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【教育×留学】日本の英語教師との出会い


私は身近に教育関係の仕事に就いている人が多かったからか、幼いころから教育について考えたり、各国の教育制度について学ぶのが好きだった。

教育を学ぶために日本からアメリカへ留学している方がいると知ったのは、その方が書いているブログを見つけたから。
私と同じ専攻分野(教育)での留学は珍しく、気が付いたら夢中でメッセージを送っていた。

最初のやり取りから数年が経ち、とうとう「リアル」で会うことができた。
田舎者なので東京で迷いに迷い、集合場所で出会えたのがお昼。そこから解散したのが20:30ごろだったが、一緒にいた時間で彼から学んだことや、再認識したことがたくさんあった。


この記事は「留学・海外インターン」「アメリカ」「英語」「日々の生活、生き方」について。


留学・海外インターン ― オンリーワンはかっこいい


私は高校卒業後に一年間日本で留学の準備をし、渡米した。そこからアメリカで学び、オランダの大学へ進み、退学。日本のいわゆる「一般的な」人は既に就職している年齢なのに、私は未だ学位を取得していない。そのことに少なからず劣等感があった。


しかし英語教師をしている彼と話し、「年齢で足踏みを揃えて進むこと以上に価値のある経験を私はしてきた」と胸を張っていいのだと心から思えるようになった。


「オンリーワンは面白い」

誰かの人生について聞くとき、それがユニークであるほど面白い。
正規留学を決意した理由の一つに、「同級生と差別化したい」というのがあった。誰も進んでいない道、経験してないことを最初にやってやるんだ、そんな選択を肯定してもらえたのが素直に嬉しかった。



留学・海外インターン - 自分を定義する


学歴や年収といった相対的なものさしではなく、自分の選択や経験を通じて「私はこういう人間です」と言えるようになったのは海外留学・インターンのおかげだ。
「オンリーワンになること」に似ているが、私は自分だけが持つ「何か」が欲しかった。

・留学先で摂食障害になり、筋トレに目覚める
・15万円払ったインターンで何も達成できなかった
・大学内で自分からナンパした(ふらっと話しかけた)友達がルームメートになり、卒業後も頻繁に連絡し合うほどの仲に
・人生で初めてスリに遭った国オランダへ留学を決めるが、一年で退学


これらの経験の裏には一日あっても語りつくせない量の感情・決断があり、それらは全て自分を成長させてくれた。
「何をしたか」だけではなく、「どう成長したか」を充実させて話せるようになって初めて自分がどういう人間か、どういう人間になりつつあるのか定義できる気がする。



留学・海外インターン - 成功の数より失敗の数


人は成功体験を語りたがる。それは尊敬されるし、自分の価値が上がる気がするから。しかし成功を鼻高々に語るだけより、無限の失敗を繰り返しそれを素直に話せる人になりたい。
失敗は決してダサいとかかっこ悪いことじゃない。失敗の数は挑戦した数であり、自分が求める結果に確実に近づいている証拠だから。

「カンボジアで教育支援をした」と話すと華々しく聞こえるが、実際の活動は失敗・反省・挑戦の繰り返しで、正直自分の行ったことが正しかったのかというと全く自信がない。

現地スタッフのマネジメント、授業準備、授業内容、自分の現地語の勉強…. 


教育支援は、先進国からやってきた日本人である自分の自己満足でしかなく、現地の未来へ繋がるような何かを何も残せていないのでは… という葛藤は常にあったし、自分が納得する「正解の行動」は今でもわからないままだ。

それでも留学やインターンを全く後悔しないのは、挑戦した自分に誇りがあること、そして失敗から学ぶことがたくさんあるからだ。


1つの成功から学ぶことが10あるとすれば、1つの失敗からは1000の学びがあるし、逆に言えば「失敗した」で終わらせずにそれを活かして挑戦し続けることにこそ意味があると感じた。



アメリカ - 出る杭はどんどん伸ばす


やりたいこと、興味のあることを発信するほど、サポートをしてくれるのがアメリカの大学だった。


「アメリカの教育現場へ行きたい」と言えば、「ワークショップやってみない?日本の文化紹介してよ」「近くに幼稚園あるから連絡してあげる」とどんどん話が進む。

「あなたの歴史の授業、すごく面白かったし、もっと学びたい」と言えば、「君をHonors Program (大学内の成績上位者が入るプログラムで、より高度で密な授業が受けられる)に推薦してあげるよ」と声をかけてもらった。


挑戦したいことを発信して「やめときなよ」「もし失敗したらどうするの?」と否定するのが日本だとするなら、「応援するからどんどん挑戦するといいよ!」とチャンスをくれるのがアメリカだ。

このアメリカの文化は自分の特技を伸ばしたり、興味関心分野を広めて自分を成長させてくれる、素晴らしい文化だ。たとえ上手くいかなくても、「おっけい、そんなこともあるさ。じゃあ次いこう!」とあっけらかんなのも大好きだ。



