基礎出願が取下となっても、優先権の基礎とすることができます（パリ条約優先権）

　日本国内だけが想定する戦場である場合は、外国出願との関係を考える機会が減るとは思います。

ただし、パリ条約上の優先権を伴って、日本国内に入ってくる出願もありますから、外国出願は完全無視というのは良くないです。

　基礎とする出願が取下げや放棄、拒絶査定などの結果になっても、パリ条約上の優先権の基礎にすることができます。これは、パリ条約において正規の国内出願とは、結果のいかんを問わず、当該国に出願をした日付を確定するために十分なすべての出願（パリ条約4条A(3)）だからです。

　なお、パリ条約による優先権の主張の基礎とすることができる出願は、
①パリ条約の同盟国で正規にされた国内出願であり(パリ条約4条A(1)及び(3))、
②パリ条約の同盟国における最初の出願(パリ条約4条C(2)及び(4))、
です。

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