![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/140868179/rectangle_large_type_2_28370823767e99c907ee44a1ee325f52.jpeg?width=800)
メガネ騒動
どうも西尾です。
昨夜、久しぶりにYouTubeを見ました。
と、言いましても何かの動画を見るわけでは無く、音楽がシャッフルで再生されるだけですが。
色々なアーティストの曲が流れる中、プリンセスプリンセスの『M』が。
失恋の歌。
どうして男の人は振ったのだろうか。
寝る前までそのことが頭から離れませんでした。
メガネ騒動
昨日は風が強かった。
飛ばされるのではないかというくらいに強かった。
夕方、強い風が吹き荒れる中、必死に自転車を漕いであるところへ向かった。
そこはいつも行くドラッグストア。
何故なら家のトイレットペーパーがラスト1ロールになっていたからだ。
家でもどこでもトイレを頻繁に行く者からしたらトイレットペーパーは必需品。
ドラッグストアまで自転車で10分ほど。
でも昨日は風が強くて、体感では倍の時間がかかったかのように思う。
街路樹の欅の木がワサワサと揺れ動く。
新緑の若葉が生い茂る欅。
そんな欅の木の下を自転車で駆け抜けると気持ちが良い。
交差点で信号待ち。
左を振り向くと、黒い軽自動車が止まった。
運転席に若い男性、助手席には若い女性。
カップルだろうか。
何かの音楽でも流れているのか、二人とも笑いながら体を左右に揺らしていた。
仲の良いカップルでなにより!と勝手に子どもの成長を見守る親の気分になり、青信号に変わると同時に、お先に!と横断歩道を渡った。
横断歩道を渡ると高校の前を進む。
しまった。
ちょうど下校時間で高校生がぞろぞろ歩いていた。
高校生の集団を後ろから見る。
野球部だろうか。
髪の毛が短く丸坊主にされていた。
今でも野球部は丸坊主なのか。
あれは一体何なんだろう、野球と丸坊主に何か関係あるのか。
高校生の集団が歩く歩道には銀杏の木が街路樹として植えられている。
最近、剪定されたばかりだろうか。
見ているこっちが恥ずかしくなりそうなくらいに短く剪定されている。
先程の欅の木とは大違い。
銀杏、お前も高校生の野球部と一緒だな。
丸坊主の高校生と銀杏。
やり方は他にもいくらでもあるはずなのにね。
高校生の集団が途中で曲がってくれたお陰で、再び自転車の速度を上げる。
私は6,000円で購入した中古のママチャリのペダルを強く踏み込んだ。
チェーンから嫌な音が聴こえてくる。
ママチャリに喝を入れる。
帰ったら油注すから頑張れと。
ドラッグストアの看板が見えた。
もうすぐだ。
相変わらず風が強い。
風にも負けず、自転車を漕いでいると右目に埃か何か入ったみたいだった。
メガネをかけていると目に異物の混入は少ないが、風が強いと入ることもある。
ドラッグストアに着くまでの辛抱だ。
程なくしていつものドラッグストアに到着した。
駐輪場には既に多くの自転車が止まっている。
空いているところに自転車を止める。
駐輪場に犬が一匹。
![](https://assets.st-note.com/img/1715901657803-jnNcHAeiv7.jpg?width=800)
大人しく飼い主を待っているのか。
犬を余所に、私は左手でメガネを上方に持ち上げ、落ちて来ないようにおでこ部分で支える。
次にスマホを取り出し、暗い画面を鏡替わりにして、右手で目に入った異物を取り除く。
異物が取り除けてスッキリした後はそのままスマホを操作した。
LINEメッセージやメールをチェックする。
メガネをおでこ部分まで上げて、顔をスマホの画面に近づけて見ている。
側から見たら近視の人としか思えない。
確認を終えた私はスマホを鞄に戻す。
そして何事も無かったかのようにお店の出入口へ向かおうと思った時に我に返る。
あれ、メガネが無い。
無いことはなく、おでこ部分まで上げていることをすっかり忘れていただけのことだが。
その時の私はパニック状態。
何せメガネが無いと、何も見えない。
家に帰るにしても、視界がボヤけて見えるので自転車にも乗れない。
これは大変だ。
鞄の中をもう一度確認する。
やはり無い。
自転車のカゴの中だろうか。
探してみてもやはり無い。
自転車の周辺で右往左往している私。
大人しく飼い主を待つ犬から私はどう見えていたのか。
この人間はさっきから何をしているのか、と思われていたに違いない。
私はメガネを探すのに必死だった。
焦りで全身から汗が込み上げてくる。
心の中で、メガネ無いっ〜!どこいったメガネ〜!っと叫んでいる。
一通りメガネを探し終えた私は少し落ち着いていた。
まさか、いつものドラッグストアでメガネの神隠しにあうとは。
はぁ〜、と深くため息をつく。
そして乱れた髪の毛を整えようと前髪を触る。
何かが手に触れる。
あ。
そうだった。
おでこ部分までメガネを上げてたのだった。
そうだった。
急に恥ずかしくなった。
顔がニヤけてしまう。
辺りを見渡した。
良かった。
人はいない。
誰にも見られていない。
飼い主を待つ犬が一匹いるが、まあ、いいだろう。
見なかったことにしてくれと声をかけておく。
犬は首を軽く横に傾けるだけ。
意気揚々とトイレットペーパーを買いに店内に入る。
トイレットペーパーと半額のシュークリームも買えた。
メガネ騒動解決のご褒美に。
駐輪場に戻ってくると犬はいなかった。
あの犬、飼い主にチクったりしないだろうかと気になる。
まあ、そんなことしないだろうけど。
それにしても、大人しい犬だった。
プードルか、トイプードルか、マルチーズか、はたまたそれ以外なのか。
犬種は分からないけど。
メガネ騒動は私とこの犬しか知らないこと。
以上になります。
お読みいただきありがとうございました。
よろしければ西尾のサポートをお願い致します! サポート頂けますと西尾はとても嬉しく思います! 頂いたサポートは活動費として使用させて頂きます! 今後ともどうぞ宜しくお願い致します。