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536.褒めるってね、その人の幸せを心から願うことなんだよ~【褒め言葉研究会⑥】

※「535.人をけなすよりも、ほめる方が、ずっと気持ちよい、しかもそれが続けば、続くほど味が良くなるのさ~」【褒め言葉研究会⑤】

わあ~

生れてはじめての本を書いて約50社目で出版が決定した~そして出版契約書を結んだ。coucouさんはね、幸せの絶頂だったんだけれど、その契約書を見て、驚いた~
だって、約束の日にデータ原稿を渡すことが不可能なんだもの~

わあ~
契約違反…。

coucouさんは天国から地獄に真っ逆さまに落ちて行った~

どうするのcoucouさ~ん~

©NPО japan copyright association Hiroaki

1.嘘なんていらないよ、だから正直になろう~


どうやら、coucouさんは本の世界を甘く考えていた…。
世間知らずもいいとこ~

何の知識や情報もなく、本の作り方、まとめ方すら我流で考えていたんだ、それでいいという思い込み。
身近には相談する人もいたのに、その相談する事することすら気が付かないド素人だったんだ。

coucouさんは○○社の編集長の言葉を思い出した~

「本を甘く見てはいけない、馬鹿にしてはならない、独りよがりの自己満足ではいけない、何よりも読者不在などもってのほか…」と。

今度はね、読者じゃあなく、出版社、編集に携わる人たちのことが不在だったんだ…。

coucouさんね、恥ずかしさと悔しさでいっぱい~
もう、すべてを投げ出して逃げたい~

でも、これからどうすればいいの~
 
発明学会の中本さんからの助言はね、
「本当のことを正直に話してお詫びすること…」という。

まさにその通りだよね~

出版社さんにこれ以上の迷惑をかける訳にはいかない…。
8月に売込み、9月に決定し契約となり、10月に出版。

もう時間がない…。
 
coucouさんは正直に詫びる事にした…。


 
「…実は元原稿は存在していない、フロッピーやデータはなくすべて切り貼りで作成した原稿です。そして、そのことの意味も分かりませんでした…。お許しください!」

相手先はしばらく沈黙していた…。

「社長と相談して連絡をします」といわれ、連絡を待つことにした。

そして、coucouさんは驚いた~
 
「…びっくりしましたよ!編集長に聞いて驚きました。誰がみても切り貼りで作成した原稿には見えず、まるで印刷されたような原稿のため我々も見破れなかった。一応。契約上はデータを支給となっている通り、元の原稿の文章だけはデータにして改めて納品してください。発行日は12月にずらします。何とか頑張ってみて下さい!」

社長からの事務的な対応だったけれど、この出版社の姿勢と優しさを感じた…。

まさに、命拾い。

すぐさま中本さんに連絡した。
正直に伝えて良かった、と報告した…。

でも、約240頁ある原稿を急いでデータ化しなければならない。
次の悩みは時間との勝負だ~

coucouさんは私はワープロもパソコンもできないんだもの~

そこで電話帳を開き文字打ちをしてくれる業者を探すことにした。すると、地元に数社あることがわかったんだ。

デザイン制作をしていたcoucouさんの時代はタイプライターと写植文字の時代で、ワープロやパソコンなどまだ一般的には浸透していなかった。

ただ、地元で印刷屋などからの下請けをしている文字打ちの業者を見つけ、そこで、なんと3日間で仕上げてもらった。

1人が30頁担当して7人が同時にブロック別に打ち上げてそのデータはそのまま出版社で編集できる状態にしてもらうことができたんだ。
(この会社とは現在も取引している)

