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娘が「娘をやめる」とき #2

シリーズ「#7」にわたり投稿してきた
娘は、なぜ「娘」をやめられないのか?

その続編シリーズ【娘が「娘をやめる」とき】です。

不健全な母娘関係に終止符を打つにいたった経験エピソード、そのとき何を感じ、どう分析し行動したかつづります。

今回は、#2です。


母のこだわり

最後の面会で医師は家族を呼び、伝えました。
「長期的な存命は難しいかと…」

「長期的」が1が月なのか、3ヶ月か、はたまた1年か、医師だって明言はできません。
「死」とはそのようなものです。

母は、医師から伝えられたことかなり意気消沈していました。
「お父さん…あと、どんくらいなんだろうね…」

すでに覚悟はできていると気丈に振る舞ってたものの、実際そう聞かされてショックだったのでしょう。

娘から提案のあった「父への手紙」。
当初は難色を示した母も、父のためならと協力の姿勢を見せてくれました。

「担当看護師さんに直接電話でお願いしておきなさい」と、病院の番号を教えてくれました

1点だけは約束してほしいという条件付きで。
「死期が近いとわかることは書かないで欲しい」と。

言われたとおり内容には気を配りました。
私たちが小さい時の写真を入れ、思い出話や、懐かしんでくれることを書きました。
あとは、近況、時事ネタ、季節のはなしなど…

そして必ず最後に「つづく…」と書き加えました。


手紙が母を狂わしていく

看護師さんは、電話ですぐに快諾してくれました。

7年も連絡を絶っていた娘がいることに驚いていましたが…(汗)
「手紙は生きるチカラになると思います」と。

さらに、病状について詳しく説明してくれただけでなく、院内のPHSを使って、父の耳元に電話を持っていき、話もさせてくれました

母とは、3日間の軟禁以来、電話やラインのやり取りが始まっており、父の最期を目前にして、母は、娘との関係が少し修復したことに安堵し頼るように、私の方も弱っている母を励ますような関係になっていました。

そして、手紙の話になり…
「予定どおり送ったの?」と確認が入ります。
「週に1度とどくようにしてる」

「へー。そんなに何通も書くことあるのね…
1通だけ送るのかと思った」

(あれ?まだちょっと嫌がってる?)

さらに母は、看護師さんとどんなやりとりをしたのかも確認してきました。隠すようなことはないので、すべて母に伝えました

その後、4回にわたり父の手に渡った手紙を、父がどんな気持ちで読んだのか全くわかりませんが、届いたらすぐに読んでくれていたそうです。

そして…この手紙や看護師とのやり取りが、徐々に母を狂わせていきます。


通夜での驚愕の事実

訃報が入り、まもなく葬儀の日程が組まれました。

病院では、兄と母が手続きにあたりました。
私物の受け取り、通夜・葬儀の手配、その他の病院との手続き…

死を悼むヒマもなかったといいます。

…そういえば、手紙どうなってるんだろう…

葬儀に向かう車中で、私はボンヤリ考えていました。

通夜には、家族で参列しました。
息子たちとっては、これといった思い出はなく、単なる儀式だったと思いますが、大人になった彼らからは、異論はありませんでした。

父へ宛てた手紙は、看護師から渡された父の私物の中に入っており、通夜ののときに母から私に渡されました。

「これ、看護師さんから預かった」
「ありがとう、こういうのって、返されるのね?」

「そうよ、病院が勝手に捨てたりはできないのよ」

返された手紙を受け取ったあと、
父の亡骸の側にたたずむ私に、
母はこう言いました。

「ゴメン…読ませてもらった(笑)」

「………?」

(え?え?ええええ?)

「なんか読みたくなっちゃって(笑)
ちょっとだけのつもりだったんだけど、続き、気になって。
上手に書けてわ。」


このモヤモヤどうする?

通夜の夜、ホテルに戻り、私はこの事実を自分の中でどう処理すればよいか、するべきか、わからなくなってしまいます。
「私が母親だったらそんなことしない!」

内容は、万が一母の目に触れても問題ない内容でした。
母が後でどうしても読みたいと言えば、OKするつもりもありました。

なのに、「許可なく読んだ」ことに、どうしても引っかったのです。

こっちが大人になればいいじゃん「流してあげて!」という天使。
いや勝手に読むなんてない「ありえないだろ?」という悪魔。
またも2人があらわれます。

次の日は、葬儀。
いくら考えても答えは出ないまま…考えるのはやめにしました。

それより明日、最後の父になんて言葉をかけよう…?
手紙では、お別れを伝えられていない…

※ ※ ※

葬儀当日、滞りなくコトは進み、お別れのときがやってきました。
色とりどりのお花で埋め尽くされた父に対し、順番に声をかけていく段。

このときにとった「私の行動」が、さらに母を狂わせていきます。


#3へつづく…



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