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「かみかさ」

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小説「かみかさ」 傘を美容院に忘れてしまうところから始まる、恋愛未満小説。
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#美容室

「かみかさ」あとがき

「かみかさ」あとがき

最後まで読んで下さった方、少しでも読んで下さった方、ありがとうございました。嬉しかったのは、「かみかさ」をキッカケにフォローして下さった方、作品に魅力があると云うのは何より嬉しいです。Twitterでもいいねフォローを頂きありがとうございました。

掲載しながらの反省点は、ストーリーが、わかって読んでもらってるなと云う事です。創作大賞運営側の求める、何が起こるか分からないエンターテイメントではない

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「かみかさ」最終話

「かみかさ」最終話

いのりは、燈郎に髪を切ってもらって1ヶ月経った。
美容院に電話して予約を取ろうとした。
「ありがとうございます。BeLu美容室青葉店です。」
「予約をお願いしたいです。零宮いのりといいます。」
「いつもありがとうございます。」
店長になった横井が電話に出た。
「皆川が長期休暇に入っておりますので、
担当を色々模索してみましょうか。」
心遣いがあった。
「若尾さんでお願いします。」
「すみません。若

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「かみかさ」第27話

「かみかさ」第27話

9時前に車に戻ろうとした時、
いのりは燈郎らしい人を見つけた。確信はなかった。

燈郎は体育館を出ると、いのりの傘がある事を確かめた。
「髪が濡れる心配はない。」

車で待っていると真巳がやってきて乗り込んだ。

いのりも体育館を傘を刺して出た。
車を走らせる燈郎に気づいた。
「何でここ来たんだんだろう。
弟さんもバスケやってるって言ってたなぁ。
迎えに来てたんだ。」
声をかけたかった気がする。

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「かみかさ」第26話

「かみかさ」第26話

数日後。
燈郎は仕事を終え、自宅に戻ると、真巳から燈郎に電話があった。
「今、市営体育館にいる。兄貴ごめん。バッシュ忘れたから、持って来てくれないかな。」
「えっ。」
「雨も降ってきたし迎えに来て欲しい。」
「帰ってきたばっかなんだけど。」
「二つも理由がるんだから、お願いします。」
「ん。わかった。」

バッシュを持って車で迎えに行った。
体育館に着いた。コートを覗く。
弟の栄成大学の男子バスケ

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「かみかさ」第25話

「かみかさ」第25話

数日後BeLu美容室の西羽店に3店舗集まっての配置換えの発表があった。
オーナーの住川から
「おはようございます。毎日お疲れ様です。
 長い間青葉店には迷惑をかけてきましたが。
 配置換えの発表をさせていただきます。
私が水島店の店長に移り。
今まで水島店長だった。青木さんが西羽店長になっていただきます。よろしくお願いします。
横井さんは店長代理勤めて頂いていましたが、正式に青葉店長になっていただ

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「かみかさ」第24話

「かみかさ」第24話

燈郎は店の鍵を開け
「入って。」
電気をつけに少し奥に行った。
タオルを持って出て来た。
いのりは髪をほどきタオルでゴシゴシ拭いた。
燈郎も頭をゴシゴシと拭いた。
目を合わせて、少しほんの少しだけ口角をあげた。

「髪揃っってないですよね。今、切りませんか。」
「お願いします。」と、目線を下げて、はにかんだ。
燈郎は、更に電気をつけて、いのりを席まで案内した。
濡れた髪を丁寧に手ぐしで、といた後ブ

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「かみかさ」第23話

「かみかさ」第23話

「びしょ濡れじゃないですか。」
髪がガタガタに切られてる事に気づいた。
「ポニーテールなんですね。」
「バスケの時はポニーテールなんです。」
「そうなんですか。弟もバスケやってますよ。今日は練習ですか。」
「練習というか引退式。でも、しんみりしたりしない、楽しい引退式でした。」
「その話をしながら店に、傘を取りに行きませんか。」
「そう、傘ですよ。」
目を、まあるくした。
足を美容院の方に向けて、

