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会社の行為はその事業のためにするものと推定されるらしい
付記試験では、特許権侵害が起こった場合の対応も試験範囲の一部です。
例えば、株式会社Aが株式会社Bが有する特許権を侵害した場合、株式会社Aは、株式会社Bから特許権侵害で訴えられることが考えられます。
訴える際には、「訴状」を裁判所に提出するのですが、その訴状には、
「被告は、〇〇〇を製造及び販売することを業とする株式会社である。」
のように記載されるようです。
この記載を見た際に、株式会社の行為であっても業としての行為とは言えない行為もあるだろうと思いました。
そこで、調査したところ、会社の行為は、その事業のためにするものと推定される旨を示した判例があるようです。最判平成20年2月22日(平成19(受)528)です。
ポイントと思われる部分は以下です。
3 しかしながら,原審の本件貸付けに係る債権が商行為によって生じた債権に当たるということはできないとする判断は是認することができない。その理由は,次のとおりである。
会社の行為は商行為と推定され,これを争う者において当該行為が当該会社の事業のためにするものでないこと,すなわち当該会社の事業と無関係であることの主張立証責任を負うと解するのが相当である。なぜなら,会社がその事業としてする行為及びその事業のためにする行為は,商行為とされているので(会社法5条),会社は,自己の名をもって商行為をすることを業とする者として,商法上の商人に該当し(商法4条1項),その行為は,その事業のためにするものと推定されるからである(商法503条2項。同項にいう「営業」は,会社については「事業」と同義と解される。)。
条文の内容が循環しているような気もしますが、付記試験の勉強が主な目的なので、ここでは深入りしません。
この判決では、会社法5条、商法4条1項、商法503条2項、を繋いで、会社の行為は、その事業のためにするものと推定されるとしています。それから考えると、会社が有する権利義務関係は、基本的に事業のためにある、と考えるのかもしれません。
・会社法5条 商行為
(商行為)
第五条 会社(外国会社を含む。次条第一項、第八条及び第九条において同じ。)がその事業としてする行為及びその事業のためにする行為は、商行為とする。
・商法4条 定義
(定義)
第四条 この法律において「商人」とは、自己の名をもって商行為をすることを業とする者をいう。
2 店舗その他これに類似する設備によって物品を販売することを業とする者又は鉱業を営む者は、商行為を行うことを業としない者であっても、これを商人とみなす。
・商法503条 附属的商行為
(附属的商行為)
第五百三条 商人がその営業のためにする行為は、商行為とする。
2 商人の行為は、その営業のためにするものと推定する。
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