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すごい日記

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ハイウェイ・トゥ・ヘル

ハイウェイ・トゥ・ヘル

私は自他共に認められる偽善者だ。落ち込んでいる人間がいれば励ましの言葉を投げかけて、怒りに震える人には耳を傾ける。落とし物は交番へ届ける。道端でうずくまっている人間がいれば早足で駆けつける。
そうしたほうが良いと思えばすぐにそれをする。私は、いまこの瞬間の心に従っている。ある人たちはこれを支配と言って、さらに偽善者と付け足す。

偽善者だろう。私は生まれたときから終わりまでずっと偽善者だろう。

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タフな奴

タフな奴

暑い、熱い。朦朧とする。陽炎が揺れる。空が近い。太陽が過稼働している。焦げた鉄板の上を歩く……等など猛暑にやられて思いつくばかりの夏の日の表現を思い浮かべる。
舌を出した犬。求婚し続ける虫。どこまでも伸びる車の排気音。開け放した窓から入る田舎臭い風。

火を使う気になれなくて、買ってきたパンをひたすら噛じる。値引きされたパン屋さんのパンは時間が経っても柔らかい。食べごたえがある。
ジャムは2種類用

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なめらかな関係

関係を築いて関係値をそこそこに上げていくことは必要だ。
仕事であればある程度仲良くなっていれば関係値を消耗して理解を得ることもできる。関係値を上げることは自分の身を守ることに繋がる。
私は意図的に人と関係を築くことにしている。それは私の人間的素養とか基礎教養のなさからくる防衛本能が働いてのことだ。社会というのはとても残酷で、能力が劣る人間は自然と淘汰されていく運命にある。
私は、自分がとても非力で

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邪魔はさせない

あまり書くことがないな、とnote記事を読み漁っていたら似たようなぼやきから記事を書き始める人の多いこと多いこと。みんな同じなんだね安心しました。それはそれとして毎日書け。

スランプです。書くことがないこともそうだが、書いても書いても上手く書けな~いとキーボードをほっぽり出してしまう。同じような言い回しや同じような内容で書いていて納得がいかなくなってしまう。納得がすべてにおいて重要はこれ真実で、

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なにも覚えていない

記憶力がそこらで飼われている犬猫よりも乏しいため、記事を書こうとするたびに「なんかこれ前も書いた気がするな……」と恥の記録を遡って書いたかどうか確認する作業をしている。私は多種多様な人格を有しており、それらの人格が自由気まま勝手に記事を書いている。ということにしているため書いた記憶がないのは当然なのだが、本当に身に覚えがない記事などがあったりするため油断ができない。同じ内容の感想文が書かれる日は近

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また髪の話してる

最近は仕事も慣れてきて同僚と歓談する機会も増えてきた。無意味に息を吐き出す瞬間は大事にしていきたい。内容は些細なもので風通しの悪さから温室と化している店内が夏には灼熱地獄へと変わることへの恐怖。断続的過ぎる客足が増えることの期待。内容がどうであれ未来について話し合うことができるのは今が平和なことの証拠でもあるので悪いことではない。

どういう流れからその話題に移ったのかあまり覚えていないが髪の毛の

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1時間あったらなにする?

1時間あったらなにする?

仕事が休みなので家事をした。私の家事の大部分を占めるのは洗濯である。
尚部屋の掃除もろもろは家事には含まれないとする。

家には洗濯機がないので徒歩15分ぐらいのところにあるコインランドリーに1ヶ月分の洗濯物を担いで向かう。いまはなんてことないがこれが冬になると雪の中をキログラムはあるカバンを背負い、息を切らして坂道を登ることになる。昭和のスポ根漫画である。
いまどきコインランドリーなんて使うやつ

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3日分の下書き

3日分の下書き

限られた時間にポツポツ加筆して適当な長さになったら投稿することにしたら3日も記事が空いてしまった。なにをやっているんだ!
やっぱり帰宅してすぐ飯も食わずに書き始めるのがいいのだと思う

家の掃除はろくにしないくせに職場の掃除はしっかりやる。家の掃除は終わりがみえず、妥協なく掃除することになるためまったくやる気が湧かない。対して職場は時間と掃除箇所が決まっている。チェックボックスを埋める掃除、かなり

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言いたいことがあるんだよ

書くことがない。仕事の話でもするかと考えたが、GWも終わり比較的穏やかな業務で特筆することがない。一応、書店員なのでnote的にはおもしろい話があるかもとも考えたが。業務に関する話は1度書くと際限なく書いてしまいそうで気が引ける。結局、なにが好きでなにを嫌悪し、現実なのか空想なのかも自分でもよくわからないあべこべなことを書くしかない。

文章を書く意味を探し続けている。いまのところ書き続ける理由ト

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指差す者を探す

「これはどこにあるの?」「これってあります?」「探したけど見つからないんです」
私は、「ああ、それなら」から始まり、腕を上げて指差す。「あちらにありますね」
 私が言うと、困った顔や申し訳無さそうな顔、不機嫌な顔も一様に満足げになり私が指さした方へと進んでいく。なんて楽な仕事だろう。行くべき場所を伝えただけでみんな上機嫌になる。ただ指差すだけで誰かの役に立つ。自己肯定のハードルが低ければ低いほどこ

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封印されし者のベッド

1年ぶりぐらいに部屋の掃除をする。散乱したペットボトルとパルプ(本)を集めて寄せて、1年ぶりに再開した友人の顔めがけて掃除機を滑らせる。折りたたまれて山になった段ボールは最後の抵抗と言わんばかりにわずかな膨らみで存在感をアピールする。掃除とはなぜこうも面倒なのか。自分が撒いた種ではあるが育つことはない。ただ堆積していく。変化を好む人間がなぜ掃除を面倒だと思うのか、それは変化することのない物質と向き

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そうやってはぐらかすのね

 ご周知のことと思いますが私は頭の中に複数の人間を飼っておりまして、それぞれが私に必要なときに声をかけてくださったり代わりを担ってくれたりする。これは便利でもあるが時には邪魔にもなる。いやほとんどは邪魔なのだが。近頃は20代のパンツスーツが似合うバリキャリショートの元バレエダンサー趣味乗馬バイオリン学生時代のあだ名は女王、現在は工作員として流木を拾う仕事をしている謎の女性が現れて日々の生活について

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持っているものが自分を束縛する

持っているものが自分を束縛する

・まるでミニマリストの言葉のようだが元ネタは『ファイト・クラブ』のタイラーダーデンだ。7,8年前からベイプ(ニコチンを含まない煙が出る玩具)を使っていて、部屋を甘ったるい煙でいっぱいにして十分楽しんだあと、彼の台詞がふっと思い浮かぶ。1時間かそこら煙を吸ったり吐いたりしながら映画を観たり本を読んだり音楽を聴いたり、これはベイプによって作り出された結果であり、まさに私はベイプに束縛……支配されている

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砂の大地と黒い日々

砂の大地と黒い日々

 孤独の形、よく耳にするのは砂漠です。太陽のない砂漠。太陽にさらされて光り輝く黄土色、緩やかに隆起した地形が延々と続く、いけども行けども砂の大地。苦にならぬ寂しさが一面広がっている。太陽はない。あるように思えるけど太陽が存在しているかのような明るさだけが存在する。暑くはない。私たちは心理風景をとらえるとき、度々気温のことを忘れてしまう。
 私の孤独はいつも暗い通路にある。暗くて狭くて短い通路。明か

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