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「かみかさ」第22話

「かみかさ」第22話

翌日から、家でも学校でも、髪を一つにまとめた。
もちろん綺麗に切れてないからだ。
下の方で結んでいた。

大学は試験期間。
友達の美琴は言う。
「試験でも気合い入れる時は一つ縛り?」

試験が終わると、部活の引退式があった。
とはいえ、4年でも練習に来たい先輩は、練習に参加してもいい、という伝統があった。なので、涙のお別れ会と云う風ではなかった。
最後にレクリエーションとして4年生全員対1.2.3

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「かみかさ」第21話

「かみかさ」第21話

家に帰った。

「悔しかった。
悔しかった。
髪のせいで。
この髪のせいで。」

自分の部屋の机にブラシと櫛と鏡を用意した。
裁縫箱の中から裁縫ハサミをを用意した。
正座をして
鏡を覗きながら
ブラシで丁寧に髪をといた。
髪を見ていた。
櫛で丁寧に念入りに髪をといた。
髪を見ていた。
左にといていき、左前に持っていき、ヘアゴムで束ねた。
裁縫ハサミを右手に持ち、髪を手前から斜め上にいくように、

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「かみかさ」第19話

「かみかさ」第19話

いのりは、一週間程して、また予約の電話をした。
電話に出たのは燈郎だった。
「いつもありがとうございます。BeLu美容室青葉店です。」
「予約をしたいのですが、零宮いのりです。」
「はい。いつもありがとうございます。
担当の皆川がしばらくお休みする事になりまして、担当を変えさせていただきます。」
「どれくらいお休みですか?」
「1年はかかると思います。
前回、担当させて頂いた若尾と申しますが。私か

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「かみかさ」第18話

「かみかさ」第18話

朝礼に久しぶりに皆川が来た。
そして、オーナーの住川も一緒だった。
皆川の顔が帰ってきたのは嬉しかったが、オーナーと一緒なのには息を飲んだ。皆川から話し始めた。
「皆さん。長い間突然お休みして1ヶ月も経ってしまい、ご心配ご迷惑をお掛けしました。本当に申し訳ありませんでした。
入院しておりました。
実は妊娠し、切迫流産になりかけ、やっと退院してきて、やっとお伝えする事になりました。」
「ここからは私

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「かみかさ」第17話

「かみかさ」第17話

いのりは、美容院に連絡するのも億劫だったし、試合が近づいていて練習回数も増やしていたので、そんな暇もなかった。
幸い梅雨入りしたにも関わらず雨はあまり降らなかった。
ビニール傘で凌いでいた。

いのりは、髪を切った翌日のバスケでは絶好調でポニーテールも軽やかに揺れていた。
ベストな長さが過ぎると、そうも、いかなくなってきて、
美容院に電話した。
「お電話ありがとうございます。BeLu美容室青葉店で

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「かみかさ」第16話

「かみかさ」第16話

翌日、目を覚ますと、眩しい光が目を刺した。
天気予報は晴れだ。

燈郎が出勤しようと玄関に出ると、弟の真巳が靴をあらっていた。
「おはよう。バッシュ洗ってるのか。」
「大学入って、買ってもらったから、大事に使おうと、初めて洗濯してんの。」
「そうか。今日学校は?」
「午後から。」
「そうか。俺行くわ。」
「いってら。」
と燈郎に水をかけた。
「またかぁ。そういう事をする。」
「いってきます。」

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「かみかさ」第15話

「かみかさ」第15話

いのりが店に戻ると店は閉められて店内には誰もいなかった。
ガラス越しに、傘立てに、さされた傘を確認できた。
ガラスにも雨露が付き傘が遠退いていくように霞んでいた。

家に帰る途中に、また振り出した。
「今日は本当についてない。」
切ったばかりの髪はぐっしょり。
帰宅するとすぐお風呂に入った。

燈郎は、いのりが雨に濡れてるのではないか心配した。
「綺麗な黒髪に・・雨が・・・」

雨がいたずらをした

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