その結果、出版社にお詫びをしてから7日間ぐらいの遅れでデータを届けることができたんだ。
coucouさんは出版社にそのデータを直接届け、胸を撫で下ろした…。

編集長も喜んでくれて1999年12月15日に発行となった。

©NPО japan copyright association Hiroaki

2.誰にも見破れなかったcoucouさんの原稿



coucouさんの失敗作の元原稿を返却してくれたとき、
「よくここまで切り貼りで作りましたね…。これは芸術ですよ!」と褒められた。
coucouさんは十年近く、デザインの版下(原版)を切り貼りし続けて来たため、誰にも気づかれない、わからない状態ですべてが進んでしまったようだった。
 
coucouさんは、すぐさま中本さんに報告した。
豊澤会長には本の冊のサンプルが11月後半にでき、その1冊を届けに行った。

もちろん、感謝でいっぱい~

何とお礼をすればいいのか、と考えつつ会長とあった。

だけど、coucouさんは豊澤会長に褒められて、煽てられて、気に登り、本を出版して、その木からまた、落ちた…。



その理由は、
「豊澤会長、おかげさまで本ができました…。来月発売されます。本当にありがとうございました…」

すると、私の本を手にして中身を見ながら豊澤会長は、
「…本当に出た!本になったんだ…。信じられない…。」

えっ~信じられない?

coucouさんが信じられない言葉だった…。

豊澤会長はcoucouさんの本に触れながら、
「わしも数十社売り込んでいるが、今年はまだ本が出せていない…。だが、よく出せたなあ…。君が本を出すなんて…」

褒められるどころが、驚かれてしまったのだ…。
(だけどね、これはcoucouさんの最高の褒め言葉となった。そう、確かに、驚かれるくらいのことだったんだもの~)



実は、豊澤会長は多くの人に本を書くことの面白さ、素晴らしさを説いていた。会う人、会う人に本を書きなさい、そして出しなさいと言い続けていた。(そう、たくさんの人が豊澤会長に褒められ続けて本にチャレンジしていた。でも、本になる、ならないことよりも、豊澤会長にみんな褒められたかったんだよね)

coucouさんはこのことを中本さんに報告した。

「会長に褒められなかった…」と…。

すると、笑いながら、
「coucouさん、最高の褒め言葉だよ。私や会長も本を出すことに苦戦しているのですよ。過去にどれだけヒットを出そうが、本の数が多かろうが、出版社自体の本が売れない。また、出版社は常に新しい情報、新しい人材なども探しているため。同じ出版社の専属でない限り本を出し続けるのはむずかしい。そのため我々も新規の出版社を常に模索しているのですよ。今回の本は本当におめでとうございました。良かったねえ!会長も高齢に関わらず本を書き続けている。素晴らしいことだよ。今度は、その出版社を会長に紹介してあげたらどうかな、きっと恩返しになると思う!」


©NPО japan copyright association Hiroaki

3.coucouさんの褒め返し


 
coucouさんは、その後、豊澤会長と中本さんを紹介して近代文藝社からお二人はこの会社から出版することとなった。

coucouさんは、近代文藝社から豊澤会長の本が出たときに改めて御礼と感謝を述べた。


coucouさんは日本褒めよう会の会長を心から褒めたたえた。
「会長、凄いですね~素晴らしい本でしたね~coucouさんは嬉しい…」

すると、豊澤会長の頬が一瞬赤らみ、照れたような顔をして笑顔でいっぱいとなった。
ああ、褒めよう会の会長も褒められると嬉しいのだ~

そういえば、豊澤会長はいつもみんなを褒め続けていたけれど、会長を直接褒める人なんていなかったんだ~雲の上の人なんだもの~

だけどね、coucouさんが心から褒めさせていただいたとき、会長はとっても嬉しそうだったんだ~

coucouさんはね、このとき自動的に自称ほめよう会会長の後継者となった。


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4.coucouさんが震えた日


 
平成11年(1999年)12月15日の本の発売日、coucouさんは新宿の紀伊国屋、東京八重洲ブックセンターを偵察に出かけたんだ。

coucouさんの本の場所は一般のビジネス書コーナーではなく、違うのコーナーとなった。ビジネス書とは違ってスペースは少ないけれど、coucouさんの本が目立っていた。横積みだった…。

本は本棚に挿しこまれるよりも、積まれながら置かれる方が目立つ。
それに真っ赤なデザイン本である。
表紙デザインや帯デザインはcoucouさんが作成したデザインに出版社が立体的なタイトル文字に加工してくれた。


