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夏のせいで生きられない
愛したつもりに息が詰まるような季節ですね、思ったとしても言ってはいけない言葉があるそうで、浴槽で溺れたふりをしていた少女がもう少女ではなくなった頃、行く宛てもなく電車に揺られている正午に想像するような透明度は存在しなかったけれど、それでもなんでもない光景が、夏の暑さってだけで被害者ぶれるから、僕ら、無理に狂ったりしなくても手軽に感傷に浸れていた、毎朝決まった時間に目が覚めて、夢の中の存在が消失する
もっとみるこんな気持ちと言えてしまうほどに在り来りな僕のこと
少なくとも都合のいい関係なんかではないよねってそう割り切ったはずだった君が居ないことに気づけない、視界が揺れているような、ピントの合わない生活の中で最低だけを回避している、なんとなくで開けたピアスはもう塞いでしまったし、君との繋がりがまたひとつ消失してしまったような気がして、僕の手前、寂しさの枠が抜け落ちる、もっとはやく堕ちてしまえればこんな気持ちに足止めを食らうことなんてなかったかな、シアーシャ
もっとみる泣けない夜に思うこと
こういう日に泣けたら良かったな、たぶん、こういう時に泣けたら良かったんだと思う、なにかを伝えるということがあまりに億劫で、伝えたい気持ちはたくさんあるのに、上手く言葉にできないまま、ずっと、重低音が脳みその真ん中で揺れ続けていて、止まない、わたしもう大人になったのにな、いつまでこうなんだろう、いつまでこうで許されるんだろう、一秒先が過去になって、それでも呼吸が続いているから、どうしても、あなたとわ
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