英語 - 自分の世界を広げる、居場所は1つじゃない


英語を使えると、世界中の人とコミュニケーションが取れるだけでなく、得られる情報量は日本語の何倍にもなる。

私は日本のとある飲食店でバイトをしていたのだが、毎日入れ替わり立ち代わり国内外からスタッフがやってきて一緒に働いていた。
日本語があまり話せず職場で孤立している人も、私が英語で話しかけるとぱっと表情が明るくなり会話が止まらなくなる。
彼らがここで働くことを決めた理由、家族のこと、学校のこと、趣味…

英語という共通の言語があるおかげで彼らのことを深く知ることができたし、英語で話す前と後では全く心の距離感が違う。


英語 - 学びの起爆剤


数日から3か月の短期 / 語学留学で英語が話せるようにならなかったと不満を口にする人は多いが、留学の醍醐味は他にある。それは「主体的に学ぶ起爆剤になる」から。

マナーや生活習慣、文化が違う場所で生きる人たちとの触れ合いで共通の「英語」というツールでコミュニケーションがとれた喜びは実際に経験した人にしかわからない。


私の人生最初の英語学習の起爆剤は、高校のときに訪れた韓国だった。
外国語学校に通う韓国の高校生と交流した際、彼らの英語の流暢さに衝撃を受けた。同級生なのに圧倒的な英語力の差、そしてたくさん話したいのに英語力の乏しさのせいで話せない悔しさを味わった。


英語学習で一番必要なのは、「やる気」だ。英語で会話したい、勉強したいというモチベーションは誰かが与えるものではなく、自ら発掘するしかない。

その起爆剤になる手段の一つとして、海外へ行くことは効果的だ。



日々の生活、生き方 - 迷ったら「面白そう」な方を選ぶ


現役英語教師の彼は「直感や面白そうだと思うものを選んできた」と言っていた。
それは私も同じだった。


カンボジアやマレーシアでのインターン、オランダ留学も後付けの理由はいろいろあるが、最初は全て「なんとなく面白そうだった」から。

カンボジアってどんな国なんだろう。カンボジア、行ったことないし、貧困国のリアルを知りたい。
オランダ、幸福度が高いけどそれはどうしてだろう。実際に暮らしてみたら何かわかるかも。


こんな理由で決断してきたことがほとんどで、後悔したものは一つもない。
上手くいかないことがたくさんあったが、「全て思い通りになることを期待して行ったわけではない」し、失敗含めて全ての経験が学びだった。


日々の生活、生き方 - 読書はアイデアの宝庫であり、人間を豊かにする


英語教師の彼はたくさんの本を読んでいた。小説、ビジネス書、なんでも。
英語の授業に関して、彼のアイデアはいつもわくわくするし、「私も英語を習いたかった」と何万回思ったかわからない。


私は彼の発想力は才能だと思っていた。
しかしとある本に「アイデアは既存の考えの組み合わせによるものだ」とあった。つまりアイデアは自分の蓄えからしか生まれないし、それが多いほど組み合わせの数も多くなるのだ。

「他の先生や学校の取り組みを、自分ならどうやって実践できるか考えている」と話していたが、日々読書を通じて先人から学び、それらを自分の経験や知識と結びつけることで彼のアイデアは生まれ続けていたのだ。


何より膨大な読書量で知識のある彼の話は説得力があり、わかりやすい。
・研究やデータといった信ぴょう性のある証拠を提示
・結論から話す
・本に書かれている抽象的な事柄の例として自分の経験を話す


これらが日常で自然にできるのは毎日たくさんの情報を処理し、消化しているからこそだ。
私はさっそくKindle をダウンロードした。



最後に - 目標はゴールではなく、次へのステップ



英語教師として働く彼は、大学院進学を目指していると話してくれた。
公立学校で英語を教えることは、大学で学んだことを実践するための目標だったが、同時に新たな目標への踏み台でもある。
実施の教育現場で働いた経験は大学院での学びをより充実させるだろう。

彼は常に「今」できることを全力でしながら、同時に数歩先の目標を達成すべく動いていた。


それは周りが感じるよりつらく地味でしんどいはずなのに、ブログなどで見る限り楽しそうなのだ。


彼は「楽天的」だと自分の性格を表現した。
私が思うに、「なんとかなる」と自信を持てるだけの失敗と挑戦を誰よりも繰り返して、「ヤバい」瞬間を乗り越えてきたからこそ彼は「楽天家」なのだと感じた。

「ヤバい」と言いながら笑ってその場を楽しむような人、彼みたいな人になりたい。


新学期直前、そして初めましてにも関わらずぶっ通しで話し続けたこと、こんなに楽しくてわくわくした時間をほんとにありがとうございました!

頂いたお礼は知識と経験を得て世界を知るために使わせていただきます。