書店を訪れてそのコーナーに立ち止まる人を見つめた。
その人は、coucouさんの本に手を触れ、開いた。
そしてその本を手にしてレジに向かう~

coucouさんはその後ろ側に立ち、心の中で頭を下げて「ありがとうございます…」と唱えた~
一瞬だけど涙が零れてきた…。

ああ~本って、こんな喜びがあるんだね~

coucouさんは本屋に出向くたびに自分の本探しをした。
あるとき、久しぶりに地元の図書館にcoucouさんの本があった。

これも驚いた~

そして、さらに喜びは毎週手紙が届くんだ~
問い合わせも、資料請求や質問などだ。

これは、豊澤会長からのアイデアであり、ほんの巻末には必ず資料請求のコーナーを設けることで反応がわかるという。
そのアイデア通り日本全国から連絡がくるようになった…。

そして、22年間で37冊の本が出版社から発売された~

豊澤会長はいう、豚も木に登り、登り続ければあまりの高さに驚いて、降りることが出来なくなるんだ、という~

もし、あのとき豊澤会長の本に出合わなかったら、
もし、あのとき豊澤会長に褒められなかったら、

この現在のnoteの世界にはcoucouさんはいなかったかもしれない…。

⑦次回続く(読んでね~)


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5.命の恩人「頭の使い方」


当時、coucouさんは、は会社を潰し、これから何をして生きればいいのか、どうしたらいいのか、これからの自分がまるで想像が出来なかった…。

何よりもcoucouさんの人生のすべてに希望を失っていたとき、ある一冊の本と出会った~

その本は社団法人発明学会初代故豊澤豊雄会長の「頭の使い方」実業之日本社発行の本だった、昭和36年12月10日増訂初版発行、平成5年5月18日再増訂補改訂二版(通算43版)のベストセラー本だった。


頭の使い方 単行本 豊沢豊雄 (著)実業之日本社


 
coucouさんは、その本を平成7年に手にした。
 
その約270頁の本を簡単に要約すると、

1.頭を良くする最良の方法は、頭を正しく使うことである。

2.名文は必要ない、一世を風靡するものは想像力が働いているもの。

3.大きな着想を実現するためには、小さな着想やら工夫が何百、何千と必要

4.わが立つところを深く掘らば、いずくにも清泉わくべし

5.『天上、天下、唯我独尊』すべての人々が我こそは天上、天下、一番尊いものだ、と釈迦は唱えた

6.人間は誰でも、神さまが与えてくれた想像を最大限に利用すべきなのです。想像力は私の最上の友でした。それは危機に面した時に、わたしを助けてくれたし、反問を解決してくれたし、幸福な瞬間をさらに幸福にしてくれました。これからも想像力は生ある限り私を幸福にしてくれるでしょう(シリぺウスの言葉)」そう、人間は想像することが幸福だ。想像かもたらすものは金銭より幸福である。

7.ウォルトディズニーは「想像力が私の資本である」
吉川英治は「小説の種は想像の遊びの高徳である」といった。

8.想像の源泉は経験と読書

9.愛は想像の原動力になる

10.意志の力よりも想像の力の方が大きい

想像すること、創造することは楽しいこと、
私は100歳の自分を今、想像している(90歳の頃)
 
考えて見ると、当時のcoucouさんは金銭面を含めてマイナス面ばかりが残り、残務整理もままならず、何をしたらよいかという判断力も無くなり、日々、目的がなく生きていた。

でも、この本を読んだら、coucouさんに残されていたものに気づいたんだ。
 
そう、それは、「想像力」だった。
 
coucouさんね、すぐさまその本を読み終わり、新宿から山手線に乗り、新大久保の駅から豊澤会長のいる事務所に向かった。
だからといって何か目的があった訳ではない。
ただ、豊澤会長に会ってお礼を言いたかったのだ。
 
