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東雲そら
2020年7月11日 19:49
どこかで誰かが号泣必死の映画を観て泣く「今日から人に優しくしよう」とSNSで決意した誰かは数日後、クラスメイトに平気な顔して罵詈雑言を浴びせる物語は届かないの?言葉は届かないの?思いは届かないの?私はそっと目を閉じた私は部屋に閉じ籠った私は前髪をより伸ばした現実から逃げたくて私は藍色の空を撮り始めた明日なんて来るな金輪際、夜は空けるな祈りが通じるはずもなくて中
2020年4月12日 18:53
君は歌う。未明から桟橋で横たわり歌を歌う。 空の色が藍色と紫と黒のグラデーションで曖昧な今に自己投影する。朝が来たら毅然とした青空と太陽が君を炙り出す。 陽が登らない頃にだけ見える世界。不安も高揚も過去も未来も、この刻だけは許容できる。 18時30分になれば星空が跨ぐ、君は誰も星を仰がない時間に自分を見つめる。 君が最も君らしいこの時刻に寝ている僕は、君を理解したそぶりを見
2020年5月13日 19:03
朝の4時。LINEの通知音が鳴った。バイブを消していなかったかと後悔しながら表示された送り主を確認した。ああ、あの子か。あの子と言っても同級生だ。変わり者と揶揄されて未明の夜空を撮ることに定評がある女の子。大体の人は彼女を嗤う。変なやつ。不気味。近づきたくない。前髪は目にまでかかり、少し青白い不健康そうな肌が目立つ。それにお昼休みはあまり話さず、狂気性を孕んだ純文学を読んでいる。
2020年5月19日 19:05
未明の頃合いに私は外に出て桟橋に横たわり写真を撮るこの時間にだけ姿を現す紫と青が入り混じった空、ブルーアワーを瞳とカメラに収めるのが日課だ私がこの空を撮る理由はまだ私が始まっていないから陽が登らないこの時間が私に味方してくれるような気がした私は未熟で未完で未成年で物語は始まってさえいない誰か1人、理解者が欲しかった派手なブランドや飾りのための恋愛、見栄だけに留まらない人と繋
2020年7月5日 19:20
いつか君に聞いたカメラの機種そのカメラを購入して空の色が移ろいゆく中日の入り後に映える、柔らかな金色の空を収めたよ君が日の出前の空を送るから僕は日の入り後の空を送るとしよう君と共有できる趣味君と僕を繋ぐ空季節も空も留まることを知らない1日でさえ幾度も空は色を変える確かなものなんてあるのだろうか思考も習慣も想いも不確かで不変は約束できないだから僕は写真を撮る