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読書感想文

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人生は儘ならない

人生は儘ならない

私は一度読んだ小説を繰り返して読むタイプだ
読み終えたらまたすぐというわけではなく
時間が経ってからもう一度
1年後だったり1週間後だったり、期間は様々だけど必ず読み返す
それは私が単に内容を忘れていたりするからなのだけれど
忘れっぽい脳みそが役に立つときもあるのだなあ

あまりにも悲しい物語だから読み返すことを躊躇う作品もある
凪良ゆうさんの『汝、星のごとく』もそのうちのひとつだ
私は凪良ゆうさ

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アスク・ミー・ホワイ

アスク・ミー・ホワイ

『アスク・ミー・ホワイ』を読んだ

古市憲寿さんがかかれた小説

この小説を読むのは人生で2度目
初めてこの本に出会った時はよく行く書店に並んでいて
いわゆるジャケ買いというもの
表紙の絵が綺麗で、全体的に青っぽい、漫画の1ページみたいなイラストに惹かれて買った
その頃、私は大学生で内容よりも表紙に惹かれる本を選ぶのが常だった

社会人になって数年たち
ひさしぶりにその本を読んだ

最初に読んだ時

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財布にコインを十枚入れたら、使うのは九枚まで

財布にコインを十枚入れたら、使うのは九枚まで

この本は刊行されてから100年以上経っている
それにもかかわらず世界中で愛読され続けている名著だ
なぜ今更その本を私が読もうかと思ったのは
社会人になってもお金が1ミリも貯まらないからである
私はフリーターで稼ごうと思えばいくらだって稼げる身分だ
実際に大学を卒業してフリーターになった1年目は新卒社会人よりも圧倒的に稼いでいたと思う
なにせ週6〜週7で働いていたし、そのころは働くことがものすごく楽

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ムーンライト・シャドウ/吉本ばなな

ムーンライト・シャドウ/吉本ばなな

この作品のなかでいちばん好きな言葉

風邪ひいて辛い時いつも思う
こんなに辛いなんてもう無理だ
これ以上辛いことなんてない
いつもの当たり前の健康が尊くて、はやくそれに戻りたい
もう二度となりたくないやって。

人生まだ20年ぽっちしか生きていないけど死にたいくらい辛いことは山ほどあった
むしろそれが大半だったかもしれない

その度にこれ以上に辛いことは無いとおもう
それの繰り返し
でもなんやかん

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赤泥棒 を読んだ

赤泥棒 を読んだ

踊るリスポーンというこの世で最強に狂った漫画(最高に褒めている最高に好きです)を描いた作者の最強に狂った小説を読みました

小説家としての名前の理由が知りたい

けんしかまみたろう と読むらしい
初見で読めないよね?みんなそうよね?私だけ??

ド派手な表紙なので書店で探していたらすぐ見つけた

私はカバーを外して本を読むタイプなのだが、こちらの本はカバーを外すと蛍光ピンク!なんともエッチである…

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汝、星のごとく

汝、星のごとく

瀬戸内の海に憧れている

この本を読んでからずっと

本を読んでこんなに辛くなったのはいつぶりだろう

最初に読んだ時、涙が止まらなかった
二度目も涙が止まらなかった
暁海の強さに心が震えた

凪良ゆうさんの紡ぐ物語が好きだ

キラキラしていてでも胸がギューッと掴まれて離れなくなる

瞼の裏に情景が浮かぶ

自然と涙が溢れてくる

僕は ふつう という言葉が嫌いだ

男女の恋愛 結婚 子供 家族

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人間失格を読んだ

人間失格を読んだ

恥の多い生涯を送ってきました。

日本人ならみんな知ってるこのフレーズから始まる

読むのは人生2度目だった

1度読んだ時はなぜ今までこの作品を読まなかったのかと少し後悔をした

高校生の時に読んでいたらあの頃の私は少し救われた気持ちになったかもしれない

この物語の主人公 葉蔵 は人の顔色を伺って道化を演じてしまう

私も幼い頃から大人の顔色を常に気にしているような子供だった

こういえば喜ん

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ノルウェイの森の永沢先輩が好き

ノルウェイの森の永沢先輩が好き

ノルウェイの森の登場人物で1番好きだったのは永沢先輩だ

世界の全てを理解したような、それでいて世界の全てに諦めているみたいな

打算的な行動しかしないスマートなところが好きだ

何にも期待せずにただ自分だけに期待している

そんな人間になりたいから永沢先輩に憧れている

永沢先輩のセリフで1番心に残っている

辛いことがあったら当たり前に自分が可哀想に思えてくる

永沢先輩のいう、下劣な人間がす

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ノルウェイの森

ノルウェイの森

人生で初めて村上春樹の ノルウェイの森 を読んだ

数ヶ月間ずっと 死 について考えてきたから縋るような気持ちで読んでしまった

この一文だけ、太字で記載されている

対極として考えてしまうから生から遠く離れた全くの別物と考えしまうけど、死は人間のすぐ側にいて、むしろ背中にぴったりと張り付いていてその気になればいつだって手をとりあえるのだ

キズキがそうしたように、直子がそうしたように、死はすぐ側

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キッチン を読んだ

キッチン を読んだ

吉本ばななさん の キッチン を初めて読んだ
こんな大ベストセラーを今まで読んでいなかったことが不思議かもしれない
私の大好きな人(感性とか生き方とか考え方がすごく好き、その人の書く小説が好き)がキッチンを読んでから小説を書き始めたと言っていた
私は好きな人と同じ目線に立ちたい生き物なので読んでみることにした

私は最近どことなく死について考えることがおおかった
大切な誰かを亡くしたわけでもないし

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ミトンとふびん を読んだ

ミトンとふびん を読んだ

あの人はもういないという事象は
思い出まで夢だったような気持ちにさせる

大切な人が居なくなっても
残された人の時間は変わらず進む
世界は何事もなかったように
私がいつかそうなったとき
そのギャップに耐えられるのだろうか

ミトンとふびん に登場する人物たちのように
泣いて受け止めて進むことが出来るのだろうか

それぞれの死と生活と、恋愛と
生き方を覗き見しているような感覚になった

現実を重く暗

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斜陽

斜陽

痺れた
このワンフレーズを先に知り、斜陽を読もうと思った

私は人間とは革命が好な生き物だと思う
今までの歴史だってそればっかりだし
政治があるのだってそういうことだからだろう
そのために人は戦って時代を作っていく
動物には出来ない、人間だけに与えられた尊い本能
恋もまた同じ
麻薬のように人間を、狂わせる
女にとって恋は戦争

この時代、女は1人では生きていけないと思われていた
配偶者を手に入れて

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それから/夏目漱石

それから/夏目漱石

それから、彼らがどうなったのか誰も知らない

本作を読んだ私たちが想像を巡らせるしかないのか
世間はいつの時代も変わらないと思った
配偶者を持つ物が恋愛をするのは世間が許さない
世間体というやつは厄介だ
私は正直どうでもいい
芸能人の不倫のニュースとかめちゃくちゃどうでもいい、興味が無い、むしろそれを騒ぎ立てるメディアに嫌悪感を覚えるし日常会話のタネにする世間も嫌いだ
そこの当事者達3人でやってく

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