この本は今でもcoucouさんの大切なバイブルなんだ…。

⑦に続く(次回も続くコラボ作品)25年ぶりに蘇る~



©NPО japan copyright association

coucouさんです~
みなさん、ごきげんよう~

ねえ、みんな~
今日もだれかを褒めてみようよ~

子どもさんでも、おじいちゃん、おばあちゃんでもいい~
意外と大切な人、愛する人を褒めることを忘れてしまう場合もあるよね。
それって、身近過ぎるせいかもね。

それに照れくさい~

だけどね、勇気を持って褒めて見ない~
coucouさんもね、勇気を持つようになったんだ~

そう、かけがえのない人は特にね~

6.褒めるってね、その人の幸せを心から願うことなんだよ~


coucouさんはね、「褒める」ってね、
その人の幸せを願うことだと思っているんだ~

だってね、その人のことが大好きだし、嫌いな人であっても同じだけれどね。その人の幸せを願うんだ~

coucouさんだって、大っ嫌いな人はたくさんいるよ~

嫌味を言われたり、皮肉を言われたり、文句を言われ、怒鳴られる場合もある。だけど、心の中で褒めてあげるんだ~

ありがとうってね~

そしてね、その人が平安に過ごせますように、幸せになれますように、優しくなりますように、って願い続けているんだ~

だって、coucouさんがその人を嫌いってことは、相手だってcoucouさんを嫌っているはずだもんね。

でもね、たとえ、嫌われているとしても、仕事や生活の中ではどうしてもお互いがかかわって生きる、そうやって人生は成り立っているんだもの~
だから、どうしても嫌ならば、その人から離れれれば良いのだものね。
離れられない自分に問題があるんだもの。

でもね、離れなくとも、離れても、どちらであっても自分が決めること。
その決めた自分をも褒めてあげないとね。

勇気を持って~

coucouさんみたいな褒められなれしていない場合は、どうしても人を褒めることは難しいと思う。だからね、人を想う気持ち、人の幸せを願う気持ちにも勇気が必要な気がしている。

coucouさんはね、初めての本の原稿を持参してその編集の人に原稿を放り投げられた…。

とっても悔しかった…。
何よりも悲しかった…。

だってね、どんな駄作であってもこの作品はcoucouさんの全身全霊を込めたものなんだもの。

だけどね、後にその人は編集長となり豊澤会長の100歳記念祝賀会の時に再開したんだ。coucouさんはね、もうその人の顔なんて忘れていた。
でも、その祝賀会で最初に声をかけられたとき、こんなことを言ったんだ。

「おめでとう~coucouさん。正直、あまりにも酷い原稿なんで馬鹿にされていると思った。でも許してほしい、あれは悪意じゃあない…」

さらに話を聞いて驚いた…。

豊澤会長の紹介で毎日十数人の本の原稿の持ち込みが後を絶たなかったようだ。確かにそれだけの人数を相手にしていたのだから頷ける部分もあった…。

「いやあ、こちらこそおめでとうございます。編集長なんて凄すぎますね。coucouさんはね、あの時の言葉がバイブルなんですよ~とてもあり難かった…」と褒めた~

すると、彼は「素晴らしい本でしたね…」とcoucouさんの本をカバンの中からあの真っ赤な表紙の本を出し、その本には付箋が沢山張られていたんだ。
あ~買ってくれたんだ…。

「全部、読みましたよ、coucouさん…」
なんと物凄い、言葉のない褒め言葉なんだ…。

あの大手の編集長が読んでくれたんだ…。
coucouさんはその場で握手した。
なんて素晴らしい豊澤会長の100歳記念祝賀会なんだろう~

褒め言葉に、言葉なんていらないんだ~
現在も彼との付き合いは続いている~

coucouさんの傍で中本さんと豊澤会長は静かに笑っていた~
そう、無言の誉め言葉なんだ~

褒めるって、人の幸せを願うことなんだね~



coucouさんのホームページだよ~みてね~

 
Production / copyright©NPО japan copyright coucou associationphotograph©NPО japan copyright association Hiroaki
Character design©NPО japan copyright association Hikaru









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