサートのストリーミング配信も、購入したところで観ることはできません。

 ラジオが聞けるアプリのradikoもダメで、唯一Spotifyは使えますが元々のコンテンツの傾向上、一部のラジオやポッドキャスト以外、エンタメらしいエンタメがないのが難点。
 もちろん、住んでいる国のPrime VideoやNetflixに加入すれば観ることができますが、視聴可能なコンテンツは日本とは結構異なります。


 そしてそして、これも余談ですが……ドイツのインターネットサービスはかなり脆弱です。速度はまあまあなのですが、家に設置するWi-Fiが1週間に3回は不通の時間帯があります。5~10分で復旧することもありますが、長いと3日間繋がらないということも。

日本だったらクレームが多発しそうですが、これが海外生活です。(笑)
 使えるだけましと思い、PCの場合はその間ネットの使用を諦めるか、スマホのテザリングでネットに繋ぐか……という感じ。




 エンタメ摂取が簡単にできない!!
 つまりSPの回復がしにくい!!




 先程書いたネットの3日間不通があって、先週私の心はかなり荒みました。
 購入したeSIMの通信容量を不通のWi-Fiの代わりに削りながら、本当に観たいものが見つからないまま過ごす日々。通信料でお金を使っているのに、満たされない時間。



海外生活をしているんだし、日本のものばっかり観てないで海外のコンテンツに触れたり、その国独自の楽しみ方で心を満たせばいいじゃん。



 海外生活を始める前から1週間前まで、私もそう思っていました。
 でも、言語学習は長期戦です。苦なく聞き取りができるほど英語やドイツ語で見聞きできて、気軽に楽しむことができるのは大分先の話。


 そして先に書いたような、なかなかなトラブルも頻発します。
 それに気候が日本と異なるのもあって、体調不良で寝込むことも多いです。(実際、夫がこちらにきて2度目の風邪を引き、手術も含めて3度目の療養をしていました。ちなみに日本では年1度、風邪を引くかどうか…くらいの人です)


 語学学校やビザの発行遅延などの影響で、強制的に発生したモラトリアム延長戦の中で、これ以上の疲労なく心を満たすのは、慣れ親しんできた日本のエンターテイメントなのだと気づきました。


 それもほしいのは「 笑い 」。
 思えば外出自粛の時期も、アマプラで配信されていたM-1グランプリを第1回から見直して、めちゃくちゃ笑っていました。
 涙活が苦手な分、余計に笑うことを求めて帳尻を合わせているのかもしれません。


私にとって即効性のあるご自愛法って「 お笑い 」だったんだ……と気づきました。
 しかし、Youtubeで気になるものは寝込んだ先々週~先週初めでほとんど観尽くしています。



 もういい、こうなったら奥の手だ!!!



 そう思った私がついに契約したのは、VPNサービスでした。
 契約して接続準備を整えると、海外にいても日本のコンテンツが楽しめるようになります。VPNサービスによって視聴可能なサービスは異なるのですが、サブスクに加入しなくてもTVerやradikoなど、無料で日本のコンテンツに触れられるのは大きいです。

 契約すれば日本のサブスクも観られるようになりますし、ライブなどのストリーミング配信も購入すれば視聴可能に!
 これで配信のある日本の演劇やコンサートもかなり見られるようになります。
 お笑いの配信といえば吉本が運営するFANNY Onlineですが、そちらの配信も観られます!
 これでお笑い芸人さんのライブなども楽しめると歓喜しています。


 家のインターネット環境は変わりませんが、もしスマホの通信費を使うとしても、本当に観たいもののためにお金を使うのなら本望です。幸福度や充実感がまったく違います。


 もちろん住んでいる国だからこその暮らし方や、人とのコミュニケーションをやめるつもりはないし、勉強やそのほかやりたいことをしないで日本のコンテンツにのめり込まないようにしようと思っています。
 でないとゆくゆく後悔しそうなので、ここは守りたいところです。


 でも、海外生活しているからといって、今まで自分がしていたことをすべてをなげうつ必要もないと思うのです。
 心が疲れた時によりどころになる、親しみがあって気心が知れた、確実に心を満たしてくれるもの。有意義に過ごすためにも、そういうものをちゃんと手元に置いておくことが大事なのだと気づきました。

近所にお肉屋さんがなく、スーパーに薄切りの豚肉が売ってないので自分で薄切り肉を作りました。こういうのも楽しいです。

 ドイツでも新たに心を満たすものを見つけました。
 何もしないでぼんやりとベランダから外を眺める時間や、食事を作って食べる時間にも前よりも幸福を感じるようになりました。

 しかしエンターテイメントにはエンターテイメントだからできる心の埋め方があります。方法ばかり気にしないで、自分の心を大切にできればなんでもいいくらいの気持ちが大事なのかもしれません。


 あんまりなにかに依存することや、自分を甘やかしすぎるのは好きではないけれど、心が荒むほどストイックに生きるのも好きじゃない。
 というより、苦しい。
 慣れない土地であればなおのこと、その苦しみが心身に影響します。


無理のしすぎはよくない。



 この国での楽しみ方はゆっくり見つけていくことにして、今は無理なく心を穏やかに保つことが大切ですね。


 昨日と今日で、オードリーさんとハライチさんの特番「チャレンジトークバラエティ オドオド×ハラハラ」を観てめちゃくちゃ笑いました。


あと最近友人から教わった天国さんというインスタグラマーさんのハリー・ポッターの翻訳アニメーション(と言っていいのだろうか…?)にめちゃくちゃ笑いました。
バタービスケットさんという名前でYoutubeもやられているみたいです。


お腹の底から笑うって大事ですね。
そしてエンタメは本当に大切。



大変長くなりましたが、最後まで読んでいただきありがとうございました!

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