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読書感想

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「太陽のパスタ、豆のスープ」宮下奈都

「太陽のパスタ、豆のスープ」宮下奈都

婚約者から突然破談を持ちかけられた20代後半の女の子が主人公
その瞬間世界が灰色になりどん底の中救ってくれたのは
天真爛漫で明るい人柄の叔母

その叔母から提案された “ドリフターズリスト” なるもの

初めは 「こんなものなにになる」 と思っていたが気づけば自身のお守り的存在に

「そうか、こうありたい自分がここに濃縮されているのか」と気づく

叶っても叶わなくても “一切れのパン” のようなこ

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「たった、それだけ」宮下奈都

「たった、それだけ」宮下奈都

宮下奈都さんの小説をまた一つ読んだ

父親が贈収賄の罪を犯し、逃げた

そのせいで不幸な人生を歩む娘

目の前の現実から目を背け逃げ続ける

そうした中、ある出会いが劇的に世界を明るく変える

そういう話なのだけど(めっちゃ雑な要約w)

物語は読み始めからずーっっっと暗い内容だったので
前回読んだ「羊と鋼の森」でとても爽やかな前向きなエネルギーを得た自分としては、期待とちょっと違ったなぁ、という

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「羊と鋼の森」宮下奈都

「羊と鋼の森」宮下奈都

とてもいい作家さんを知った

宮下奈都さん、最高だぁ!

書く文章が穏やかでいて熱をもっているのが本当に素敵

今回読んだ「羊と鋼の森」

主人公の外村が高校生の時に、天才的なピアノ調律師に出会ったことがきっかけで調律師を志す成長物語なのだが、

いやー久しぶりに良いものを読ませていただいた

これだから読書はいいですね〜

ブックオフでおすすめの棚に置いてあって、何も考えず秒で購入した自分を褒め

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“美しい” を感じること

“美しい” を感じること

今読んでいる小説ですごく素敵な、共感できることを主人公が言っていた

うわー、僕が深く写真を撮るようになってから感じたこと、そのまんま言っている!と思った

まさにそうなの

“見える” と “見る” が違うように 

美しいものは本来、そこらじゅうに散らばっている

それを美しいものとして感じるかどうかが全てだ

写真を撮るという行為はそれを拾い集めるということだと僕は思っている

対象を美しい

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良い本を教えてもらった

良い本を教えてもらった

フォトグラファーの友人から “ここだけの話” と教えてもらった良本なのでタイトルは伏せておく

要は

“クリエーターはインプットの量と質にこだわれ”
という話

「良いアイデアが出ん〜」
「あの人は天才だから〜」

などと言い訳じみた考えに度々陥っていた以前の自分の頭をハンマーで殴ってやりたい気分になった笑

そもそも新しいアイデアとは 既存のアイデア × 既存のアイデア という掛け合わせである

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【ユリゴコロ】を読んで -沼田まほかる-

【ユリゴコロ】を読んで -沼田まほかる-

読み始めの序盤が怖すぎてまずビックリ

寝る前に読み始めたものだからその夜、変な悪夢みたし笑

でも最初の掴みが強烈だったぶん、一気に読了してしまった

最後の真相、実母がすぐ近くで亮介を護ってくれていたなんて
衝撃すぎて声が出た

本書の補足説明に書いてあった
「深い愛なんてどこにあるんだ!?」

ただただ狂乱クレイジーな物語を題材にしたスリラーエンタメじゃないか

と読み進めながらずっと思って

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メモを取ること。

メモを取ること。

こう毎日書いていると題材どうしようとなってくる。

でも、普段生活していると色々な思考が頭をよぎるので、
「あそうだ、これについて書いてみようかな」
とか思うんだけど気づいた頃にはすぐ忘れちゃう笑。

うん、スマホでメモ取ろう笑

メモで思い出すのは数年前に読んだ本

「メモの魔力」-前田裕二-

メモって単に忘れないように、あとで思い出すように、という用途でしかないと思っていたのだけど、
この前

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【破天荒フェニックス】を読んで -田中修治-

【破天荒フェニックス】を読んで -田中修治-

まだ読了してないんだけど笑
9割読んだ

ビジネス書と思ってたら小説仕立てでめっちゃ読みやすかった
というか引き込まれた

破天荒 + フェニックス

タイトルのまんまだ!

打ち手の数々が破天荒
そして、何度も何度も瀕死に追い込まれても不死鳥の如く返り咲く

すごすぎる、、

人にも裏切られ

絶望を感じながらも
新店オープン半額セールが大ヒットしたときのエピソードは

「よかったねぇえぇえ」

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「続ける思考」を読んで -井上新八-

「続ける思考」を読んで -井上新八-

これは、読んでよかったなぁと思える1冊のラインナップ行きだ。

継続するためのコツなども色々書いてあったが(とにかくやる・ついでにやる・決まった日時・ちょっとずつ・はじめはスモールスタート、、等々)、
それよりも筆者のマインド的な発見がとても参考になった。

「続けると、好きになる」

最初はわけがわかってなくても、生産性などなくても、なんのためにやってんだっけ?となっても、続けるうちに対象のそれ

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「仏果を得ず」を読んで -三浦しをん-

「仏果を得ず」を読んで -三浦しをん-

「文楽」というなんとマイナーなテーマ!
若い人には絶対馴染みない。

でもそこはさすが三浦しをんさん、
人情に沿った親しみやすい話でどんどん引き込まれてた。

とっつきづらく芸に厳しい三味線弾きの兎一郎と相方を組む、主人公の健太夫の成長を描いた物語。

まさに全身全霊。

役柄、人物に真摯に向き合って芸の昇華に取り組む姿勢は心打たれる。

自分もまがりながら写真を生業にしている「芸事」と言えるので

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「輝く夜」を読んで -百田尚樹-

「輝く夜」を読んで -百田尚樹-

クリスマスイヴの奇跡。
5話の短編集。

「んなわけあるかい!?」
な話のオンパレードなのに鳥肌たちまくり。

百田尚樹さんの紡ぐストーリーは本当に魂が震える。

大好きな作家さんの1人。

テレビで見る姿とのギャップが本当にすごいといつも思うw

あんなに破天荒な口悪いひと笑が、こんなにも素敵な物語を創り出すなんて。

ブックオフで買ったけど、多分昔も読んだことある気がする。

キッチリ再感動し

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「政と源」を読んで -三浦しをん-

「政と源」を読んで -三浦しをん-

東京は墨田区の下町を舞台に、齢70オーバーの幼馴染じじい2人のあれこれな話。

三浦しをんさん、やはりいいなぁ。
人間模様が素敵。

破天荒だけど世間体にとらわれず人情味あふれる「源」と、
実直に銀行員として仕事を全うしてきた堅物タイプの「政」。

こんな凸凹コンビがいまもツルんでいるのは幼馴染のなせる業かも。
いいね、まずそういう関係の人が一人いるだけでも素敵な人生だな。

僻みっぽい性格の政。

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「神去なあなあ夜話」を読んで -三浦しをん-

「神去なあなあ夜話」を読んで -三浦しをん-

三浦しをんさん「神去なあなあ日常」の続編

2年目を迎えてすっかり山の男になりつつある勇気。

多感で素直でいい子やな。
沢山のことを純粋に吸収しよる。
根がいいんやな。

2作目にして改めて思う。

これはあくまで勇気がPCにしこしこ執筆している文面という程だから、ちょっとポップな言葉使いになってるんやね。
ややハイテンションで若い感じが読んでて楽しいな。

都会では物に溢れ何でもあるようなのに

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