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ネイティブの心を動かす(刺さる英語の研究録/留学1年目編)

NIMOです。日本で社会人を数年間経験し、現在はアメリカの経営大学院に2年間留学に来ています。

アメリカに来て1年間、就活や学校との交渉事、スピーチの場面が続き、どうすればアメリカ人の心が動くのだろうとずっと腐心していました。

というのもアメリカに来てからというものの、内容はちゃんと伝わっているはずなのにどうも相手の心が動いている感じがしない。価値観が違うので内容面の問題もあるのかもしれませんがそれだけではない模様。心を動かせないと、面接も交渉もうまくいかない。気づいたのは、

”刺さる” コミュニケーションが日本とアメリカで違う

ということでした。

1年間苦労してようやく大学と交渉して追加リソースをもらったり、インターンの面接に通ったりと相手が動いてくれる場面が出てきました。少し何かが見えかけてきたところで、筆者の中で方法論として見出したポイントをまとめてみました。外国人とうまくコミュニケーションを取りたい方の参考になる点があればうれしいです。

※アメリカ人をオーディエンスと想定した内容なので、同じ英語のネイティブでも文化圏が違うと異なるかもしれません。ご注意ください。また筆者の英語習得も道半ばなので、この内容も途中経過としてご覧いただければ幸いです。


1 Personal Storyから始める

実は筆者はMBAに来て、"Management Presentation"というプレゼンのクラスを取りました。要は刺さる話し方を身に着けることを目的としたクラスです。

教授はラジオパーソナリティなどを経て現在の教職に就いた方です。その教授が聞き手が90分間生徒の集中力を切らすことなく話し続ける様が素晴らしかったため(どの教授もある程度そうですが)、日本の学校の授業で寝ずに済んだことがほぼなかった筆者はひどく感動してしまいました。授業の中で言われていたことの1つが、”個人的なストーリー”を含めることでした。個人的な出来事を、起承転結で含めるということです。

往々にしてアメリカのスピーチって、実際の出来事(たまに架空)の描写が含まれるのをお気づきでしょうか。

こちらは社会学者Amy Cuddyさんの人気のTED Talkですが、彼女がインポスター症候群を克服した過程が大事なパーツとして含まれています。(英語で自信喪失した筆者はこのTalkにかなり救われました。”Fake it, till make it”―できるまでできるふりしろ、だそうです)

仕事のミーティングでも、アメリカの方は冒頭5分くらいは必ず個人的な内容を聞いてきます。「連休何した?」とか。これがないとどうも仕事仲間として違和感を感じるようです。

Individualism (個人主義)のアメリカでは、自分が何者なのか、どういう状態なのかを効果的に伝えるのは必要不可欠なスキルのようです。そういう意味でも話を聞いてもらうためになるべくPersonal Storyを含めることは大変有効なのだと思われます。

2 Authenticな内容を話す(自分の信条が伝わる内容を話す)

こちらはアメリカでのインターン就活で気づいた内容です。

アメリカの就活は「ネットワーク」といって、応募する企業の社員と話してを構築するプロセスがあります。自分で社員にアプローチして20分くらいの会話をするものです。日本の新卒でいうOB訪問に似ていますが、位置づけとしては一次面接くらい重いです。これを突破して社員から採用担当者への推薦を得なければ面接に呼んでもらえないのです。

このネットワークで、筆者は「この人、入ってもらおう」と心底思ってもらうことに苦労しました。筆者に対するまわりからの評価を踏まえると恐らく「いい人でまあ普通に優秀なんだろうね」くらいには思ってくれている可能性はありました。しかし、肝心のつながり作るレベルでは全然相手に刺さっていませんでした。

すっかりコミュニケーションに悩んでしまったときに先輩からもらったフィードバックは、筆者は「ほとんど自分の信条を話していない」という点でした。そこで気づいたのは、筆者は雑談において耳障りのいいことだけ話す傾向がついており、Authenticな自分(いわゆる本当の自分、本音ベースの自分)を出さなくなっていたということでした。

「authentic」とは、信頼すべき・真正の・確実なことを意味する英語表現である。

Weblio: https://www.weblio.jp/content/authentic

Authenticに話すという点については様々な解釈や研究が見受けられますが、筆者の体感から思うのは「自分の価値観や信条をベースにした内容を話す」ということだと思っています。

簡単な事例でいうと、英語を話したい理由をネイティブ講師に聞かれたとき、「海外営業の仕事で必要だから」とファクトのみで答えることは可能です。しかし、「英語を話せる部署の先輩は仕事で海外に行ったり、ついでに世界中に友達を作って楽しそうにしている。だから英語ができると人生が豊かになると自分は信じている。だから自分も英語ができるようになりたい」の方が刺さるし、教える側もモチベーションを持てると思うのです。

信条を開示するのは、強い自己主張でもあるので日本人にはハードルが高い部分かもしれません。筆者はアメリカ人相手のコミュニケーションでは意識的にやっていて、心理的距離を詰める上で非常に有効だと感じています。

3 Relatableに話す

「相手に関係があるように話す」です。なぜ今から話す内容が聞き手にとって大事なのかを説明する、等。例のコミュニケーションの授業でも繰り返し言われていましたが、おそらく日本でもよく言われていると思うので割愛します。とはいえ、お互いの共通点を見つけるというのはアメリカでのコミュニケーションでも文化的に非常に大事なようなので、重要なポイントであることは間違いないと考えます。

まとめ

以上、筆者が気づいたアメリカ人の心を動かす話し方3点でした。まだ研究途上ですが、就活や大学関係者から力を貸してもらうときのコミュニケーションでは効いていると思うのでぜひ試してみていただければ幸いです。留学はまだ1年あります。もっと気づくことがあると思うので、また第2弾、第3弾とアップデートしていけたらと思います。

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