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「神秘学遊戯団」は1991年スタート。シュタイナーのほか、諸テーマを横断。 HP ht…

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「神秘学遊戯団」は1991年スタート。シュタイナーのほか、諸テーマを横断。 HP https://r5.quicca.com/~steiner/novalisnova/    Facebook https://www.facebook.com/kazenotopos

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  • 神秘学ポエジー【風遊戯】photopos

    神秘学的な内容を写真と言葉で、「遊戯」していくシリーズ。

  • 神秘学ポエジー【風遊戯】mediopos

    本を中心としたメディアを神秘学的な視点で読みながら「遊戯」していくシリーズ。

記事一覧

私以外の私をじぶんのなかに住まわせる

☆photopos-3529  2024.5.7 私とは だれだろう 私といえるのは 私以外にはいない と単純にはいえない 私は書く と書かれている 文字を読むとき 私は私は書くと読む …

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23時間前
30

出口顯『声と文字の人類学』

☆mediopos3459  2024.5.7 文字が登場したのは 今から五〜六千年前といわれているが それまでの人類は無文字時代だった そのことから 常識であるかのように はじめに声…

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23時間前
29

ほんとうが閉じこめられるとき

☆photopos-3528  2024.5.6 ものの ほんとうは 名づけることができない ものを 名に 閉じこめてしまうとき ものは 死体としてしか あらわれなくなる こころの ほんと…

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2日前
41

井筒俊彦英文著作翻訳コレクション『老子道徳教』

☆mediopos3458  2024.5.6 井筒俊彦に『老子』の翻訳があることを知り 小躍りしたことを思いだす なんといっても『老子』は ぼくにとっては半世紀前からの 変わらぬバ…

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2日前
29

おなじことばでも・・・

☆photopos-3527  2024.5.5 おなじ ことばでも ちがう顔があり ちがう ことばでも おなじ顔があるように どれだけ ことばを使っても どうしても伝わらないことがあり …

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3日前
40

今野真二『日本語と漢字──正書法がないことばの歴史』

☆mediopos3457  2024.5.5 日本語は「正書法(orthography)がないことば」である 「正書法」のあることばとは 正しい書き方=正しい文字化がたった一つだけあることば…

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3日前
26

手で考える

☆photopos-3526  2024.5.4 考えるために 手をつかう 手で考え かたちにする じぶんを つくるのも 手である じぶんを かたちにする知恵は 手で うけとめなければなら…

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3日前
35

阿部謹也『「教養」とは何か』/ダリアン・リーダー『HANDS 手の精神史』/シュタイナー『人間生活の運命を形成するカルマ…

☆mediopos3456  2024.5.4 教養とは何か Wikipediaによれば 「個人の人格や学習に結びついた知識や行いのこと」とある そして「一般に、独立した人間が持っているべき…

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3日前
24

意味・言葉・善悪の外で

☆photopos-3525  2024.5.3 決められた 意味に 閉じ込められそうなときは 意味の外に出る 決められた意味は AIで足りるから 意味の外で 無意味に遊ぶ 決められた …

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4日前
35

丸山俊一「ハザマの思考8 表象と実際のハザマで」(群像)/ロラン・バルト『表徴の帝国』/河合隼雄『中空構造日本の深層』

☆mediopos3455  2024.5.3 丸山俊一の連載「ハザマの思考」(群像) 第8回目は「表象と実際のハザマで」 主にロラン・バルト『表徴の帝国』と 河合隼雄『中空構造日本…

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4日前
27

なぜ信じているのか

☆photopos-3524  2024.5.2 だれもが なにかを 信じて生きている なにも信じないというひとでも 信じないと信じているように けれど なぜ信じているのか そう問われる…

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5日前
31

現代詩手帖 2024年5月号 特集 パレスチナ詩アンソロジー 抵抗の声を聴く

☆mediopos3454  2024.5.2 『現代詩手帖 2024年5月号』の特集は 「パレスチナ詩アンソロジー 抵抗の声を聴く」 現在ガザは イスラエルによる大量虐殺下にある この特…

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5日前
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せかいの外へ わたしの外へ

☆photopos-3523  2024.5.1 外へとひらかれる 不安のために とじてしまうとき 見えないでいるものは もっと見えなくなる せかいの外へ わたしの外へ そのときなにが …

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6日前
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芸術新潮2024年5月号 【特集】謎解き デ・キリコ/長尾天『ジョルジョ・デ・キリコ 神の死、形而上絵画、シュルレアリスム』

☆mediopos3453  2024.5.1 『芸術新潮2024年5月号』の特集は 「謎解き デ・キリコ」 日本で10年ぶりに開催される「デ・キリコ展」 (4月27日〜8月29日 東京都美術…

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6日前
22

じぶんという謎を味わうために

☆photopos-3522  2024.4.30 たとえ どんな大きな声で 求められても どんな強い手で たしなめられても 白にも 黒にも 灰色にも 染まることなく 冷たすぎも 熱すぎもし…

