ハイウェイ・トゥ・ヘル
私は自他共に認められる偽善者だ。落ち込んでいる人間がいれば励ましの言葉を投げかけて、怒りに震える人には耳を傾ける。落とし物は交番へ届ける。道端でうずくまっている人間がいれば早足で駆けつける。
そうしたほうが良いと思えばすぐにそれをする。私は、いまこの瞬間の心に従っている。ある人たちはこれを支配と言って、さらに偽善者と付け足す。
偽善者だろう。私は生まれたときから終わりまでずっと偽善者だろう。
借り物の言葉で傷口を癒やす言葉を考えている。トイレの壁に書かれた我儘なサインで憂鬱になる。
なにをすれば地獄に行けるのだろう、私はもう地獄へ行けるでしょうか。
寿命が伸びます