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若気の至りポエム

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二十代のときに書いていたポエムが載せてあるノートを発掘しました。ひねくれてしまった今、読み返すと気恥ずかしいものもありますが、こんなことで傷ついたり悩んだりしていたのか?と若い日…
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記事一覧

ポエム「オレ」

オレはオレであってボクではない。

オレはオレであって、おれでも、まして俺でもない。

そんなこと誰でも言ってるよ。

だけどオレもときどき、ボクになる時あるよ。

ボクにならないと駄目な時がある。

でも気心知れたやつの前では、オレはオレでいられる。

ボクにも私にもおれにも俺にもならなくていい。

だからお前もお前のままで

だからあいつもあいつのままで

けして強くはないけれど、

またみん

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ポエム「にぎやかな部屋」

ポエム「にぎやかな部屋」

テレビをつけたまま家を出る。

電気をつけたまま家を出る。

スマートフォンは忘れずに。

近くのコンビニに雑誌を買いにいくだけ。

一人は淋しい。

それを認めるとき、もっと淋しい。

だからにぎやかな部屋のままにしておいた。

壁にポスターを貼らなくてもいい、

そんなときが、いつかくるかな、
#創作大賞2022

ポエム「エキストラ」

ポエム「エキストラ」

部屋にもどれば君ひとり

君はドラマの主人公

街に出れば人だかり

君はただのエキストラ

まわりの人らもエキストラ

あまりに人が多すぎて

街に喰われそうになる

泣きそうになりながらも、わくわくする

そんな奇妙な感覚

自分のちっぽけさと

なんだかんだと生きている人たち

それが現実

部屋の中でも街の中でも、本当は君が主人公

それが本当の物語

ポエム「手」

ポエム「手」

ぼくはふと淋しい顔をするときがあるらしい。

そんなとき、彼女はとても切なくなるらしい。

だまって、ぼくの手をにぎる。

すこしうつむくぼく。

その手はひんやりとつめたくて

そして小さかったけど、

あたたかくて大きかった。

だからちょっぴり強くにぎりかえした。

ポエム「かくれんぼ」

ポエム「かくれんぼ」

かくれんぼで鬼になった。

空が暗くなってきた。

他の子どもたちは、だまって家に帰っていった。

そうとは知らずに必死に探す鬼の子。

「みんなどこにいるの?」

誰かをはやく見つけたい、

というよりは

「ぼくはここにいるよ」

と誰かに気づいてほしい

そんな鬼の泣き顔。

ポエム「お前の部屋」

ポエム「お前の部屋」

人の心に土足であがりこむなって?

それじゃ、靴を脱いで、あがりこめばいい?

そういう問題じゃない?

んじゃあさ、ちゃんと鍵をかけといてくれよ。

いつもかけ忘れてるよ、お前は。

次からはピンポンを鳴らすからさ。

新聞屋や宗教じゃないのを確認したらあけてよ。

ちゃんと靴はそろえて脱ぐから。

近々、パーティやろう。お前んちで。

ポエム『君とオレ』

ポエム『君とオレ』

君を楽しまそうと、はしゃいでいるオレが好き。

君にカッコいいとこ見せようと、好きな事にうちこんでいるオレが好き。

君と幸せそうにしているオレが好き。

おちこんでいる君の頭をだまって撫でているオレが好き。

たまらなく、どうしようもなく、自信をなくして、あきらめている

だけど君に一生懸命はげまされて

もう一度がんばろうとしているオレが好き。

そんなオレはオレのことを好きだけど、

そんな

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ポエム『仕事をさぼって』

ポエム『仕事をさぼって』

人に褒められて「よっしゃ!」

と、頑張れる人。

人にけなされて「なにくそ!」

と、頑張れる人。

どっちが幸せなのかな?

などと考えていた、仕事さぼりの午後。

ポエム『給料の締めの日にいきなり辞めた人』

ポエム『給料の締めの日にいきなり辞めた人』

同じアルバイトの人が

給料の締めの日にいきなりクビになった。

特別、親しかったわけじゃないけど

淋しくなるな、とも思わなかったけど

これからは、あの人のモノマネをすることも

なくなるんだな、と思った。
#眠れない夜に

ポエム『デート当日』

ポエム『デート当日』

また風邪をひいた。

今日はデートの日だ。

無理していくと、どうなるだろう。

やさしいあの子のことだから、今日は休めと言うだろう。

「具合悪いからごめん」と電話したら、どうなるだろう。

やさしいあの子のことだから、少しガッカリしていても

それを見せずに心配してくれるだろう。

今日はどうしよう?

あの子の心配した顔が見たいので

ぼくはパジャマを脱ぎ捨てた。
#眠れない夜に

詩『母の日』

詩『母の日』

母にあげようと思って花を買った。

母の日より五日後のことだった。

無雑作に台所のテーブルに置いてみた。

いつもありがとう、とか言って花を渡すガラじゃないから

しばらくすると母が気づいて「この花はあんたが?」と聞いてきた。

テレビゲームをしているぼくは母の顔も見ずに

「うん、あげるわ」と無愛想に言う。

母は食卓で父や兄に嬉しそうに、その花を見せていた。

五百円にしてはいい買い物をした

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詩『逆上がり』

詩『逆上がり』

小さい頃、逆上がりができなかった。

居残りで練習させられた。

できる人が練習を手伝ってくれた。

ぼくが逆上がりできないと帰れないので

一生懸命教えてくれた。

そして逆上がりができるようになった。

みんな拍手をしてくれた。

だからつい、喜んだ。

いや、喜んだフリをさせられたのかも。

着たくない服を無理に着せられて、

「カッコいいよ」と言われたときに出る

たぶん、そんな笑顔。

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ポエム『不器用な人生』

ポエム『不器用な人生』

休憩所でボーッとしていたら

副主任がオレの前にすわって、煙草に火をつけた。

この人は無口で苦手なんだ。

そんな副主任が話しかけてきた。

「いままで一生懸命働いてきて

子どもがやっと大きくなってきたと思ったら

子どもは全員、家をでていった。

わしはなんのために働いてたんか、よくわからん。

だから、君は好きなことをやりなさい」

なんでそんな話を急に始めたのだろう?

真面目で不器用で

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詩『雲を見る』

詩『雲を見る』

#眠れない夜に

子どものころのように

河原に寝そべって雲を見ることにした。

だけど十五分で退屈して

用事があるわけでもないのに

どこか違う場所にむかった。

もう大人になってしまった。