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7日前
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堀江敏幸『バン・マリーへの手紙』

☆mediopos3452  2024.4.30 堀江敏幸に「バン・マリーへの手紙」という 連作のエッセイがある 二〇年前の二〇〇四年四月に「図書」に掲載されはじめ 連載となったものが…

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7日前
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私以外の私をじぶんのなかに住まわせる

私以外の私をじぶんのなかに住まわせる

☆photopos-3529  2024.5.7

私とは
だれだろう

私といえるのは
私以外にはいない

と単純にはいえない

私は書く

と書かれている
文字を読むとき

私は私は書くと読む

といえるのだが

じっさいに書いたのが
ほかの私でも
ほかならぬこの私でも

私は私は書くと読む

のである

馬鹿げているように見える問いだが

私は私は書くと読む

ことができるからこそ

私は私

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出口顯『声と文字の人類学』

出口顯『声と文字の人類学』

☆mediopos3459  2024.5.7

文字が登場したのは
今から五〜六千年前といわれているが
それまでの人類は無文字時代だった

そのことから
常識であるかのように
はじめに声があり
その後に文字が生まれ
そのことで文明が発展したのだ
という
「声から文字へ」という考え方が生まれた

つまり「文字が人間の認識に変容をもたらし、
論理的思考と科学の発展につながったり、
視覚を特権化する

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ほんとうが閉じこめられるとき

ほんとうが閉じこめられるとき

☆photopos-3528  2024.5.6

ものの
ほんとうは
名づけることができない

ものを
名に
閉じこめてしまうとき
ものは
死体としてしか
あらわれなくなる

こころの
ほんとうは
言葉にすることができない

こころを
言葉に
閉じこめてしまうとき
こころは
言葉としてしか
あらわせなくなる

ひとの
ほんとうは
みることができない

ひとを
その姿に
閉じこめてしまうとき

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井筒俊彦英文著作翻訳コレクション『老子道徳教』

井筒俊彦英文著作翻訳コレクション『老子道徳教』

☆mediopos3458  2024.5.6

井筒俊彦に『老子』の翻訳があることを知り
小躍りしたことを思いだす

なんといっても『老子』は
ぼくにとっては半世紀前からの
変わらぬバイブルのようなもので
それを井筒俊彦ヴァージョンとして読めるのだから

翻訳といっても英語への翻訳である
それが英文著作翻訳コレクション『老子道徳教』
として出版されたのは二〇一七年のこと

井筒俊彦の英語への翻

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おなじことばでも・・・

おなじことばでも・・・

☆photopos-3527  2024.5.5

おなじ
ことばでも
ちがう顔があり

ちがう
ことばでも
おなじ顔があるように

どれだけ
ことばを使っても
どうしても伝わらないことがあり

ほんのわずかなことばで
ときには
ことばさえ使わなくても
伝わることがある

おなじ
ひとにも
ちがう顔があり

ちがう
ひとにも
おなじ顔がある

どれだけ
いっしょにいても
どうしてもわかりあえない

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今野真二『日本語と漢字──正書法がないことばの歴史』

今野真二『日本語と漢字──正書法がないことばの歴史』

☆mediopos3457  2024.5.5

日本語は「正書法(orthography)がないことば」である

「正書法」のあることばとは
正しい書き方=正しい文字化がたった一つだけあることばで

「文字はその音声言語を写した二次的なもの、
というみかたが一般的」な欧米ののことばには
「語をどのように文字化するか、という書記論・表記論」は
基本的に欧米の言語学には存在していない

日本語は「

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手で考える

手で考える

☆photopos-3526  2024.5.4

考えるために
手をつかう

手で考え
かたちにする

じぶんを
つくるのも
手である

じぶんを
かたちにする知恵は
手で
うけとめなければならない

手のしらないことは
ほんとうに考えることができない
かたちにすることができない

それなのに
手のしらない
考えやかたちが

知ったかぶりで
むずかしそうな
けれどからっぽな
ことばにされていた

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阿部謹也『「教養」とは何か』/ダリアン・リーダー『HANDS 手の精神史』/シュタイナー『人間生活の運命を形成するカルマ』

阿部謹也『「教養」とは何か』/ダリアン・リーダー『HANDS 手の精神史』/シュタイナー『人間生活の運命を形成するカルマ』

☆mediopos3456  2024.5.4

教養とは何か

Wikipediaによれば
「個人の人格や学習に結びついた知識や行いのこと」とある

そして「一般に、独立した人間が持っているべきと考えられる
一定レベルの様々な分野にわたる知識や常識と、
古典文学や芸術などの文化に対する幅広い造詣が、
品位や人格および、物事に対する理解力や創造力に
結びついている状態を指す」とされ

「伝統的に

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意味・言葉・善悪の外で

意味・言葉・善悪の外で

☆photopos-3525  2024.5.3

決められた
意味に
閉じ込められそうなときは
意味の外に出る

決められた意味は
AIで足りるから

意味の外で
無意味に遊ぶ

決められた
言葉に
息苦しくなったときは
言葉の外に出る

決められた言葉は
辞書で足りるから

言葉の外で
沈黙に遊ぶ

決められた
善悪に
押しつぶされそうなときは
善悪の外に出る

決められた
善悪は
道徳で足

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丸山俊一「ハザマの思考8 表象と実際のハザマで」(群像)/ロラン・バルト『表徴の帝国』/河合隼雄『中空構造日本の深層』

丸山俊一「ハザマの思考8 表象と実際のハザマで」(群像)/ロラン・バルト『表徴の帝国』/河合隼雄『中空構造日本の深層』

☆mediopos3455  2024.5.3

丸山俊一の連載「ハザマの思考」(群像)
第8回目は「表象と実際のハザマで」

主にロラン・バルト『表徴の帝国』と
河合隼雄『中空構造日本の深層』を主なガイドとしながら
加藤周一『雑種文化』小林秀雄『学生との対話』なども
あわせてとりあげられているが
ここではロラン・バルトと河合隼雄の視点を中心に・・・

丸山氏は「日本」をテーマとした議論の場で

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なぜ信じているのか

なぜ信じているのか

☆photopos-3524  2024.5.2

だれもが
なにかを
信じて生きている

なにも信じないというひとでも
信じないと信じているように

けれど
なぜ信じているのか
そう問われると
わからなくなってしまうだろう

神を信じる
というひとも
神について問われると
ほんとうのところ
神がわからなくなるように

おそらくひとは
ヒヨコが最初に見たものを
母親だと信じてついていくように

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現代詩手帖 2024年5月号 特集 パレスチナ詩アンソロジー 抵抗の声を聴く

現代詩手帖 2024年5月号 特集 パレスチナ詩アンソロジー 抵抗の声を聴く

☆mediopos3454  2024.5.2

『現代詩手帖 2024年5月号』の特集は
「パレスチナ詩アンソロジー 抵抗の声を聴く」

現在ガザは
イスラエルによる大量虐殺下にある

この特集では
パレスチナという経験を共有する
来歴も世代も異なった12名の詩人の声が
詩とプロフィールそして解題のかたちで
わたしたちに届けられている

最初に紹介されているのは
ガザを代表する詩人のひとり
若い

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せかいの外へ わたしの外へ

せかいの外へ わたしの外へ

☆photopos-3523  2024.5.1

外へとひらかれる
不安のために
とじてしまうとき
見えないでいるものは
もっと見えなくなる

せかいの外へ
わたしの外へ

そのときなにが
見えてくるだろう

わからないでいる
焦りのために
わかりやすい答えだけを
求めてしまうとき
考えられないでいることは
もっと考えられなくなる

わからないせかいへ
わからないわたしへ

そこでなにを
問う

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芸術新潮2024年5月号 【特集】謎解き デ・キリコ/長尾天『ジョルジョ・デ・キリコ 神の死、形而上絵画、シュルレアリスム』

芸術新潮2024年5月号 【特集】謎解き デ・キリコ/長尾天『ジョルジョ・デ・キリコ 神の死、形而上絵画、シュルレアリスム』

☆mediopos3453  2024.5.1

『芸術新潮2024年5月号』の特集は
「謎解き デ・キリコ」

日本で10年ぶりに開催される「デ・キリコ展」
(4月27日〜8月29日 東京都美術館)に
あわせて組まれている特集である

「デ・キリコ」については
mediopos-2315(2021.3.19)で
長尾天『ジョルジョ・デ・キリコ/
神の死、形而上絵画、シュルレアリスム』を
とりあ

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じぶんという謎を味わうために

じぶんという謎を味わうために

☆photopos-3522  2024.4.30

たとえ
どんな大きな声で
求められても
どんな強い手で
たしなめられても

白にも
黒にも
灰色にも
染まることなく

冷たすぎも
熱すぎもしないように
ゆっくりと
たしかな熱を加えながら

ひとから
認められるためにでも
あらかじめ決められた結果を
求めるためにでもなく

じぶんという謎を
しずかな足どりで
味わってゆけますように

*愛媛

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堀江敏幸『バン・マリーへの手紙』

堀江敏幸『バン・マリーへの手紙』

☆mediopos3452  2024.4.30

堀江敏幸に「バン・マリーへの手紙」という
連作のエッセイがある
二〇年前の二〇〇四年四月に「図書」に掲載されはじめ
連載となったものが二〇〇七年に刊行されている

「バン・マリー」は人名ではなく
フランス語で「湯煎(ユセン)」のこと

「鍋で湯を沸かし、中に小さな鍋を浮かべて
ゆるやかな温度で調理したり、
ソースやポタージュを保温したりすること」

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